【☆ミ】 越えて見ていただきたい壁

今日 高添 が面白いブログを書いています。情報インフラに興味を持っていてADを含めたそここそがマイクロソフトのビジネスにとって今 非常に重要だということをわかっているからこそそこをやっていると思うのですが、今回はSharePoint Server 2007のSNS機能についてふれています。昨今 SNS がすごい勢いで使われています。これは電車に乗っていても居酒屋にいても聞こえてくる声でおおよそ判断できてしまう事実です。私はちょっと違う視点で書いてみたいと思います。

企業の中で部門間の壁があるなんて声ももう耳にタコができるくらい聞きました。組織が大きければ大きいほどこの傾向が強く、そのために情報共有だなどとお題目を掲げながら現実的には現場レベルの合意や協業によってなんとか維持しているというのが日本の社会での実情ではないでしょうか。弊社との取引の中で技術者として外部から大手のお客様に接触を試みるとこれは如実に感じずにはおれない局面が結構ありました。それこそ情報共有を外部の会社に頼ろうとするケースもある現実を知った時もありました。日本の省庁間の壁を見ると「ここまでが範囲でそこからは向こうの役所」的な対応が普通な世界を作ってしまう社会では一般企業でもこういうことになってしまうこともなんとなく判ってしまうし、それこそが受験教育の弊害だとか言う人もいるかもしれませんね。学閥とか人を蹴落として自分を持ち上げる古来の日本文化にある「謙譲」の心とはかけ離れた殺伐とした状況です。

さて相当IT系のブログとはかけ離れた内容になりつつあるのでそろそろ起動修正をします。

ここで「壁」の話なんですが、よく展開される議論は組織の中の壁を超えるためにITを活用しましょうというものです。グループウェアを使って、イントラネットサイト/ポータルを作って、それこそ最近では社内ブログを作ってなんていうのがそうです。「汝、隣人を愛せよ」ではありませんがまずは社内のパワーを結集するために他の人の部門が何をするか知ろうよ、自分の部門が何をしているか発信しようよという風潮です。実はMSも「壁」傾向がすごーーーく強い会社です。その副作用で、電話がたらい回されたなんて悲しいご経験をお聞きしたりもします。この場を借りてそういう方には心よりお詫びいたしますし、今はそうではありませんと本気でお伝えしたいと思います。そんなMS Japanでやってる面白いこととしてはやはり社内ブログがありますし、WSSのセルフサービスによる部門情報の発信・バーチャルチームの情報発信もありますし、最近では社員総会で部門出展ブースを併設して何をやっているかアナログ的にも発信しようなんて動きもあります。

私がセミナーでスライドの表紙を説明する時、「数年前からWindowsはWindowsのマーケティング部門、OfficeはOfficeのマーケティング部門として製品中心のマーケティングを行ってきたものをそれは維持しつつ、お客様中心でマーケティングを行うIT技術者向けのマーケティングが登場しました。開発者とそれ以外の技術者の方という分類で後者をITプロフェッショナル(IT Pro)と呼ばせていただき、IT Pro向けのマーケティングをする部門も誕生しました。そこには純粋なマーケティング施策を企画する人と私のように技術者の視点でセミナー等でよくお話をさせていただくエバンジェリストがいます。私はそういう背景でここに立っています。。。」のような話をします。 

そんな説明をしているITプロオーディエンスマーケティングの存在意義を2年間所属して今 私が思っていることは、前述のような企業の中での総力結集ではなく、IT業界においてはIT技術者 個人対個人の繋がりを企業・企業グループという「壁」を越えて持っていただくことをみんなに実践していただけるお手伝いをすることです。これはMSの最近の施策として「コミュニティを支援します」というような標語で言われていたりしますが、実は同じような仕事をしている方というのは企業を越えたところにしかいないという現状でむしろ大昔のギルド的な発想の方が助け合いが起きやすいからなんだと思います。技術者であるという視点から共通項を見つけやすいというのもあります。実はMSでIT技術者向けにSNSをやってしまおうかという案が起きつつある(事実色んな人があるといいと言っている)のもこういうのが背景にあるのでしょう。もう一つ、IT業界でフリーで大活躍するタイプの人は人間ネットワークがすごい人が多い訳ですが、それをITで支援するのがSNSであり、コミュニティ活動する人たちの持つパワーもすごいものがあるというのをこの2年間ですごく実感しています。

という色々なことを書きましたが、今 IT業界にいる「あなた」に伝えたいことは まだ日本では転職は容易ではないという点を踏まえたとしても他の業種、他の企業の方と交流することで、つまり「壁」を越えてみることで固定概念や事象の片側だけを見るという縛りから解放され、新しい視野が持てるので是非しましょうということ、それにSNSが役立つならおおいに使いましょうってことです。この発想は米国寄りなものでちょっと進みすぎに感じるかもしれませんが、本当にこの通りだと思ってます。手に職を持っているIT業界の人はそれこそ転職しやすくならないといけないし、そのために自己啓発する心がもっと盛り上がってほしいと心から願う次第です。2007年はどれだけこの「心」を実践できるかを年末に振り返れるように活動をしていきたいと思います。なんか所信表明みたいになってしまいましたが今回はそんなところで。。。(^-^)