共用方式為


Access 2016 のリボンをカスタマイズする

 

こんにちは、Office サポート チームです。

ユーザー単位で Access 2016 自体の組み込みのリボンを非表示にするには、[Access のオプション] (※ 1) で設定可能ですが、
ファイル単位で変更する場合、RibbonXML を利用します。

本記事では、Access 2016 で .accdb ファイル毎に組み込みのリボンを非表示にする方法を説明します。

※ 1. [Access のオプション] - [リボンのユーザー設定] で非表示にするリボンをチェックオフします。

 

組み込みのリボンを非表示にする方法

Access の起動時にカスタマイズされたリボンを読み込むには、その設定を USysRibbons という名前のテーブルに保存する必要があります。
このテーブルにリボンを非表示にする RibbonXML を入力します。

手順

  1. Access 2016 で空のデータベースを新規作成します。

  2. USysRibbons テーブルを次の構成で作成します。

     
    USysRibbons テーブル:

    列名 データ型 説明
    RibbonName 短いテキスト型 (Text) このカスタマイズに関連付けられるカスタム リボンの名前が含まれます。
    RibbonXML 長いテキスト型 (Memo) リボンのカスタマイズを定義するリボン拡張 XML (RibbonX) が含まれます。
  3.  

  4. USysRibbons テーブルをデータシートビューで開き、各列に、次のデータを入力します。

    列名
    RibbonName HideTheRibbon
    RibbonXML <customUI xmlns="https://schemas.microsoft.com/office/2006/01/customui"><ribbon startFromScratch="true"/></customUI>
  5.  

  6. 設定した UsysRibbons テーブルの設定を読み込ませるため、ファイルを一旦閉じます。

  7. 手順 1 で作成したファイルを再度開きます。

  8. [ファイル] - [オプション] をクリックします。

  9. [Access のオプション] にある [現在のデータベース] を選択します。
    [リボンとツール バーのオプション] セクションで [リボン名] ボックスから HideTheRibbon を選択します。

  10. オプションを閉じます。

  11. Access を終了します

  12. 手順 1 で作成したファイルを開きます。以下のように [ファイル] タブだけが表示されます。

以下の RibbonXML を使用した場合は、[ファイル] タブのバックステージビューにある [閉じる] ボタン以外が非表示になります。

<customUI xmlns="https://schemas.microsoft.com/office/2009/07/customui">
<ribbon startFromScratch="true">
</ribbon>
<backstage>
<button idMso="ApplicationOptionsDialog" visible="false" />
<button idMso="FileSave" visible="false" />
<!-- [閉じる] ボタンのみ visible="true" にして表示させています -->
<button idMso="FileCloseDatabase" visible="true" />
<tab idMso="TabInfo" visible="false" />
<tab idMso="TabRecent" visible="false" />
<tab idMso="TabSave" visible="false" />
<tab idMso="TabPrint" visible="false" />
<tab idMso="TabOfficeStart" visible="false" />
<tab idMso="TabHelp" visible="false" />
<tab idMso="TabOfficeFeedback" visible="false"/>
</backstage>
</customUI>

 

※ リボンの表示が変更されない場合は、上述の XML をメモ帳へ一度コピーし、メモ帳経由で RibbonXML フィールドに貼り付けください。

 

RibbonXML 解説

  • startFromScratch属性を true に設定すると、[ファイル] タブ以外の既存のリボン タブすべてが非表示になります。
  • Office 2010 以降の機能である、Backstage ビューをカスタマイズするため、
    Office 2010 以降の名前空間 <customUI xmlns="https://schemas.microsoft.com/office/2009/07/customui"> を使用しています。

 

[ファイル] タブの各項目の RibbonXML です。

情報 <tab idMso="TabInfo" visible="false" />
新規 <tab idMso="TabOfficeStart" visible="false" />
開く <tab idMso="TabRecent" visible="false" />
上書き保存 <button idMso="FileSave" visible="false" />
名前を付けて保存 <tab idMso="TabSave" visible="false" />
印刷 <tab idMso="TabPrint" visible="false" />
閉じる <button idMso="FileCloseDatabase" visible="false" />
アカウント <tab idMso="TabHelp" visible="false" />
オプション <button idMso="ApplicationOptionsDialog" visible="false" />
フィードバック <tab idMso="TabOfficeFeedback" visible="false"/>

 

参考情報

RibbonXML で使用するコントロールのID (idMso) が記載されているファイルを以下サイトからダウンロードできます。

 

Office 2016 製品の Office Fluent User Interface Control Identifiers

https://github.com/OfficeDev/office-fluent-ui-command-identifiers/tree/576b8a46950d1ca12f6b57a3b65498852ae988d3/Office%202016

 

Office 2013 製品の Office Fluent User Interface Control Identifiers

https://github.com/OfficeDev/office-fluent-ui-command-identifiers/tree/576b8a46950d1ca12f6b57a3b65498852ae988d3

 

Office 開発サポート チームで、リボンのカスタマイズの BLOG を執筆しておりますので、ぜひこちらもご参照ください。
Office リボンをカスタマイズ – パート1 – (カスタマイズ手法と仕組み)

https://blogs.msdn.microsoft.com/office_client_development_support_blog/2017/02/20/customize-ribbon-part1/

 

Office リボンをカスタマイズ – パート2 – (ファイルにカスタム XML を追加)

https://blogs.msdn.microsoft.com/office_client_development_support_blog/2017/03/06/customize-ribbon-part2/

※ 「<customUI xmlns="https://schemas.microsoft.com/office/2009/07/customui">」等の名前空間はじめ、XML内容の解説をぜひご一読ください。

 

Office リボンをカスタマイズ – パート5 – (TIPS 1 : 既存メニューのカスタマイズ)

https://blogs.msdn.microsoft.com/office_client_development_support_blog/2017/11/06/customize-ribbon-part5/

 

Office リボンをカスタマイズ – パート7 – (TIPS 3 : 特殊メニューのカスタマイズ)

https://blogs.msdn.microsoft.com/office_client_development_support_blog/2017/12/26/customize-ribbon-part7/