次の方法で共有


総保有コスト (TCO) と Azure Cosmos DB

適用対象: NoSQL MongoDB Cassandra Gremlin Table

Azure Cosmos DB は、きめ細かいマルチ テナントとリソース ガバナンスを考慮して設計されています。 この設計により、Azure Cosmos DB はかなり低コストで動作し、ユーザーはコストを節約できます。 現在、Azure Cosmos DB では、密度が増加し続ける 1 台のコンピューター上の 280 個を超えるお客様のワークロードと、クラスター内の数千ものお客様のワークロードがサポートされています。 これにより、クラスター内のさまざまなコンピューター間で、またデータ センター内の複数のクラスター間でお客様のワークロードのレプリカの負荷が分散されます。 詳細については、「Azure Cosmos DB:グローバルな分散データベースの新境地を開拓する」を参照してください。 リソース ガバナンス、マルチ テナント、および Azure インフラストラクチャの残りの部分とのネイティブ統合により、Azure Cosmos DB のコストは、MongoDB、Cassandra、または IaaS で実行されているその他の OSS NoSQL より平均で 4 倍から 6 倍低くなり、オンプレミスで実行されているデータベース エンジンより最大で 10 倍低くなります。 「The total cost of (non) ownership of a NoSQL database cloud service」 (NoSQL データベース クラウド サービスの総 (非) 保有コスト) の論文を参照してください。

Apache Cassandra、MongoDB、HBase、エンジンなどの OSS NoSQL データベース ソリューションは、オンプレミス用に設計されています。 マネージド サービスとして提供されている場合は、プロビジョニングされたクラスターの管理および監視のサポートのためのテナント データベースを使用する Resource Manager テンプレートと同等となります。 OSS NoSQL アーキテクチャでは運用上のオーバーヘッドがかなり必要となり、専門知識を見つけるのが難しく、コストがかかる場合があります。 一方、Azure Cosmos DB は完全に管理されたクラウド サービスであり、これを使用することで、開発者はデータベース インフラストラクチャの管理や維持ではなく、事業革新に集中できます。

クラウド ネイティブのデータベース サービスである Azure Cosmos DB とは異なり、OSS NoSQL データベース エンジンは、基本的なアーキテクチャ原則としてリソース ガバナンスまたはきめ細かいマルチ テナントを考慮して設計および構築されていません。 Cassandra や MongoDB のような OSS NoSQL データベース エンジンでは、実行されている仮想マシンのすべてのリソースを利用できることが基本的前提となります。 リソースの量が特定のしきい値を下回る場合、これらのデータベース エンジンの多くは動作できません。 たとえば、小規模の VM インスタンスの場合、通常はコストがより高い大規模な VM を提案するベンダー推奨の構成で使用できます。 そのため、OSS NoSQL またはその他のオンプレミス データベース エンジンをホストし、1 秒あたり、または使用ストレージあたりの要求などの使用量ベースの課金モデルを使って利用できるようにすることはできません。

Azure Cosmos DB の総保有コスト

Azure Cosmos DB のサーバーレス プロビジョニング モデルでは、データベース インフラストラクチャを余分にプロビジョニングする必要がなくなります。 Azure Cosmos DB リソースは、特殊な構成やライセンスを必要とすることなく提供されます。 その結果、Azure Cosmos DB でサポートされるアプリケーションを実行する際に、OSS NoSQL データベースと比べて、総保有コストが 70% も節約できます。 リアルタイムのいくつかの例については、お客様事例をご覧ください。 Azure Cosmos DB 価格モデルのその他の利点は次のとおりです。

  • 価格の優れた価値: 市場アナリスト、お客様、およびパートナーは、お客様が自ら、または他のベンダーを介してソリューションを実装する際に得られるものと比べてはるかに低い価格で、Azure Cosmos DB によって提供されるすべての機能のより優れた価値を確認しています。 グローバル分散、マルチリージョンの書き込み、明確に定義された直感的な整合性モデル、自動インデックス作成などのデータベース機能は、複雑さ、オーバーヘッド、ダウンタイムがなく、Azure Cosmos DB で大幅に簡略化されています。

  • NoSQL DevOps の管理が不要: Azure Cosmos DB では、DevOps を採用し、デプロイを管理したり、メンテナンス、スケーリング、修正プログラムを適用したりする必要はありせん。 オンプレミスやクラウド インフラストラクチャでホストされている OSS NoSQL クラスターで行うすべてのワークロードを実行できます。

Azure Cosmos DB の保有コスト

  • 柔軟なスケーリングが可能: Azure Cosmos DB のスループットはスケールアップとスケールダウンが可能です。これにより、非ピーク時の保有コストを減らすことができます。 クラウド インフラストラクチャにデプロイされている OSS NoSQL クラスターで提供される柔軟性は限られており、オンプレミス デプロイには当然、柔軟性はありません。 Azure Cosmos DB では、スループットをさらにプロビジョニングする場合、そのスループットは直線的なスケーリングが保証されます。 この保証は財務 SLA によって裏付けされており、いずれのスケールでも 99 パーセンタイルとなります。

  • スケールの経済性: Azure Cosmos DB などのマネージド サービスは、ネットワーク、ストレージ、およびコンピューティングとネイティブに統合された、多くの数のノードで動作します。 Azure Cosmos DB の大規模な標準化により、コストを節約することができます。

