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クラスター環境における仮想マシンの自動開始アクションについて

こんにちは、Windows プラットフォーム サポートの大川です。
今回は Hyper-V の仮想マシンに設定する "自動開始アクション" についてのお話になります。

[対象 OS バージョン]
Windows Server 2008 R2 以降

[概要]
お客様よりクラスター上で稼働している仮想マシンの自動アクション設定が
ライブマイグレーションを実行したことによって自動的に "何もしない" に
変更されたとのお問合せをいただくことがあります。

"自動開始アクション" の設定は 3 つのオプションから一つを選択することが
できますが、クラスター上で稼働している仮想マシンは、クラスターにて状態が
管理されるため、"何もしない" が自動的に設定されます。

クラスター上で稼働している仮想マシンに対して、自動アクション設定を
"何もしない" 以外に設定しても機能しませんので、"何もしない" のまま
ご使用ください。

[詳細]
Hyper-V の仮想マシン設定に "自動開始アクション" という設定があります。これは、
物理マシンの起動時に、仮想マシンの状態をどのようにするかを設定するものになります。
具体的には、以下の 3 つのオプションから一つ選択することが可能です。

1. 何もしない
2. サービスが停止したときに実行されていた場合は自動的に起動する
3. 常にこの仮想マシンを自動的に起動する

"1. 何もしない" を設定した場合は、物理マシンを起動しても仮想マシンは停止したままの状態で、
手動で仮想マシンを起動する必要があります。

"2. サービスが停止したときに実行されていた場合は自動的に起動する" を設定した場合は、
物理マシン停止時の仮想マシンの状態によって動作が変わります。もし、物理マシン停止時に
仮想マシンが起動していた場合には、自動的に起動しますが、仮想マシンが停止していた場合
には、仮想マシンは自動的に起動しません。

"3. 常にこの仮想マシンを自動的に起動する" を設定した場合は、物理マシンが起動した際には、
常に仮想マシンが自動的に起動されます。

仮想マシンをクラスターのリソースとして稼働させていない場合は、既定値は
"2. サービスが停止したときに実行されていた場合は自動的に起動する" になっていますが、
クラスターのリソースとして稼働させた環境においては、この値が "1. 何もしない" になります。
これは、仮想マシンの状態を物理マシンの起動に依存させるのではなく、クラスターのリソース
として管理するためです。

この値の変更は仮想マシンをクラスターのリソースとして登録したり、ライブマイグレーションを
行ったりすると、自動的に変更されます。"1. 何もしない" 以外を設定しても、機能しないため、
"1. 何もしない" のままご利用いただければと思います。

※注
フェールオーバー クラスター マネージャーの画面から"自動開始アクション" の設定変更が可能であり、
画面上からも変更されたように見えますが、実際に仮想マシンが動作する内容としては、
"1. 何もしない" になります。

なお、クラスター上の仮想マシンはクラスターリソースとして扱われます。また、クラスターサービス停止時に
実行されていたクラスターリソースは、次回クラスターサービス起動時に自動的に起動されます。そのため
"1. 何もしない" が設定されていても、クラスターサービス停止時に起動していた仮想マシンは、次回クラスター
サービス起動時に自動的に起動されますので、ご安心いただければと存じます。

本ブログが少しでも皆様のお役に立てますと幸いです。