【Tech・Ed ★ミ】 Back To The Future?!
Bob Muglia の基調講演が終了しました。さすがに1万人規模のカンファレンスだけあって人が多いこと、多いこと。さて、今年の Tech・Ed 2007 基調講演 奥主版解釈をお送りします。基調講演は映画の博士が登場する一風変わった開幕と今までビジョンばかり語っていたころのMSを振り返る(Hailstorm、WinFS を熱く語っている過去にBobが戻るという設定)という辛口なオープニングとなりました。それだけ今は製品も揃ってきて自信があるということの象徴でしょうか。
◎DSI 構想を拡大して Dynamic IT 構想へ
もっと突っ込んでお聞きになりたい方は是非 Tech・Ed 横浜で高添のセッションをお聞きいただきたいと思いますが、DSI とはDynamic Systems Initiative の略で2002年ころから露出しはじめたマイクロソフトの戦略・構想です。情報システム向けの投資は7割は今も既存システム向けの投資として使われている云々で高添・奥主が2005年からお話している内容でもあります。仮想化の盛り上がりと実際にモデルベースのシステム作りができるツールが揃ってくる今年、動的なIT、戦略的なITというのが実際に行われてくる年と捉えて、Dynamic ITというキーワードをどんどん使っていくことになります。また、いきなり動的に稼働するシステムと言ってもそこまでの道程がわかりにくいことからIO(インフラストラクチャの最適化)という成熟度モデルをご紹介してきましたが、それも色々な変遷を経て、Core Infrastructure、Business Productivity、Application Platformの大きなグルーピングで捉えられるように変わってきています。今年は成熟度モデルを提唱しているGartnerからも約12分ほど IT と アジリティ(経営の機敏性) という話もあり、大きな流れの中でこの Dynamic IT へ向けての取り組みがあちこちで開花し始めていることが説明・報告されました。
今年はMSのテクノロジー面での進化を4つの大きな柱で組み立てていました。そしてそのベースになるキーワードとしてFederation、Interoperability、Secureの3つを底辺において大きな範囲でカバーしています。この話の中で、相互運用性として、System Center と他の製品を結ぶ Connecter の役割として Engyro の買収の話も登場しました。それと、Novell 社との協業に引き続いて、Xandros のディストリビューションとも協業していくことをアナウンスしました。
◎実装を行う製品群の当たり年
昨年はVista、Officeの年とよく言われていましたが、今年は「ビジネス」にとって非常に重要な製品たちがついに結実する年と言っていいでしょう。Windows Server 2008・System Center製品群・Forefront製品群 はもちろん、BizTalk Server 2006 R2、SQL Server 2008(Katmai)、Visual Studio 2008(Orcas)が開発においては大きな役割を果たすことは間違いないでしょう。Tech・Ed Yokohama の基調講演の内容をこれからじっくり検討することになりますが、明らかにここに取り上げているようなテクノロジーがキーになってくることは間違いないでしょう。
「私にとって大きな発表」が一つ実は行われています。それはWindows Server 2008 でServer Coreの役割にIIS7が追加されたことの発表です。もちろん.NET Frameworkが搭載されていないことはそのままなので、マネージドのコードは動かないことになりますが、Webサーバーの堅牢性が最も大事で軽装であることを求められる環境ではこの組合せは強力なものになってきます。今後の運用方法の技術資料等に注目したいところですね。
やっぱりSilverlightは注目度満点ですね、Firefoxの中でビデオ10個動かしてしまうデモはみんな他の発表内容を忘れてしまうんじゃないかと心配するくらい盛り上がっていました。
ということで今年はVirtual TechEdということでWebでも多くのセッションを見ることができますから基調講演の内容がビデオであがったらまた解説したいと思います。
では大混雑の昼食会場へ行ってきます。すごいです 日本で言うとさながら球場でやってるコンサート並の人ごみですが、これが全員 IT の専門家ばかりだと思うと世界の広さを感じずにはおれません。
(現地より 6/4 12:00 EST)