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Exchange ActiveSync のクライアント機能

 

適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1, Exchange Server 2007

トピックの最終更新日: 2006-09-22

Microsoft Exchange Server 2007 の ActiveSync には、ユーザーの操作性を向上させるために設計されたいくつかの新機能と拡張機能が含まれています。Microsoft Exchange の新機能と最新バージョンの Microsoft Windows Mobile を組み合わせると、パフォーマンスと操作性を向上させることができると共に、モバイル デバイスのセキュリティの保護にも役立ちます。

Exchange ActiveSync の新機能

Exchange 2007 における ActiveSync の新機能および拡張機能の一部を以下に示します。

  • HTML メッセージのサポート
  • フラグのサポート
  • 高速でメッセージを取得するためのサポート
  • 会議の出席者の情報
  • Exchange Search の拡張
  • Windows SharePoint Services と Windows ファイル共有ドキュメント アクセス
  • パスワードのリセット
  • パスワード ポリシーを使用したデバイス セキュリティの拡張
  • Over The Air プロビジョニングの自動検出サービス
  • 不在時の構成のサポート
  • 仕事の同期のサポート
  • ダイレクト プッシュ
note注 :
ここで説明する多くの機能には、現在開発中である最新バージョンの Windows Mobile が必要です。

HTML メッセージのサポート

以前のバージョンの Exchange ActiveSync では、HTML 形式の電子メールがモバイル クライアントではテキスト形式として表示されていました。電子メールの返信または転送にモバイル デバイスを使用すると、電子メール メッセージ全体がテキスト形式に変換されました。Exchange 2007 を使用すると、HTML 形式を維持したままユーザーは電子メールの受信、読み取り、返信、または転送を行うことができます。

フラグのサポート

Exchange 2007 ActiveSync を使用すると、Microsoft Outlook でメッセージを処理する場合と同様に、モバイル デバイス上で直接電子メール メッセージにフラグの設定を行うことができます。また、フラグが設定されているメッセージに終了のマークを付けることもできます。Microsoft Office Outlook 2007 を使用している場合は、モバイル デバイスでフラグが設定されたすべてのアイテムが Outlook 2007 のタスク バーにも表示されます。

高速なメッセージの取得

モバイル デバイスの帯域幅を最小限に抑え、記憶域を節約するために、Exchange ActiveSync は大きなメッセージの一部のみをダウンロードします。メッセージ全体を取得する場合は、次の完全な同期を待つ必要はなく、メッセージの残りの部分を直ちにダウンロードできます。

予定表に関する強化

Exchange 2007 ActiveSync は、会議出席者の空き時間に関する情報をモバイル デバイスと同期します。モバイル デバイスで会議を表示したときに、すべての Microsoft Exchange ユーザーについての出席者の状態を表示できます。また、選択した任意の出席者に関するグローバル アドレス一覧の情報を表示することもできます。

Exchange Search の拡張

既定では、3 日分の電子メールのみがモバイル デバイスと同期されます。Exchange ActiveSync を使用すると、デバイスにもう格納されていない古い電子メール メッセージを検索できます。検索する用語を入力し、日付の範囲を選択することにより、特定のフォルダ内のすべてのアイテムを検索するか、またはすべてのフォルダを検索できます。一致するアイテムが見つかった場合は、デバイスにそのアイテムがダウンロードされます。

Windows SharePoint Services と Windows ファイル共有アクセス

Exchange 2007 と最新の Windows Mobile クライアントを使用すると、モバイル デバイスからリモートでドキュメントにアクセスできます。Windows SharePoint Services または Windows ファイル共有パス上にある、Microsoft Word や Microsoft Excel などのサポートされたドキュメントの種類へのリンクを含む電子メール メッセージを受信した場合は、そのリンクに従ってドキュメントにアクセスできます。

パスワードのリセット

モバイル デバイスが一定時間アクティブでない状態が続いた後で、デバイスのパスワードの入力を要求するように Exchange Server 2007 を構成できます。デバイス パスワードを忘れた場合は、デバイスの回復のパスワードを使用してデバイスのロックを解除できます。

パスワード ポリシーを使用したデバイス セキュリティの拡張

パスワードの履歴の追跡、パスワードの期限切れ、単純すぎるパスワードの使用禁止などの、追加のパスワード要件の設定を構成することによって、Windows Mobile デバイスのセキュリティを拡張できます。これらの設定を使用すると、1234 などの単純なパスワードを作成したり、無期限に保持したりすることはできなくなります。

Over The Air プロビジョニングおよび自動検出

モバイル デバイスの同期を構成することは、ユーザーにとって面倒な作業になる場合があります。Exchange 2007 ActiveSync は、自動検出サービスを使用することでモバイル デバイスのプロビジョニングを簡略化します。自動検出サービスを構成した後は、デバイスの同期を簡単に構成できます。デバイスは、Exchange ActiveSync 仮想ディレクトリの URL、およびユーザー名とパスワードを要求します。その後の処理は Exchange ActiveSync によって実行されます。デバイスを Microsoft Windows コンピュータに接続して Microsoft Exchange との同期を構成する必要はありません。

note注 :
自動検出サービスを使用できるかどうかは、使用しているモバイル デバイスのオペレーティング システムによって決まります。Exchange Server 2007 との同期をサポートするすべてのモバイル デバイスのオペレーティング システムが、自動検出もサポートしているわけではありません。詳細については、デバイスの製造元にお問い合わせください。

不在時のサポート

モバイル デバイスから直接、不在時の状態を構成し、設定できるようになりました。Exchange ActiveSync は、Microsoft Exchange サーバーから現在の不在の設定を取得し、ユーザーが不在時の状態および不在時の自動応答メッセージを変更できるようにします。

仕事の同期

電子メール、連絡先、および予定表アイテムの同期のサポートに加えて、Exchange ActiveSync は仕事のアイテムの同期もサポートしています。

ダイレクト プッシュ

最初は Microsoft Exchange Server 2003 Service Pack 2 で導入されたダイレクト プッシュ機能によって、モバイル デバイスへの適切なメッセージ配信が実現されます。ダイレクト プッシュでは次の手順を使用します。

  1. モバイル デバイスは、サーバーに長期間にわたる HTTPS 要求を発行します。この要求は PING と呼ばれます。
  2. サーバーは、指定された時間が経過するか、または新しいアイテムが到着するまで待ちます。PING 要求のライフ タイムの間に、指定されたフォルダに新しいアイテムまたは変更されたアイテムが存在しない場合、サーバーはデバイスに空の応答を送信します。新しいアイテムまたは変更されたアイテムが存在する場合、サーバーは新しいアイテムまたは変更されたアイテムがあるフォルダを含むデバイスに応答を送信します。
  3. モバイル デバイスは、空の応答を受信すると、新しい PING 要求を発行します。その応答が空でない場合、モバイル デバイスは同期要求を発行します。モバイル デバイスとサーバーの同期が完了すると、モバイル デバイスは新しい PING 要求を送信します。

詳細情報

Exchange ActiveSync の詳細については、以下のトピックを参照してください。

参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。