次の方法で共有


調達カタログの概要

適用: Microsoft Dynamics AX 2012 R3, Microsoft Dynamics AX 2012 R2, Microsoft Dynamics AX 2012 Feature Pack, Microsoft Dynamics AX 2012

Microsoft Dynamics Ax では、購買担当者が、法人の従業員が内部で使用する品目およびサービスを注文する際に使用できるカタログの作成および管理を行えます。間接調達用のカタログを使用すると、次のような利点が生まれます。

  • 従業員が、必要な品目またはサービスを迅速かつ容易に検索し、その項目またはサービスの購買要求を作成できます。

  • 調達担当者が、購買ポリシーを実施し、従業員に承認済の品目とサービスのみ注文させることを徹底できます。

調達カタログを作成する場合は、次の作業を実行します。

  • 購買サイトで従業員に対して表示するカテゴリを決定します。自分の購買カテゴリ階層を使用してカタログを作成することも、自分のカテゴリ カタログを手動で定義することもできます。調達階層カテゴリを使用する場合は、カタログを作成する前に階層をコンフィギュレーションする必要があります。

  • 従業員が注文できる製品を決定します。カタログ データを仕入先から直接インポートしたり、自分の製品カタログ カテゴリに製品を手動で追加したりできるほか、調達カテゴリに既に割り当てられている製品も使用できます。

  • 製品に設定する詳細レベルを決定します。属性を追加して製品関係を設定すると、従業員が注文しやすくなります。

  • 従業員が外部仕入先から製品を直接発注できるかどうかを決定します。外部仕入先カタログへのアクセスを許可する場合は、仕入先のカタログ サイトに対するアクセス パラメータをコンフィギュレーションしてから、仕入先のカタログ サイトへのリンクを調達カタログに追加します。

  • 必要な調達カタログの数を決定します。調達カタログへのアクセス許可は、従業員に割り当てられている法人および作業単位にコンフィギュレーションしたカタログ ポリシー ルールによって決まります。カタログ ポリシー ルールのコンフィギュレーション方法の詳細については、「調達カタログ ポリシー ルールを設定」を参照してください。

調達カタログの作成

新しいカタログを作成するプロセスには、複数のステップがあります。次の図に、プロセスの流れと各ステップでのロールを示します。

ProcurementCatalog_ProcessFlow

前提条件

次の表に、購買担当者が調達カタログを作成する前に完了しておく必要のあるタスクを示します。

作業

ロール

説明

調達カテゴリ階層の設定

購買マネージャー

調達カテゴリ階層では、報告および分析を行う品目やトランザクションが分類されています。調達カテゴリ階層を使用すると、企業では、カテゴリ、製品、仕入先などの調達要素の戦略的管理を中央の 1 か所から行えます。調達カテゴリ階層は、組織全体に対して 1 つ定義します。

調達カタログに調達カテゴリ階層をコピーすることで、自分のカタログのナビゲーション構造を作成できます。コピーされた調達カテゴリがカタログ カテゴリとなり、調達カテゴリに関連付けられている仕入先、製品、および属性が自動的に自分のカタログに追加されます。

カタログに調達カテゴリ階層をコピーした後は、調達サイトの要件に合わせてカテゴリ カタログの構造を修正できます。また、サイトに表示する製品、仕入先、外部仕入先カタログサイトなども指定できます。

調達カテゴリ階層の設定方法の詳細については、「キー タスク : カテゴリ階層の設定」を参照してください。

仕入先の設定

購買マネージャー

調達カタログに仕入先の製品を追加するには、事前に仕入先を Microsoft Dynamics Ax に登録して仕入先マスターに含めておく必要があります。また、仕入先は、調達カタログの調達カテゴリに関連付ける必要があります。

Microsoft Dynamics Ax での仕入先の登録方法の詳細については、「仕入先要求の管理の概要」を参照してください。

製品マスタへの製品の追加

購買マネージャー

調達カタログに製品を追加するには、事前に Microsoft Dynamics Ax の製品マスタに製品を含めておく必要があります。製品マスタに製品を追加するには、仕入先製品カタログからデータをインポートするか、"製品の詳細" フォームまたは "リリース済製品の詳細" フォームに製品データを手動で入力します。製品マスタに製品を追加した後は、その製品を調達カテゴリに割り当てる必要があります。自分の調達カタログには、調達カテゴリに割り当てられている製品のみ追加できます。

仕入先から製品データをインポートする方法の詳細については、「仕入先からカタログをインポート」を参照してください。Microsoft Dynamics Ax に調達製品を手動で追加する方法の詳細については、「キー タスク : 製品の定義」を参照してください。

製品関係の定義 (オプション)

購買マネージャー

製品関係とは、製品の相互関連を示すものです。製品関係を使用すると、従業員に一連の推奨製品を選択させ、より厳しく従業員の支出を管理できます。たとえば、お値打ち価格の特定モニターにコンピュータを関連付けることができます。このようにすると、従業員がコンピュータを選択したときに、推奨モニタが表示されます。製品関係は、仕入先別に定義することも、製品マスタに定義することもできます。

製品関係の定義方法の詳細については、「製品リレーションシップ タイプの設定」を参照してください。

属性の追加 (オプション)

