Power Platform のパイプラインの概要

[アーティクル]
06/05/2024

Power Platform のパイプラインは、すべての作成者、管理者、および開発者にとってより親しみやすい方法でアプリケーションライフサイクル管理 (ALM) 自動化と継続的インテグレーションと継続的デリバリー (CI/CD) 機能をサービスに導入することにより、Power Platform および Dynamics 365 顧客向けに ALM を普及させることを目的としています。

展開パイプライン機能の例

パイプラインは、チームまたは組織内で健全で自動化された ALM プロセスを採用することで、ROI を実現するために以前必要だった労力とドメイン知識を大幅に削減します。

管理者は、自動化された展開パイプラインを数日または数週間ではなく、数分で簡単に構成できます。
作成者には、ソリューションを簡単に展開するための直感的なユーザーエクスペリエンスがあります。
プロの開発者は、(オプションで) パイプラインを拡張し、Power Platform コマンドラインインターフェイス (CLI) を使用して実行できます。

管理者によるパイプラインの一元管理と統制

パイプラインにより、管理者は市民主導およびプロ開発者主導のプロジェクトを大規模かつ少ない労力で一元的に管理できます。管理者は、組織全体でのソリューションの開発、テスト、配信を管理および促進する適切な保護手段を設定します。その他の管理者のメリットは次のとおりです:

総保有コストの削減:
- パイプラインは、作成者、開発者、および管理者の生産性を大幅に向上させます。パイプラインを使用すると、安全で管理されたプロセスを通じて、ビジネスソリューションをより迅速かつ高い品質で市場に投入できます。
- 最小限の労力で、安全でカスタマイズされた変更管理プロセスを組織またはチーム全体に実装できます。
時間と費用の節減:
- システムが面倒な作業や継続的なメンテナンスを行うため、ユーザーが行う必要はありません。
自分のペースで ALM を拡張:
- ALM 体験のどの段階にあるかに関係なく、パイプラインを拡張して、進化するビジネスニーズに対応できます。当社では、この上への移行を可能な限りシームレスで容易にすることを目指しています。詳細: Microsoft Power Platform CLI pac pipeline コマンドバー
コンプライアンス、安全性、監視、および自動化の目標の実現:
- 承認ベース委任された展開を使って安全な実稼働環境を確保します。
- カスタマイズと監査ログは自動的に保存され、簡単にアクセスできます。
- 既成の分析機能により、一元的な場所でより優れた可視性を提供します。
- パイプラインアプリ内ですぐに使える Power BI レポートを表示したり、独自のレポートを作成したりする機能。詳細: モデル駆動型アプリに関するレポートの概要
- パイプラインの拡張性と Power Automate を使用した、組織のニーズに合わせたカスタムパイプライン

作成者による事前構成されたパイプラインの実行

パイプラインが整ったら、作成者は数回クリックするだけで製品内展開を開始できます。これは、開発環境内で直接行います。作成者にとってのその他の利点は次のとおりです:

ALM プロセスやシステムに関する予備知識は必要ありません。市民開発者は、パイプラインをガイド付きの変更管理プロセスと見なすことがよくあります。
ソリューションの展開は、ターゲット環境に対して事前に検証され、間違いを防ぎ、成功率を向上させます。たとえば、依存関係の欠落やその他の問題は展開前に検出され、作成者は適切なアクションを行うようにすぐに導かれます。
接続と環境変数は事前に提供され、展開の開始前に検証されます。
- これにより、手動の後処理手順を必要とせずにアプリケーションと自動化を展開し、各環境内の適切なデータソースに接続することができます。
- 管理者は、使用される特定の接続を事前に構成することもできます。

開発者はパイプラインを使用および拡張できます

プロの開発者は、パイプラインが複雑なバックグラウンド操作を処理するようになったため、生産性が向上しました。開発者は、同じ目標を達成するために必要なさまざまな基本タスクを実行する代わりに、何を達成したいかをシステムに伝えることができます。 Power Platform CLI を使用すると、開発者は次のことができます:

パイプラインを一覧表示して、ソリューションを展開する準備ができているステージや環境など、関連する詳細を表示します。
1 つのコマンドでソリューションを展開します:
- パイプラインを使用すると、開発者は必要なパラメーターを提供するだけで、システムは組織のポリシーに準拠してすべてのエンドツーエンドの展開操作を調整します。
- 複数環境への接続、ソリューションのエクスポート、ソリューションファイルのダウンロード、接続の手動作成と展開設定ファイルの入力、ソリューションのインポート、以前必要だったその他のさまざまなタスクの処理は必要はありません。

さらに、開発者はパイプラインを拡張し、他の CI/CD ツールと統合できます。

よく寄せられる質問

パイプラインは何を展開するのですか?

パイプラインは、接続、接続参照、環境変数などのターゲット環境の構成だけでなく、ソリューションも展開します。ソリューションに含まれる Power Platform カスタマイズは、パイプラインを使用して展開できます。パイプライン、または一般的なソリューションには、Dataverse テーブル内に格納データは含まれません。

重要

Power BI ダッシュボード (プレビュー) と Power BI データセット (プレビュー) は現在、パイプラインではサポートされていません。

自分の環境から自分のパイプラインが表示されないのはなぜですか?

