SAN レプリケーションを使用したエンタープライズ レベルの災害復旧を Azure Site Recovery と System Center で実現
このポストは、10 月 27 日に投稿された SAN Replication based Enterprise Grade Disaster Recovery with ASR and System Center の翻訳です。
今年の Azure Site Recovery (ASR) の開発状況にずっとご注目いただいていた方にはご存知のとおり、マイクロソフトでは、「だれでも使える、どこでも使える、使いやすいソリューション」をテーマに災害復旧 (DR) ソリューションを開発してきました。その成果として今年 1 月には、Hyper-V レプリカを基盤としたオンプレミスのプライベート クラウドにまたがる DR オーケストレーションの一般提供を開始し、10 月には Microsoft Azure を DR サイトとして利用するためのサポートの一般提供を開始しました。これにより、大切な設備投資コストと運用コストをできる限り節約しながらセカンダリ サイトを管理したいと考える CIO の皆様に、Microsoft Azure を理想的な災害復旧先としてご活用いただけるようになりました。さらに、InMage Systems の買収 (英語) と InMage Scout の統合による ASR レプリケーション テクノロジの拡充によって、VMware 環境と物理環境のサポートを拡大しました。私たちは、より包括的なエンドツーエンドの災害復旧ソリューションという目標の実現に向けて着実に歩みを進めています。
マイクロソフトは、ASR のレプリケーション機能ポートフォリオをさらに拡大する大きな一歩を新たに踏み出しました。自社ストレージ エリア ネットワーク (SAN) アレイのスナップショット機能やレプリケーション機能を活用し、パフォーマンスに優れた同期/非同期レプリケーションをオンプレミスのプライベート クラウド全体で利用できるようにしたいという声はこれまでにも多くの企業から寄せられていましたが、ようやくこうした企業の皆様にストレージ アレイを基盤とするエンドツーエンドのレプリケーションと災害復旧を ASR と System Center Virtual Machine Manager (SCVMM) でオーケストレーションしていただけるようになりました。TechEd Europe 2014 でプレビュー版を発表した今回の新機能は、今後数週間で ASR でご利用いただけるようになる予定です。EMC、NetApp、HP 3PAR、日立を始めとするマイクロソフト パートナー各社も SMI-S プロバイダーの更新版の提供を発表しています。各社の製品ラインに対応して SMI-S プロバイダーが更新されたことによって、各社のハードウェアと ASR、SCVMM を標準ベースで統合できるようになりました。その他数多くのストレージ パートナーも SMI-S プロバイダー更新の最終段階を迎えており、ハードウェア サポートの提供も間もなく開始される予定です。
EMC の SMI-S プロバイダー更新 (英語) により、VNX や VMAX Symmetrix Remote Data Facility (SRDF) などの EMC ストレージ アレイのレプリケーション機能を ASR と VMM が利用できるようになりました。EMC VMAX SRDF により、RPO と RTO の目標を確実に達成しながら、EMC の一貫性テクノロジによって複雑なアプリケーション環境全体を包括的に保護できます。新しくなった VMAX3 ソフトウェア アーキテクチャでは、マルチコア/マルチスレッド テクノロジによるレプリケーション ワークロードの並列処理を通じて、CPU をさらに効率的に利用できます。
NetApp の SMI-S プロバイダー更新 (英語) は、NetApp FAS ストレージ (clustered Data ONTAP 8.2) を対象に実施されました。ASR と NetApp SnapMirror を組み合わせることで、簡単にデプロイできる災害復旧環境の中で、データベースや電子メールなどのビジネスクリティカルな仮想ワークロードを確実に保護できます。ASR SAN レプリケーションに SnapMirror を利用することで、エンタープライズ環境のアプリケーション ワークロードを Hyper-V で安定的に実行しながら、これらのワークロードの災害対策をさらに強化できます。
