ArrInspector 検査ツール
ArrInspector は、実行中の Azure Remote Rendering セッションを検査するために使用される Web ベースのツールです。 デバッグを目的として、レンダリングされているシーンの構造を調べたり、ログ メッセージを表示したり、サーバーのライブ パフォーマンスを監視したりするために使用することが想定されています。
ArrInspector に接続する
Remote Rendering サーバーのホスト名 (末尾が mixedreality.azure.com
) を取得したら、ConnectToArrInspectorAsync
を使用して接続します。 ARR インスペクターへの接続に関するページを参照してください。 この関数により、アプリケーションが実行されるデバイス上に StartArrInspector.html ページが作成されます。 ArrInspector を起動するには、PC のブラウザーでそのファイルを開きます。 そのファイルは 24 時間だけ有効です。
ConnectToArrInspectorAsync
を呼び出すアプリが PC で既に実行されている場合:
- Unity 統合を使用している場合は、自動的に起動されることがあります。
- そうでない場合は、User Folders\LocalAppData\<お使いのアプリ>\AC\Temp でファイルを探します。
アプリが HoloLens で実行されている場合:
- Windows デバイス ポータルを使用して HoloLens にアクセスします。
- [システム] > [エクスプローラー] と移動します。
- User Folders\LocalAppData\<お使いのアプリ>\AC\Temp に移動します。
- StartArrInspector.html をお使いの PC に保存します。
- StartArrInspector.html を開いて、セッションの ArrInspector を読み込みます。
[Performance]\(パフォーマンス\) パネル
このパネルには、サーバーによって公開される、すべてのフレームごとのパフォーマンス値のグラフが表示されます。 その値には、現在、フレーム時間、FPS、CPU とメモリの使用率、全体的な RAM 使用率などのメモリ統計、オブジェクト数などが含まれます。
これらのパラメーターのいずれかを表示するには、[Add New] (新規追加) ボタンを選択して、ダイアログ ボックスに表示される使用可能な値のいずれかを選択します。 この操作により、新しいスクロール グラフがパネルに追加されて、値がリアルタイムでトレースされます。 右側には、"最小"、"最大"、"現在" の値が表示されます。
マウスで内容をドラッグすることによって、グラフをパンできます。ただし、横方向にパンできるのは、ArrInspector が一時停止状態になっている場合のみです。
Ctrl キーを押しながらドラッグすると、ズームできます。 横ズームは、下部にあるスライダーで制御することもできます。
縦方向の範囲は、既定では、現在表示されている値に基づいて計算され、最小値と最大値が右側のテキスト ボックスに表示されます。 テキスト ボックスに直接入力するか、パンまたはズームすることによって、値を手動で設定すると、それらの値がグラフで使用されます。 縦方向の自動フレーミングを元に戻すには、右上隅にあるアイコンを選択します。
[Log]\(ログ\) パネル
[Log] (ログ) パネルには、サーバー側で生成されたログ メッセージの一覧が表示されます。 接続時には、以前のログ メッセージが最大 200 件表示され、新しいログ メッセージが発生するたびに表示されます。
上部にあるボタンを使用すると、ログの種類 [Error/Warning/Info/Debug]
に基づいて一覧をフィルター処理できます。
[Timing Data Capture]\(タイミング データ キャプチャ\) パネル
このパネルは、サーバーからタイミング情報をキャプチャしてダウンロードするために使用します。 ファイルでは、Chrome Tracing JSON 形式が使用されます。 データを調べるには、Chrome で URL Chrome://tracing
を開き、ダウンロードしたファイルをそのページにドラッグ アンド ドロップします。 タイミング データは、固定サイズのリング バッファーに継続的に収集されます。 書き込まれるキャプチャには、直前の情報、つまり数秒から数分の情報のみが含まれます。
[Scene Inspection]\(シーン検査\) パネル
この [Scene Inspection] (シーン検査) パネルには、レンダリングされたシーンの構造が表示されます。 左側にはオブジェクトの階層が表示され、右側には選択したオブジェクトの内容が表示されます。 パネルは読み取り専用であり、リアルタイムで更新されます。
[VM Debug Information]\(VM デバッグ情報\) パネル
[VM Debug Information] (VM デバッグ情報) パネルには、いくつかのデバッグ機能が用意されています。
サービスを再起動する
[Restart Service] (サービスの再起動) ボタンでは、ArrInspector が接続されている仮想マシン上のランタイムが再起動されます。 接続されているすべてのクライアントが切断されるので、再起動されたサービスに接続するには、ArrInspector のページを再度読み込む必要があります。
デバッグ情報を収集する
[Collect Debug Information for VM] (VM のデバッグ情報の収集) ボタンをクリックすると、Remote Rendering インスタンスがトリガーされ、仮想マシンでデバッグ情報を収集することができます。
Azure Remote Rendering チームは、デバッグ情報を使用することで、実行中の Remote Rendering インスタンスで発生している問題を分析できます。 このダイアログ ボックスのテキスト フィールドを使用して、問題の再現手順などの情報を提供できます。
[Start Collecting] (収集の開始) を選択すると、ダイアログ ボックスが閉じ、収集プロセスが開始されます。 仮想マシンでの情報の収集には数分かかることがあります。
収集が完了すると、ArrInspector のウィンドウに通知が表示されます。 この通知には、この特定の収集を示す ID が含まれています。 この ID を必ず保存しておき、Azure Remote Rendering チームに渡してください。
重要
仮想マシンのデバッグ情報をダウンロードしたり、それ以外の方法で情報にアクセスしたりすることはできません。 収集されたデータにアクセスできるのは、Azure Remote Rendering チームだけです。 チームに連絡して収集 ID を送信し、問題の調査を依頼する必要があります。
一時停止モード
右上隅にあるスイッチを使用して、パネルのライブ更新を一時停止することができます。 このモードは、特定の状態を詳しく検査するのに役立ちます。
ライブ更新を再度有効にすると、すべてのパネルがリセットされます。