まず、ソース環境とターゲット環境が適切にリンクされていることを確認します。パイプラインは、開発環境などの割り当てられたソース環境でのみ表示できます。構成中に各環境をパイプラインにリンクする場合、開発環境 または ターゲット環境 の環境タイプのオプションがあります。パイプラインに関連付けられて環境に適切なタイプが割り当てられている場合、パイプラインはソース開発環境のオプションとして表示されます。

パイプラインはソリューションのバックアップを自動的に保存しますか?

はいマネージドソリューションとアンマネージドソリューションの両方が、展開ごとに自動的にエクスポートされ、パイプラインホストに保存されます。

カスタマイズは QA などの展開ステージを省略できますか?

いいえ。ソリューションは、展開要求が送信されるとすぐに (作成者が開発環境内から展開を選択すると) エクスポートされ、同じソリューションアーティファクトが展開されます。同様に、システムは、パイプラインの後続のステージに展開するためのソリューションを再エクスポートしません。同じソリューションアーティファクトは、パイプラインステージを順番に通過する必要があります。また、システムは、エクスポートされたソリューションアーティファクトの改ざんや変更も防ぎます。これにより、カスタマイズの影響で QA 環境や承認プロセスが回避されなくなります。

パイプラインを使用するにはスタンドアロンライセンスが必要ですか?

開発者環境はマネージド環境である必要はありません。これらは、開発者プランでの開発とテストに使用できます。
パイプラインホストは実稼働環境である必要がありますが、パイプラインホストは管理環境である必要はありません。
パイプラインで使用される他のすべての環境は、マネージド環境として有効にする必要があります。
すべてのマネージド環境には、プレミアム使用権を付与するライセンスが必要です。

一般的な設定例:

環境の目的	環境の種類	スタンドアロンライセンスが必要です
Host	運用	いいえ
開発	開発者	いいえ
QA	開発者	いいえ
運用	運用	はい

展開の承認を構成できますか?

はい委任された展開を参照してください。

異なるパイプラインやステージに異なるサービスプリンシパルを使用できますか?

はい詳細情報: サービスプリンシパルを使用してデプロイする

どのような接続を使用できますか?

オーサリングエクスペリエンスと同様に、パイプラインを実行するメーカーは、独自の接続を提供することも、アクセスできる接続を提供することもできます。サービスプリンシパル接続は、カスタムコネクタなど、サービスプリンシパル認証をサポートするコネクタにも使用できます。

既存の接続参照や接続参照を更新できないのはなぜですか。

現在、ソリューションまたはターゲット環境に値のない環境変数は、展開中に更新できません。値が以前に展開されている場合は、ターゲットの環境で更新できます。

展開されたソリューションオブジェクトの所有者は誰ですか?

展開 ID。標準的な展開の場合、所有者は要求元のメーカーです。委任された展開の場合、所有者は委任されたサービスプリンシパルまたはユーザーです。

パイプラインは別のテナントに展開できますか?

いいえ。このシナリオでは、Azure DevOps または GitHub を使用することをお勧めします。

開発環境またはターゲット環境がリセットまたは削除された場合はどうすればよいですか?

環境レコードを削除し、必要に応じてパイプライン構成を更新する必要があります。環境がリセットされた場合は、環境レコードを再作成してから、パイプラインに関連付けます。

既定の環境でパイプラインを使用できますか?

はいただし、デフォルト環境をパイプラインホストとして使用することは、すべてのお客様にとって推奨されるわけではありません。

独自のサービスプリンシパルを使用して展開できますか?

はい詳細: サービスプリンシパルまたはパイプライン所有者としてパイプラインを展開する。

パイプラインは、Azure DevOps、GitHub、または ALM アクセラレータで使用できますか?

はい、これらのツールを組み合わせることで、作成者のエクスペリエンスをシンプルにしながら強力になります。詳細: パイプラインを拡張する

以前のバージョンにロールバックできますか?

はいパイプライン設定が有効になっている場合は、[パイプライン] ページの実行履歴ビューから以前のソリューションバージョンを再デプロイできます。設定を無効にすると、より高いソリューションバージョンのみを展開またはインポートできるようになります。回避策として、管理者はパイプラインホストから成果物をダウンロードし、solution.xmlファイルでソリューションバージョンを増分してから、それをターゲット環境に手動でインポートできます。

パイプラインデータの保持ポリシーを設定できますか?

はい Dataverse パイプラインホストで一括削除ジョブを構成し、定義されたスケジュールでデータを削除できます。

更新とアップグレードなど、ソリューションインポートの詳細な動作を指定できますか?

現時点ではまだできません。パイプラインの既定のインポート動作は、カスタマイズの上書きでのアップグレードです。

環境を複数のホストに関連付けることはできますか?

