レッスン 4: HRApplicationServices アプリケーションの正常性の監視
目標: Windows Server AppFabric を使用した監視の実行方法を学習します。
目的: AppFabric には、展開済みアプリケーションの正常性を監視およびトラブルシューティングするための新しいオプションとツールが用意されています (WCF サービスや WF サービスなど)。監視機能は、イベント収集の集中管理をサポートしています。このレッスンでは、ワークフロー インスタンスを実行します。次に、AppFabric を使用して、ワークフロー インスタンス、および追跡対象の Windows Communication Foundation (WCF) イベントと Windows Workflow Foundation (WF) イベントを監視します。
前提条件
HRApplicationServices ワークフロー アプリケーションを展開します。詳細については、「レッスン 2: HRApplicationServices ワークフロー サービスの配置」を参照してください。
AppFabric の監視と永続性を有効にします。詳細については、「レッスン 3: HRApplicationServices アプリケーションの構成」を参照してください。
アプリケーションの実行
AppFabric のデモを実行するには、監視および追跡するワークフローまたは Web サービス アプリケーションを実行する必要があります。このレッスンの前提条件は、IIS 上で HRApplicationServices ワークフロー アプリケーションをビルドして配置することです。正常に配置した後、単純なワークフローを実行して、監視および追跡するイベントを生成できます。
HRApplicationServices ワークフローを実行するには
Internet Explorer を起動します。
アドレス ボックスに、
https://localhost/
で始まるアプリケーションの名前をコピーするか、貼り付けます。既定では、次の名前です:https://localhost/HRApplicationServices/
以下の図のような Contoso company の応募フォームが表示されます。これには、名前、電子メール アドレス、学歴のフィールドが含まれています。
[学歴] ボックスをクリックし、ドロップダウン リストから [修士] を選択します。アプリケーションで実際に電子メールを送信するわけではないので、既定の値を変更する必要はありません。
[適用] ボタンをクリックします。
応募が行われ、ワークフローの実行が開始されます。以下の図のような「Thank you」メッセージが表示されます。アプリケーションの格納時にアプリケーションによって作成される「応募者 ID」の値に注意してください。
コンピューター上で <ドライブ>:\mailbox ディレクトリを開きます。
フォルダー内のメール メッセージ ファイルをダブルクリックして、読み込みます (ファイルを開くことができるメール プログラムが存在しない場合は、Notepad.exe を使用して開きます。既にアプリケーションを実行し、いくつかの電子メール ファイルが生成されている場合は、アプリケーションの日時と一致するファイルを選択します)。
メッセージはレビュー担当者用で、応募者はメール受信者によってスクリーニングを受ける必要があります。メッセージには、クリックできるリンク ([応募の確認]) が含まれています。
電子メールで、[応募の確認] をクリックします。
Internet Explorer に、以下の図のような新しいページが表示されます。まだ何もクリックしないでください。ワークフローはユーザーの介入を待機しているので、アイドル状態だからです。アイドル インスタンスについては、次のセクションで確認します。[採用] または [不採用] のいずれかをクリックしてアプリケーション プロセスを繰り返した場合は、学歴を [修士] または [博士] に設定してください ([学士] と [なし] は自動的に拒否されます)。
重要
このページと Internet Explorer は開いたままにしておきます。次のセクションで、AppFabric ダッシュボードを表示した後に戻るからです。
ダッシュボードの使用
ダッシュボードを使用すると、監視ストアから選択したメトリックスと、永続化ストアの永続化情報を表示できます。AppFabric での IIS マネージャー拡張機能を使用すると、監視ストアの管理、監視レベルの設定、および追跡対象イベントのクエリと分析を行うことができます。
ダッシュボードを使用するには
IIS マネージャーを起動するか、[IIS マネージャー] ウィンドウに切り替えます。
サーバー ノードを展開して [サイト] を展開し、[HRApplicationServices] をクリックして選択します。選択したアプリケーションにより、AppFabric レポートのスコープが設定されます。つまり、選択されたノードに関連するデータだけがダッシュボードに表示されます。
ヒント
