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サプライ チェーンの課題

ハイテク業界では、パートナーとの統合に多くの困難が伴います。 情報技術 (IT)、電子部品、半導体製造、および遠距離通信のどの分野の企業でも、問題が発生するのはサプライ チェーンです。

企業は、自社の能力とサプライ チェーンを頼りに競争しています。 企業のサプライ チェーンではパートナーが重要な役割を果たすことが多いため、多くの企業はパートナーの能力とサプライ チェーンにも頼って競争することになります。 多くの企業は、中核以外の業務をアウトソーシングしています。 在庫の維持管理は、パートナー企業が行うことがほとんどです。 したがって、多くの企業はパートナーとの連携や協業の方法を工夫することで改善を図っています。

統合ソリューションを持たないハイテク企業は、次のような問題によって大きな課題に直面します。

サプライ チェーンの複雑化

多くのハイテク メーカーのサプライ チェーンは、長大かつ複雑です。 このようなサプライ チェーンには、多数のパートナー、サプライヤ、および購入者が含まれます。 そのため、業務が複雑化し、さまざまな相互連絡が必要になる場合があります。 メーカーは、これまで使用してきた方法、自社とパートナーの能力、およびパートナーの要件に基づいて、通信手段を用意する必要があります。 そのため、パートナーごとにカスタマイズしたビジネス プロセスを作成することになる場合があります。 また、パートナーが 1 つの主要なデータ接続に頼るという一般的な方法を使用せずに、多様な通信デバイスを使用してデータを交換する場合もあります。 次の図に、サプライ チェーンで多様な通信デバイスを使用する必要がある 2 つのパートナーの例を示します。

一方のパートナーとは FAX で Request Price メッセージを交換し、他方のパートナーとは EDI で交換します。 一部のキャンセル メッセージは、あるパートナーと電話でやり取りしたり、別のパートナーと Microsoft Excel スプレッドシートを添付した電子メールを通じて交換したりできます。 電話、FAX、通常のメール、Excel スプレッドシートを使用した電子メールなど、通信は手動で行うことができます。 EDI、FTP、またはバイナリ ファイルを使用して自動化されていることもあります。

このような多様性によってサプライ チェーンが複雑になり、多くの場合、手動処理とカスタム プログラミングの量が増加します。 そのため、サプライ チェーンの開発、展開、保守、およびアップグレードが非常に困難になります。 変更の管理が難しいので、企業とそのパートナーは新しい技術開発に適応することも困難です。 1 つの取引先との接続を変更することにも、多くの作業が必要になります。 変更内容をサプライ チェーン全体に適用するには、膨大な作業が必要になります。

応答時間

サプライ チェーンを管理するために重要なことは、顧客の需要とパートナーの供給を把握することです。 ただし、ハイテク企業が需要と供給を評価するには困難が伴います。 企業には、ビジネス プロセスを見通せる、統一されたリアルタイムの視点がない場合があります。 これは、プロセスが複雑であり、手動または自動のプロセスが統合されておらず可視性が低いことが多いために発生します。 手動の手順やカスタマイズされた接続がサプライ チェーン システムに多ければ多いほど、業務には時間がかかります。

可視性が低いと、企業が顧客の需要の変化に迅速に対応することは困難になります。 需要は急速に増加することも、減少することもあります。 どちらの場合にも、迅速な対応が必要です。 需要の変化を把握できなければ、事態はさらに困難になります。

可視性の低さから、供給と在庫にも問題が発生します。 需要が減少傾向のときに在庫が過剰になっていても、サプライ チェーンが複雑化して接続に問題があると、企業は供給を抑制することが難しくなります。 同じ理由から、企業が各サプライヤの供給を適切に抑制または増強することも困難です。

Cost

多くのハイテク企業では利潤が圧迫されつつあり、事業のコストを削減する方法を模索せざるを得ません。 輸送コストの本質を把握できなければ、在庫レベルと輸送コストを軽減することは難しくなります。 多くのメーカーでは、複雑な手動のビジネス プロセスから発生する高い人件費に悩まされています。 さらに、通信ソリューションをパートナーごとに用意していたのでは、効率が悪く、コストもかさみます。

パートナーとの通信には、簡単なものもあります。たとえば、発注に変更を 1 か所加える場合です。 しかし、発注に変更を 1,000 か所加える場合のように、非常に複雑な変更もあります。 このような変更を電話や電子メールで処理すると、時間とコストがかかります。 EDI などの統合ソリューションがある場合でも、ソリューションのコストは高くなります (特に、変更する場合)。

参照

サプライ チェーン ソリューション
取引先との統合の必要性