次の方法で共有


Power BI 共有データセットを基づいて改ページ調整されたレポートを作成する

適用対象: Power BI Report Builder Power BI Desktop

Power BI Desktop で作成したデータセットは、Power BI レポート ビルダーの改ページ調整されたレポートのデータ ソースとして利用できます。 次のようなシナリオを考えてみましょう。Power BI Desktop で Power BI レポートを作成しました。 データ モデルの設計に多大な時間を費やしたので、多種多様なビジュアルを使った美しい Power BI レポートを作成することができました。 レポートのマトリックスには行が多数あり、全部を確認するにはスクロールが必要です。 レポートの読者からすると、印刷ができて、かつ、マトリックス内の行がすべて表示されるようなレポートが理想です。

Power BI の改ページ調整されたレポートなら、そのようなことが可能です。数ページに及ぶテーブルやマトリックスを、ページのヘッダーやフッターを含めて、設計どおりの完璧なレイアウトで印刷することができるのです。 これは、Power BI Desktop のレポートを補完するものです。 これらはまったく同じデータに基づいている必要があり、不一致があってはならないので、同じデータセットを使用します。

Power BI Desktop から印刷した Report Builder の改ページ対応レポートのスクリーンショット。

必要な操作

Power BI レポート ビルダーで共有データセットを使用するうえで必要なものと、必要のないものを以下に示します。

  • Power BI Report Builder をダウンロードしてインストールします。
  • データセットを任意のワークスペースに配置できます。また、そのワークスペースのメンバーである必要はありません。
  • Power BI セマンティック モデルにアクセスするには、そのデータセットについてビルドのアクセス許可が必要です。 ビルドのアクセス許可に関する記事を参照してください。
  • 改ページ対応レポートを発行するには、Power BI Pro ライセンスまたは Premium Per User (PPU) ライセンスが必要です。
  • Power BI Report Builder で改ページ対応レポートを作成するには、Power BI Pro または PPU のライセンスは必要ありません。
  • "マイ ワークスペース" に発行できること。 他のワークスペースに対しては、少なくとも共同作成者ロールが必要です。

この記事に従って作業を進める場合には、Retail Analysis sample.pbix ファイルをダウンロードし、Power BI Desktop で開いて、多数の列を含むテーブルを追加します。 [形式] ペインで、[合計] のトグルをオフの位置にスライドします。

[形式] ペインの [合計] がオフの位置に切り替えられているスクリーンショット。

その後、Power BI サービス内のワークスペースにレポートを発行します。

Power BI セマンティック モデルに接続する

  1. Power BI レポート ビルダーを開きます。

  2. レポート ビルダーの右上隅にある [サインイン] を選択して、自分の Power BI アカウントにサインインします。

  3. レポート データ ペインで、[新規]>[Power BI セマンティック モデルの接続] を選択します。

    [レポート データ] ペイン内の新しいデータセットのスクリーンショット。

    Note

    レポート ビルダーのテーブル、マトリックス、グラフ ウィザードを使って Power BI セマンティック モデル用のデータ ソースまたはデータセットを作成することはできません。 これらを作成した後であれば、ウィザードを使用して、これらに基づいたテーブル、マトリックス、またはグラフを作成できます。

  4. データセットまたはそのデータセットが存在するワークスペースを検索または参照してから、[選択] をクリックします。 データセット名は、レポート ビルダーにより入力されます。

    選択するデータセットを示すスクリーンショット。

  5. レポート データ ペインの [データ ソース] の下に、データセットが表示されます。

    [データ ソース] の下にデータセットが一覧表示されている [レポート データ] ペインのスクリーンショット。

    複数の Power BI セマンティック モデルに接続したり、同じ改ページ対応レポート内の別のデータ ソースに接続したりすることは可能です。

データセットの DAX クエリを取得する

Power BI レポート内とページ分割されたレポート内とでデータを同じにする必要がある場合には、データセットに接続するだけでは十分ではありません。 そのデータセットに基づいて構築された Data Analysis Expressions (DAX) クエリも必要です。