購買マネージャー

属性を設定すると、自分のカタログの製品を維持する詳細レベルを指定できます。属性は、特定の製品またはカテゴリに対して組織が追跡する詳細情報です。属性の例としては、SKU 番号、製品のバージョン、色、およびサイズが挙げられます。

属性は、調達カテゴリに割り当てることができます。調達カテゴリに割り当てられているすべての製品は、そのカテゴリに割り当てられている属性を継承します。カテゴリ、およびその製品をカタログに割り当てた後は、その製品のすべての属性が調達サイトに表示されます。

属性の定義方法の詳細については、「属性と属性の型を設定」を参照してください。

調達カテゴリへの仕入先および製品の追加

購買マネージャー

調達カテゴリ階層を組織に作成すると、各調達カテゴリを特定の仕入先や製品などに関連付けることができます。調達カテゴリ階層を使用してカタログを作成した場合は、これらの関連付けがカタログに自動的にコピーされます。これにより、同じ制限がカタログレベルと調達サイトに適用されます。

調達カテゴリを使用して仕入先と製品を追加する方法の詳細については、「キー タスク : 調達カテゴリ階層の設定および管理」を参照してください。

外部仕入先カタログのサイトへのアクセス許可のコンフィギュレーション

購買マネージャー

外部の仕入先カタログへのアクセス許可を設定すると、ユーザーが仕入れ先のカタログサイトから製品を直接注文できるようになります。仕入先の外部仕入先カタログサイトに対するアクセス許可のコンフィギュレーションは、仕入先が提供するデータに基づいて行います。コンフィギュレーションを検証し、Microsoft Dynamics Ax でカタログ コンフィギュレーションを有効にします。

注意

外部仕入先のカタログ サイトへのアクセス許可のコンフィギュレーションを行うには、Microsoft Dynamics Ax で事前に仕入先を登録しておく必要があります。

外部仕入先カタログへのアクセスのコンフィギュレーション方法の詳細については、「外部仕入先カタログの設定」を参照してください。

カタログの設定

カタログの設定は、前提条件が満たされていないと行えません。組織全体で使用するカタログを 1 つ作成できます。カタログへのアクセスは、購買ポリシー ルールによって制御されます。また、組織内の異なる部門で使用するカタログを複数作成することもできます。

次の表に、カタログの設定に必要なタスクを示します。

作業

ロール

説明

新しいカタログを作成する

購買マネージャー

カタログの作成時には、カタログの名前と説明を指定します。また、ナビゲーション構造の作成方法の定義、カタログの更新を自動または手動で行うかの定義、およびカタログ所有者の指定も行います。

調達カタログの設定方法の詳細については、「キー タスク :調達カタログの作成」を参照してください。

調達サイトに対するナビゲーション カテゴリの作成

購買マネージャー

ナビゲーション カテゴリに定義する構造によって、調達サイトのナビゲーション ウィンドウに表示される内容が決まります。ナビゲーション構造は、手動で作成することも、組織の調達カテゴリ階層をコピーして作成することもできます。

必要なものをユーザーが検索しやすくなるように、組織は複数のカテゴリに関連付けることができます。たとえば、ラップトップ コンピュータの電源コードは、コンピュータのハードウェア カテゴリ、および事務用品カテゴリの両方に含めることができます。

カタログに対するナビゲーション カテゴリの設定方法の詳細については、「キー タスク :調達カタログの作成」を参照してください。

カタログへの製品の追加

購買マネージャー

調達カテゴリ階層を使用して自分のカタログを作成する場合は、調達カテゴリに関連付けられている製品が、カタログ カテゴリに自動的に追加されてマップされます。製品は、"カタログ" の [製品] タブを使用して、さらに追加できます。調達カテゴリ階層を使用してカタログに追加した製品は削除できません。ただし、調達サイトに表示したくない製品を非表示にすることはできます。

自分のカタログ カテゴリを手動で作成した場合は、各カタログ カテゴリに表示する製品を手動で追加する必要があります。手動で追加した製品は、すべてカタログ カテゴリから削除できます。

調達カタログへの製品の追加方法の詳細については、「キー タスク :調達カタログの作成」を参照してください。

外部仕入先カタログのサイトへのアクセス許可を追加 (オプション)

購買マネージャー

品目やサービスを仕入先から直接発注することを従業員に許可した場合は、自分の調達カテゴリ、または選択したカタログ カテゴリに、仕入れ先の外部カタログサイトへのリンクを追加できます。

外部仕入先カタログへのアクセス許可の設定方法の詳細については、「外部仕入先カタログの設定」を参照してください。

カタログを調達サイトに発行

購買マネージャーまたは購買担当者

カタログを調達サイトに表示するには、カタログに関するカタログ ポリシー ルールの定義、[有効] カタログ ステータスの設定、およびカタログの公開を事前に行う必要があります。また、調達サイトでユーザーに今後利用させたくないカタログは、無効にすることができます。

調達カタログの公開方法の詳細については、「キー タスク :調達カタログの作成」を参照してください。

製品検索データの同期

購買マネージャーまたは購買担当者

検索エンジンをより効率よく、効果的に作成するには、製品検索データとエンタープライズ ポータルの同期をかならずとってください。更新のたびに、製品検索データとエンタープライズ ポータルの同期をとる必要があります。

参照

キー タスク :調達カタログの作成

インポートした仕入先カタログの概要

外部仕入先カタログの概要