次の方法で共有


Azure NetApp Files のワークロードの種類を理解する

クラウド ストレージのユース ケースを検討する際には、業界のサイロをいくつかのワークロードの種類に分解できる場合がよくあります。これは、業界をまたいでもいくつかのワークロードには共通点が存在することから可能になります。 たとえば、メディア関連のワークロードは、連続して大量の読み取りと書き込みを行う AI/ML のトレーニング セットに類似したワークロード プロファイルを持つ可能性があります。

Azure NetApp Files は、どのような種類のワークロード (低 I/O から高 I/O、低スループットから高スループット、ホームディレクトリから電子設計の自動化 (EDA) まで) にもうまく対応できます。 ワークロードのさまざまな種類について学習し、それらのワークロードにとって最適な Azure NetApp Files のボリュームの種類を理解しましょう。

詳細については、「Azure NetApp Files の大規模ボリュームの理解」を参照してください

ワークロードの種類

  • 特定のオフセット、ランダム読み取り/書き込みのストリーミング用ワークロード: この用途ではオンライン トランザクション処理 (OLTP) データベースが一般的です。 OLTP ワークロードのシグネチャは、目的のファイル オフセット (データベース テーブル行など) を見つけるためのランダム読み取りや、少数のファイルに対する書き込みパフォーマンスなどによって決まります。 この種類のワークロードでは、数万から数十万の I/O 操作が一般的です。 通常、アプリケーション ベンダーとデータベース管理者は、これらのワークロードに関する具体的な待機時間の目標値を持っています。 ほとんどの場合、Azure NetApp Files の通常ボリュームでこのワークロードにうまく対応することができます。

  • ファイル全体のストリーミング用ワークロード: 例としては、メディア リポジトリのポストプロダクション メディア レンダリング、コンピューター支援エンジニアリング/設計スイート (例: 計算流体力学) などのハイ パフォーマンス コンピューティング スイート、石油およびガス スイート、機械学習のファインチューニング フレームワークなどが存在します。 この種類のワークロードの特徴は、多いなファイルの読み取りや連続的な書き込みが行われることです。 これらのワークロードでは、ストレージ スループットが完了までの時間に最も大きな影響を与えるため、これが最も重要な属性となります。 通常、ワークロードが使用するコンカレンシーは固定量であり、スループットは待機時間によって決まるため、このケースでは待機時間が重要になることが一般的です。 ポストプロダクションの典型的なワークロードでは、待機時間が非常に重要であり、具体的な待機時間の値を達成しなければ、フレームレートを実現することができません。 Azure NetApp Files の通常ボリュームと Azure NetApp Files の大規模ボリュームのどちらでもこれらのワークロードに対応できますが、大規模ボリュームの方がより多い容量多いファイル数を実現可能です。

  • メタデータが豊富かつファイル数の多いワークロード: 例としては、ソフトウェア開発、EDA、金融サービス (FSI) アプリケーションなどがあります。 これらのワークロードでは、通常、数百万もの小さなファイルが作成され、その後に情報が個別に表示されたり、読み取りや書き込みの対象になったりします。 ファイル数が多いワークロードでは、通常、読み取りと書き込みではなく、リモート プロシージャ コール (RPC) が I/O の大部分を占めるようになります。 これらのワークロードでは、通常、I/O レート (I/OPS) が最も重要な属性となります。 コンカレンシーはアプリケーションでのスケールアウトによって制御することができるため、待機時間が重要となることはあまりありません。 1 ミリ秒の待機時間を期待する顧客もいれば、10 ミリ秒を期待する顧客もいます。 I/O レートを達成する限り、期待には答えていると言えます。 この種類のワークロードには、"Azure NetApp Files 大規模ボリューム" が適しています。

Azure NetApp Files 内の EDA ワークロードの詳細については、「電子設計自動化に Azure NetApp Files を使用するメリット」を参照してください。

詳細