DAX クエリを取得する手順

次の手順に従ってクエリを取得します。

  1. Power BI Desktop で Power BI レポート (.pbix) を開きます。

  2. レポート内のテーブルに、改ページ調整されたレポートで必要なデータがすべて含まれていることを確認してください。 このテーブルでは、次の 2 つの要件を満たす必要があります。

    • マトリックスやその他のビジュアルではなく、フラット テーブルにする必要があります。 テーブルではない場合、ここでテーブルに変換し、それに続くパフォーマンス アナライザーの手順を完了し、再度変換して必要なビジュアルに戻します。

    • 数値フィールドについては、"定義済みのメジャー" を使用する必要があります。 電卓シンボルが横に付いています。 メジャーの作成方法についてはこちらをご覧ください。

      定義済みのメジャーの横にある電卓アイコンのスクリーンショット。

  3. [表示] リボンで、 [パフォーマンス アナライザー] を選択します。

    [表示] リボンの [パフォーマンス アナライザー] オプションのスクリーンショット。

  4. [パフォーマンス アナライザー] ペインで [記録の開始][ビジュアルを更新します] の順に選択します。

    パフォーマンス アナライザーの [ビジュアルを更新します] ボタンのスクリーンショット。

  5. テーブル名の横にあるプラス記号 (+) を展開して、[クエリのコピー] を選択します。 クエリは、Power BI レポート ビルダーのデータセットに必要な DAX 式になっています。

    パフォーマンス アナライザーの [クエリのコピー] リンクのスクリーンショット。

クエリを使ってデータセットを作成する

  1. Power BI レポート ビルダーに戻ります。

  2. [データ ソース] の下にあるデータセットを右クリックし、 [データセットの追加] を選択します。

    [データ ソース] の下の [データセットの追加] オプションのスクリーンショット。

  3. [データセットのプロパティ] で名前を設定し、 [クエリ デザイナー] を選択します。

  4. [DAX] が選択されていることを確認し、 [デザイン モード] アイコンの選択を解除します。

    Report Builder の [クエリ デザイナー] ペインのスクリーンショット。

  5. 上部のボックスに、Power BI Desktop からコピーしたクエリを貼り付けます。

    注意

    クエリに TOPN 関数が含まれている場合は、それをクエリから削除します。

  6. [クエリの実行] (赤い感嘆符) を選択して、クエリが機能することを確認します。

    [クエリ デザイナー] の [クエリの実行] ボタンのスクリーンショット。

    クエリの結果が、下部のボックスに表示されます。

    [クエリ デザイナー] のクエリ結果のスクリーンショット。

  7. [OK] を選択します。

    [データセットのプロパティ] ダイアログ ボックスの [クエリ] ウィンドウにクエリが表示されます。

    [データセットのプロパティ] ダイアログ ボックスのスクリーン。

  8. [OK] を選択します。

    これで、レポート データ ペインで新しいデータセットと、そのフィールドの一覧が表示されるようになりました。

    [レポート データ] ペインのデータセットの下に一覧表示されているフィールドのスクリーンショット。

レポートにテーブルを作成する

テーブルをすばやく作成できる方法の 1 つが、テーブル ウィザードを使用することです。

  1. [挿入] リボンで [テーブル]>[テーブル ウィザード] の順に選択します。

    [挿入] リボンの [テーブル ウィザード] ボタンのスクリーンショット。

  2. DAX クエリを使って作成したデータセット >[次へ] の順に選択します。

    テーブル ウィザードのデータセットの選択肢のスクリーンショット。

  3. フラット テーブルを作成するには、 [使用できるフィールド] から必要なフィールドを選択します。 必要なフィールドのうち、一番上にあるものを選択した後、Shift キーを押しながら一番下にあるものを選択すると、一度に複数のフィールドを選択できます。