  • クラウド向けに最適化: Azure Cosmos DB は、最初から、きめ細かいマルチ テナントとパフォーマンスの分離を考慮して設計されています。 これにより、数千ものテナントと、クラスターやデータ センター全体のそのワークロードの配置、実行、分散を最適に行うことができます。 これに対し、最新世代の OSS NoSQL データベースはオンプレミスで動作し、仮想マシン全体で 1 つのテナントのワークロードを実行することが前提となります。 また、これらのデータベースは、クラウド プロバイダーのインフラストラクチャとハードウェアを最大限に活用するように設計されていません。 たとえば、OSS NoSQL データベース エンジンでは、仮想マシンのダウンと、ルーチン イメージのアップグレードの違いや、プレミアム ディスクが既に 3 方向でレプリケートされていることが認識されません。 これらの利点を活用できず、お客様は利点を得ることもコストを節約することもできません。

  • 時間単位の支払い: 大規模なワークロードでは、ある時点でスケーリングが必要になった場合、時間単位でのみ課金されます。 アプリケーションのワークロードは、通常、時期や、クエリが実行されたデータによって異なります。 Azure Cosmos DB では、必要に応じてスケールアップまたはスケールダウンでき、必要な分だけ支払うことができます。 オンプレミスまたは IaaS でホストされているシステムでは、このモデルを適合させることはできません。1 時間ごとにハードウェアを停止する方法がないためです。 このような場合、Azure Cosmos DB では平均で 10 倍から 14 倍節約できる可能性があります。

  • 無料で数多くの機能を取得: Azure Cosmos DB では、書き込みワークロードのコストが、別のデータベース サービスに比べて大幅に低くなります。 さらに、Azure Cosmos DB では、自動インデックス作成Time to Live (TTL)変更フィードなどの機能が、(他のデータベース サービスでは通常発生する) 追加料金なしで提供されます。

  • さまざまなワークロードでの統合された通貨の使用: 別のオファリングとは異なり、Azure Cosmos DB では、ワークロードを読み取りや書き込みなどにセグメント化する必要はありません。 ワークロードの種類 (読み取りスループットと書き込みスループット) ごとにスループットをプロビジョニングします。 Azure Cosmos DB では、プロビジョニングされたスループットは、要求ユニットまたは RU/秒の観点から、統合され正規化された通貨を使用して予約されます。Azure Cosmos DB によって、ワークロードへの優先順位の割り当て、容量計画の実行、容量の種類ごとの個別の支払いが強制されることはありません。 このような方法では、さまざまな操作やワークロードの種類の間で同じ RU/秒を簡単に交換することができます。

  • スケーリングのための VM のプロビジョニングが不要: ほとんどの運用データベースでは、スケーリングが必要な場合、ノイジー ネイバーを回避するため、また緩いリソース ガバナンスのために大規模な仮想マシンを使用する必要があります。 これによって、お客様に負担がかかり、コストの事前のコミットメントが必要になります。 Azure Cosmos DB では、最初は小規模なものから始めて、シームレスに大規模なワークロードのサイズに増やすことができ、ダウンタイムが発生したり、データの可用性に影響することはありません。

  • プロビジョニングされたスループットを最大限に活用可能: Azure Cosmos DB でのサブコア多重化の特性により、IaaS でホストされているオプションやサード パーティのオファーより大幅に、プロビジョニングされたスループットを飽和することができます。 この方法では、別のソリューションより多くのコストが節約されます。

  • Azure Cosmos DB と他の Azure サービスとの緊密な統合。 Azure Cosmos DB は、ネットワーク、コンピューティング、Azure Functions (サーバーレス)、Azure IoT、およびその他の Azure サービスとネイティブに統合されています。 この統合により、堅固に保証された世界中のデータ レプリケーションの最適なパフォーマンスと速度が得られます。 サード パーティのソリューションでは適合できないか、このような機能を提供するために通常は割増料金が請求されます。

  • 既定で少なくとも 10 から 20 の範囲の障害ドメインが提供され、自動的に高可用性が得られる: Azure Cosmos DB では、障害ドメイン間のワークロードの分散がサポートされています。この機能は高可用性のために重要です。 世界中のあらゆる場所において 99 パーセンタイルで、読み取りと書き込みの 99.999 の高可用性が提供されます。 自分でまたはサード パーティのソリューションを介して、このような実装を行うとコストは高くなります。

  • 追加コストなしで、エンタープライズ機能がすべて自動的に得られる。 Azure Cosmos DB では、コンプライアンス認定、セキュリティ、およびデータの保管時および稼働時の暗号化の最も包括的なセットが追加料金なしで提供されます (競合他社と比較した場合)。 世界中のあらゆる場所で自動的にリージョンの可用性が得られます。 データベースは任意の数の Azure リージョンにまたがることができ、任意の時点でリージョンを追加したり削除したりすることができます。

  • 予約容量により最大 65% のコストの節約が可能: Azure Cosmos DB の予約容量は、Azure Cosmos DB のリソース料金 1 年分または 3 年分を前払いすることで経費を節減するのに役立ちます。 1 年分または 3 年分を事前にコミットすることでコストを大幅に減らすことができ、通常価格に比べ、20% から 65% の割引になります。 ミッション クリティカルなワークロードでは、容量のプロビジョニングの観点からより良い SLA が得られます。

容量計画

TCO の見積もりの補助として、容量計画から始めると役に立つ場合があります。 既存のデータベース クラスターから Azure Cosmos DB への移行を計画している場合は、既存のデータベース クラスターに関する情報を容量計画に利用できます。

次のステップ