スコープを拡張したい場合は、[既定の Web サイト] をクリックして選択します。[AppFabric ダッシュボード] をクリックすると、既定のサイトの下にあるすべてのアプリケーションからデータが返されます。
[AppFabric] セクションの [AppFabric ダッシュボード] をダブルクリックします。ダッシュボードは以下の図のようになります。
ダッシュボードには 3 つの主要セクションがあります。このチュートリアルでは、各セクションについて簡単に説明します。詳細については、「[Windows Server AppFabric ダッシュボード] ページ」を参照してください。
[永続的な WF インスタンス] セクションを確認します。このセクションには、永続化ワークフロー インスタンスの数が、状態ごとにグループ分けされて示されます。以下の図のように、セクションに 1 つのインスタンスが存在する必要があります。
SubmitApplication.xamlx をダブルクリックします。ダッシュボードが [永続的な WF インスタンス] ビューに変わり、インスタンスが表示されます。インスタンスの [状態] が [実行中 (アイドル)] であることに注意してください。これは、ワークフローがまだ完了していないことを示しています。詳細については、「[永続的な WF インスタンス] ページ」を参照してください。
また、[クエリ サマリー] とその詳細セクションに注意してください。数百のインスタンスを実行する実稼働設定では、クエリを使用して無関係のデータを排除することができます。
インスタンスを選択して、[アクション] セクションを確認します。
この時点で、インスタンスを中断、キャンセル、終了、または削除できます。
[追跡対象 WF イベントの表示] をクリックします。ダッシュボードに、インスタンスに関連する個々のイベントが表示されます。
イベントをクリックすると、そのイベントの詳細が表示されます。詳細セクションには、[追跡対象変数] と [エラー] のタブも含まれています。詳細については、「[追跡対象イベント] ページ」を参照してください。
Alt キーと「戻る」矢印を押して、ダッシュボードのメイン ビューに戻ります。または、ダッシュボードを右クリックして、[AppFabric ダッシュボード] をクリックします。
[WCF 呼び出しの履歴] グループを見てください。このセクションには、この 24 時間以内に受け取った WCF 呼び出しの数が、呼び出しの状態別にグループ分けされて示されます。
[WF インスタンスの履歴] グループを見てください。このセクションには、追跡対象のワークフロー インスタンスの数が、インスタンス アクティビティごとにグループ分けされて示されます。
カウンター 注 アクティブ化
この 24 時間以内にアクティブ化されたインスタンスは、[アクティブ化] セクションでカウントされます。
失敗
この 24 時間以内にエラーが発生したインスタンスは、[失敗] セクションでカウントされます。
完了
この 24 時間以内に完了したインスタンスは、[完了] セクションでカウントされます。
まだエラーは発生していないので、すべてのカウントがゼロになります。
ヒント
ダッシュボードには既定で、この 24 時間以内に行われた WCF 呼び出しと追跡対象 WF インスタンスのアクティビティが表示されます。この期間の長さは、ダッシュボード上部の [期間] ボックスの一覧で制御できます。
重要
IIS マネージャーはそのままにしておきます (終了しないでください)。以降で、この画面に戻ります。
ワークフローを完了するには
Internet Explorer に戻り、[求人応募者承認] Web ページで [採用] をクリックします。ワークフローのアイドル状態が終了し、完了します。
コンピューター上で <ドライブ>:\mailbox フォルダーを開きます。
[採用] ボタンをクリックした時刻と一致するメッセージを開きます。
最後のメッセージは応募者へのお祝いです。
IIS マネージャーに戻ります。
AppFabric ダッシュボードを右クリックし、[最新の情報に更新] をクリックします。
ダッシュボードで変更を確認できます。特に、ワークフローが完了していることに注意してください。インスタンスをダブルクリックすると、そのインスタンスの詳細が表示されます。
まとめ
このレッスンでは、HRApplicationServices アプリケーションを実行して、ワークフローを完了しました。また、AppFabric を使用して、アイドル状態のワークフロー インスタンスと追跡対象イベントを調べました。
次のステップ
「レッスン 5: AppFabric を使用した中断されているワークフローの再開」では、ワークフローを中断させて、中断されたインスタンスを作成します。さらに、AppFabric インターフェイスを使用して、アプリケーションを修復してワークフローを再開します。
関連項目
概念
レッスン 1: 概要
レッスン 2: HRApplicationServices ワークフロー サービスの配置
レッスン 3: HRApplicationServices アプリケーションの構成
レッスン 5: AppFabric を使用した中断されているワークフローの再開
その他のリソース
2011-12-05