    テーブル ウィザードで使用できる [使用できるフィールド] のスクリーンショット。

  4. フィールドを [値] ボックスにドラッグ >[次へ] を選択します。

    テーブル ウィザードの [値] ボックスのスクリーンショット。

  5. 必要なレイアウト オプション >[次へ] の順に選択します。

  6. [完了] を選びます。 デザイン ビューにテーブルが表示されます。

    デザイン ビューのテーブルのスクリーンショット。

  7. [クリックしてタイトルを追加] を選択して、タイトルを追加します。

  8. [実行] を選択してレポートをプレビューします。

    レポートのプレビューのスクリーン ショット。

  9. [印刷レイアウト] を選択して、レポートがどのように印刷されるかを確認します。

    このレポート レイアウトでは、多少の作業が必要です。 列と余白が原因でテーブルの幅が 2 ページ分あるので、ページ数が 54 になっています。

    レポートの印刷レイアウトのスクリーン ショット。

レポートを書式設定する

テーブルを 1 ページに収めるうえで役立つ書式設定オプションはいくつかあります。

  1. [プロパティ] ペインでは、ページの余白を小さくすることができます。 [プロパティ] ペインが表示されない場合は、 [表示] リボンで [プロパティ] チェック ボックスを選択します。

  2. テーブルまたはタイトルではなく、レポートを選択します。

  3. [レポートのプロパティ] ペインの [ページ] の下にある [余白] を展開し、それぞれを 0.75in に変更します。

    ページの余白のプロパティのスクリーンショット。

  4. 列の幅を狭めることもできます。 列の境界線を選択し、右側を左にドラッグします。

    列幅のプロパティのスクリーンショット。

  5. もう 1 つのオプションは、数値の形式が適切かどうかを確認するというものです。 数値が入力されているセルを選択します。

    ヒント

    Shift キーを押しながら他のセルを選択すると、複数のセルの形式を同時に設定できます。

    書式設定用の複数セル選択のスクリーンショット。

  6. [ホーム] リボンの [数値] セクションで、 [標準] の形式から数値の形式 ( [通貨] など) に変更します。

    数値書式オプションのスクリーンショット。

  7. [プレースホルダー] のスタイルを [サンプル値] に変更すると、セル内の書式設定を確認できます。

    書式設定のサンプル値のスクリーンショット。

  8. 必要があれば、[数値] セクションで小数点以下桁数を小さくすると、スペースを節約できます。

空白のページを削除する

余白とテーブルの列の幅を狭くしても、空白のページが残ってしまうことがあります。 なぜでしょうか。 原因は数学的な話です。

ページの余白として設定した値と、レポートの "本体" の幅の値を足した結果が、レポートの形式の幅よりも小さくなっている必要があります。

たとえば、レポートの形式が 8.5" x 11" で、横の余白をそれぞれ 0.75 に設定しているとします。 2 つの余白は合計 1.5" になるので、本体の幅は 7" インチ未満にする必要があります。

  1. レポートのデザイン サーフェスの右端を選択してドラッグし、ルーラー上で目的の数字よりも小さくなるようにします。

    ヒント

    [本体] の各種プロパティを使うと、もっと正確に設定できます。 [サイズ] の下の [幅] プロパティを設定してください。

    本体のサイズのプロパティのスクリーンショット。

  2. [実行] を選択してレポートをプレビューし、空白のページがなくなっていることを確認します。 レポートのページ数が元の 54 から減少し、26 になりました。 成功しました!

    空白のページがなくなったレポートのスクリーンショット。

考慮事項と制限事項

  • "Analysis Services に対するライブ接続" を使用しているデータセットには、共有データセットではなく基になる Analysis Services 接続を使用すると、直接接続できます。
  • Power BI Report Builder で DirectQuery を使用する Power BI セマンティック モデルを使用する場合は、レポートにメジャーを表示する予定がない場合でも、データセットにメジャーを含める必要があります。 メジャーが含まれていないと、データセットで適切なデータ結果が返されません。
  • 推奨度が [昇格しました] または [認定済み] のデータセットは、使用可能なデータセットの一覧に表示されるものの、そのような推奨度を示すマークは付きません。