いいえ。ただし、1 つの環境を同じホスト内の複数のパイプラインにリンクできます。環境を別のホストに関連付けるには、その環境を新しいホストのパイプラインに追加します。次に、元のホストから環境レコードを削除し、すべてが期待どおりに動作することを確認します。

ファーストパーティの展開パイプラインアプリとテーブルをカスタマイズまたは拡張できますか？

現時点ではまだできません。ただし、パイプラインロジックをカスタマイズするために、意図的な拡張フックを使用できます。詳細: パイプラインを拡張する。

パイプラインはどこで表示および実行できますか?

開発中のアンマネージドソリューションに移動し、パイプラインに関連付けられた環境に移動します。パイプラインは、既定のソリューション、マネージドソリューション、またはターゲット環境から表示したり実行したりすることはできません。 Power Platform CLI からパイプラインを取得して実行することもできます。

リージョン間で展開できますか?

はい。ただし、ホストで Cross-Geoソリューション展開設定が有効になっている場合のみです。設定が無効になっている場合、ホストと、ホスト内のパイプラインに関連付けられているすべての環境は、同じ地理的な場所 (環境の作成時に指定) 内に配置されている必要があります。たとえば、設定が無効になっている場合、パイプラインはドイツからカナダにデプロイできず、ドイツのホストはカナダの環境を管理できません。テナント管理者が地理的に離れたソリューションの展開を防止したい場合は、ドイツとカナダに別々のホストを使用する必要があります。

異なるパイプラインを使用して同じソリューションを展開できますか?

はい、可能です。ただし、与えられたソリューションに対して、同じパイプラインから始めることをお勧めします。これにより、混乱や不注意によるミスを防ぐことができます。パイプライン実行情報は、1 つのパイプラインと 1 つのソリューション (ソリューションエクスペリエンス内) のコンテキストで表示されます。したがって、他のパイプラインには、展開されたソリューションの最新バージョンや、異なるパイプラインに関連付けられた他の重要な実行情報が表示されない可能性があります。展開パイプライン構成アプリには、現在のホストのすべてのパイプラインとすべてのソリューションにわたる実行情報が表示されることに注意してください。

ホスト環境を開発環境またはターゲット環境としても使用できますか?

開発とホストに同じ環境を使用することはサポートされていません。他の組み合わせはベストプラクティスとして推奨されません。

異なるバージョン間で何が変更されたかを確認するにはどうすればよいですか?

ターゲット環境内では、展開されたオブジェクトのレイヤーと、レイヤー間での変更内容を確認できます。さらに、モデル駆動型アプリ、サイトマップ、およびフォームのレイヤー間の XML 差分を確認できます。パイプラインを拡張して、GitHub や他のソース管理システムと統合し、詳細な差分を比較することもできます。

ホスト環境は、COE ツールキットをインストールした場所と同じにすることはできますか?

これは有効な構成であり、組織内のニーズとポリシーに基づいて評価する必要があります。

アンマネージドソリューションを展開できますか?

いいえ。マネージドソリューションは、常に非開発環境に展開することをお勧めします。アンマネージドソリューションは自動的にエクスポートされ、パイプラインホストに保存されるため、ダウンロードして他の開発環境にインポートしたり、ソース管理に配置できることに注意してください。

一度に複数のソリューションを展開できますか?

現時点ではまだできません。ソリューションごとに異なる展開を送信する必要があります。ただし、同じパイプラインを複数のソリューションに使用できます。

パイプラインはソリューションのエクスポート前に、アンマネージドカスタマイズを公開しますか?

現時点ではまだできません。個々のオブジェクトは、保存時に公開することをお勧めします。特定のソリューションオブジェクトのみが公開を必要とすることに注意してください。

分離された開発環境で作業する複数の開発者チームにパイプラインを使用できますか?

現在の実装では、特定のソリューションに対して単一の開発環境を使用しています。

パイプラインは ALM アクセラレータとどう違うのですか?

どちらも多くの価値ある機能を提供し、所有チームは緊密に連携して Power Platform のパイプラインとより広範な ALM ビジョンを開発します。パイプラインは本質的により単純化されており、より少ない労力で設定および管理できます。すべてが社内で管理されているため、他の製品やテクノロジーへのアクセスは必要ありません。一方、ALM アクセラレータは、より詳細な ALM シナリオに適している場合があります。

他にも多くの機能上の違いがありますが、基本的な違いは、パイプラインが公式の Microsoft Power Platform 製品機能であるということです。つまり、 Microsoft 製品エンジニアリングによって設計、構築、エンジニアリング、テスト、保守、サポートされるということです。パイプラインは製品に組み込まれており、ネイティブな製品エクスペリエンス内でアクセスできます。

パイプラインと別のツールを使用するのはどのような場合ですか?

コアな展開機能にパイプラインを使用し、必要に応じてパイプラインを拡張して他の CI/CD ツールと統合することをお勧めします。一緒に使用すると、CI/CD ツール内で必要なワークロードは、多くの場合、複雑さが軽減され、維持コストが低くなります。

次の手順

パイプラインの設定パイプラインの拡張

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