中間結果の具体化 (C#)
不注意なユーザーは、クエリ内でコレクションを早期に具体化して、アプリケーションのメモリおよびパフォーマンスのプロファイルを大幅に変更してしまうことがあります。 一部の標準クエリ演算子では、単一の要素を生成する前に、ソース コレクションを具体化する場合があります。 たとえば、Enumerable.OrderBy は最初にソース コレクション全体を反復処理し、次にすべての項目を並べ替えて、最後に最初の項目を生成します。 これは、順序付けられたコレクションの最初の項目の取得が高コストであることを意味しています。これ以降の各項目の取得は高コストではありません。 このクエリ演算子は他の方法では処理を実行できないため、これは処理方法として適切なものです。
例: ToList
を呼び出すメソッドを追加し、具体化を発生させる
この例は、クエリの連結の例 (C#) に含まれる例を改変したものです。ソースを反復処理する前に ToList を呼び出すように AppendString
メソッドが変更されています。それにより具体化が引き起こされます。
public static class LocalExtensions
{
public static IEnumerable<string>
ConvertCollectionToUpperCase(this IEnumerable<string> source)
{
foreach (string str in source)
{
Console.WriteLine("ToUpper: source >{0}<", str);
yield return str.ToUpper();
}
}
public static IEnumerable<string>
AppendString(this IEnumerable<string> source, string stringToAppend)
{
// the following statement materializes the source collection in a List<T>
// before iterating through it
foreach (string str in source.ToList())
{
Console.WriteLine("AppendString: source >{0}<", str);
yield return str + stringToAppend;
}
}
}
class Program
{
static void Main(string[] args)
{
string[] stringArray = { "abc", "def", "ghi" };
IEnumerable<string> q1 =
from s in stringArray.ConvertCollectionToUpperCase()
select s;
IEnumerable<string> q2 =
from s in q1.AppendString("!!!")
select s;
foreach (string str in q2)
{
Console.WriteLine("Main: str >{0}<", str);
Console.WriteLine();
}
}
}
この例を実行すると、次の出力が生成されます。
ToUpper: source >abc<
ToUpper: source >def<
ToUpper: source >ghi<
AppendString: source >ABC<
Main: str >ABC!!!<
AppendString: source >DEF<
Main: str >DEF!!!<
AppendString: source >GHI<
Main: str >GHI!!!<
この例では、ToList の呼び出しにより、AppendString
が、最初の項目を生成する前にソース全体を列挙することがわかります。 ソースが大きな配列である場合は、これによってアプリケーションのメモリ プロファイルが大幅に変更されます。
標準クエリ演算子は、このチュートリアルの最終記事で示されているように、連結することもできます。
関連項目
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