System Center Virtual Machine Manager が持つ世界最高レベルの豊富な機能と Microsoft Azure を基盤とする新しいストレージ アレイ ベースのレプリケーション/災害復旧では、以下のようなさまざまな機能をご利用いただけます。
- NEW標準ベース (SMI-S) のストレージの検出、プロビジョニング、レプリケーション管理 : SCVMM により、複雑な統合を確実に実行し、エンタープライズ ストレージ パートナーが提供するレプリケーション機能を利用することができます。SCVMM では、コンソールを使った包括的な SAN 管理が可能です。
- NEWエンドツーエンドの災害復旧とオーケストレーション : ASR と VMM によってストレージとコンピューティング両方のターゲット オブジェクトの作成と管理を自動化し、確実な復旧を実行します。
- NEW同期 / 非同期レプリケーション : RPO と RTO の最小化を支援するために構築されたサポートが提供されます。ストレージ ハードウェアがサポートする機能には ASR からアクセスでき、そのための設定も必要ありません。
- NEW複数の VM 間の一貫性とレプリケーショングループ : 複数の LUN と Virtual Machines を一括して保護できるため、一貫性を維持しながらアプリケーション層のレプリケーションとフェールオーバーを同時に実行しなければならないようなアプリケーションもサポートされます。
- NEWゲストクラスターのサポート : 共有 VHDX または iSCSI ターゲットが提供する共有ストレージを利用するゲスト クラスターをサポートできます。共有ストレージを利用する SQL Server、SharePoint、SAP などのアプリケーションの災害復旧とフェールオーバーを可能にする重要な機能です。
- ASR の復旧プラン : 効果的な DR 計画を 1 クリックで簡単に調整できます。スタンドアロンの Virtual Machines ではなく、複数のレプリケーション グループを含む ASR 復旧プランを設計できるようになりました。
- 拡張性に優れた構成 : レプリケーション グループの柔軟な保護設定により、アプリケーションが必要とする保護ポリシーをきめ細かく設定できます。オンプレミスのネットワークをプライマリ サイトと DR サイトに関連付けられることにより、フェールオーバー後にアプリケーションが確実に再開、接続されます。
- セルフサービスの災害復旧 : セルフサービス モデルにより、テスト フェールオーバー、完全なデータ損失防止が保証された計画的フェールオーバー、計画外フェールオーバー、フェールバックによる DR ドリルのフル サポートが提供されます。正確性と一貫性が保証されたすべての DR 操作が目標復旧時間 (RTO) の実現をサポートします。
- 信頼性に優れた復旧作業の監査レポートとコンプライアンスレポート : DR テストを頻繁に実施しても運用環境に対する影響やその他のリスクはありません。信頼性の高いテストによってコンプライアンスのニーズを満たすことができます。搭載されたレポート機能によって、サービスを使って実行されたすべてのアクティビティをエクスポートできるため、監査要件にも対応できます。
Windows と Linux、物理環境と Hyper-V 仮想環境、VMware とその他の環境など、種類を問わずあらゆる環境のレプリケーション、復旧、保護、調整を可能にする Azure Site Recovery は、さまざまな組織の災害復旧計画に欠かせない存在へと短期間で成長しています。生産性ソリューションとプラットフォームの提供を通じてモバイル ファーストとクラウド ファーストの実現を目指すマイクロソフトは、ビジネス継続性に関する課題の解決と、プライベート クラウド、パートナー クラウド、パブリック クラウドをシームレスにつなぐハイブリッド クラウド ソリューションの実現に取り組んでいます。
ASR を導入した大企業と中堅中小企業のお客様には、レプリケーションや保護の一貫性、オンプレミスとプライベート クラウド間での Virtual Machines のフェールオーバー、Microsoft Azure への直接フェールオーバーなど、数多くのメリットを実現していただいています。ASR の設計によって、メインのデータセンターに影響する災害から復旧する際にも、最適な目標復旧時点 (RPO) と目標復旧時間 (RTO) を実現することができます。
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