Windows、iPad、および Android - タブレットの世界での Office 資産の管理および使用 (パート 5) – リモート Windows 環境へのアクセス

原文の記事の投稿日: 2011 年 10 月 24 日 (月曜日)

タブレット コンピューティングの世界における Office 資産の管理に関するシリーズのパート 5 へようこそ。パート 1 では、リッチ クライアント、リモートのリッチ クライアント、Office for Mac、Web Apps、および携帯電話の Office で Office を利用する主な方法を紹介しました。パート 2 では、Exchange ActiveSync を使用したタブレットでの電子メールの利用について説明しました。また、その他のプラットフォームで使用できる制御手法をグループ ポリシーと比較し、Office を構成するオプションについて解説しました。パート 3 では、SharePoint 2010 または Office 365 サービスの一部としての Office Web アプリケーションについて述べました。パート 4 では、IIS および UAG を使用するデバイスに基づいてリソース アクセスを差異化する方法を紹介しました。このブログでは、Windows を実行している Office 環境にリモート アクセスできるようにユーザー インターフェイスを調整する方法について説明します。

タッチ デバイスを使用してホスト型 Windows デスクトップおよびアプリケーションにリモート アクセスできるようにユーザー インターフェイスをカスタマイズ

ブログ シリーズのパート 1 では "ポスト PC の世界" というフレーズを使って、本当に仕事をしたいと思っている人、ポインティング デバイスやキーボードを必要としている人を少し軽視してきました。Windows 用アプリケーションは長年にわたってキーボードとポインティング デバイスが存在するものとして開発されています。Office やシェル構成をタッチ操作用にカスタマイズする話をするときは、これを忘れてはいけません。タッチ ナビゲーションで Office を使用する大変さは経験からよくわかっています。レドモンドへの通勤で毎日約 2 時間、タッチ ナビゲーションを利用しているのです。

これは iPad でも Android でも Windows スレートでもありませんが、キーボードやマウス用に設計されたアプリケーションでシステムを操作できるようにする難しさは同じです。ここでは、Office や Windows を主にタッチ操作で使用できるように構成しながら発見したことをいくつか紹介します。

タッチ操作用に設定を調整

この例で "タッチしやすい" ように構成する対象はリモート デスクトップまたはサーバーです。リモート デスクトップ サービス (RDS) を使用すると、完全なデスクトップ、または Windows Server RDS 役割がインストールされているリモート アプリケーション ウィンドウにアクセスできます。どちらの場合も、少し調整するだけで使いやすくなります。

Window の色とデザイン

Windows コンピューターで [コントロール パネル]、[デスクトップのカスタマイズ]、[個人用設定]、[ウィンドウの色とデザイン] の順に選択し、[デザインの詳細設定] をクリックすると、次の画面が表示されます。

"閉じる" ボタンや "最小化" ボタンをクリックすると、"タイトルのボタン" と呼ばれるアイテムを調整できるようになります。このサイズは約 40 に設定しますが、この数値はリモート デスクトップまたは RDS サーバーで使用している解像度、および使用デバイスの画面サイズと解像度によって変わるので、適切なサイズになるまで何回か試してみる必要があります。同様に、スクロールバー領域をクリックすると、"スクロールバー" アイテムが選択されるので、タイトルのボタンに合わせてそのサイズを設定できます。この微妙な調整は、たとえば 7 インチ Samsung Galaxy Tab では標準のボタンがどの位小さくなるかを考えるときに非常に重要です。

このように変更することで、アプリケーションをスクロールしたり閉じたりできるようになります。変更されたコントロールは、慣れていない人には少し変に見える可能性があります。このコントロールの良いところは、この構成でリモート デスクトップまたはサーバーのセッションにアクセスすると、たとえば Citrix XenApp を使用する iPad または Android デバイスで優先されるという点です。Windows デバイスからこのウィンドウにアクセスすると、接続デバイスのサイズに合わせてタイトルのボタンとスクロールバーが調整されます。

Office のリボンのカスタマイズ

上記の画像には "iPad" という Office の既定のユーザー設定タブが表示されています。また、このシリーズの前のブログでは、[タッチ] タブが表示されている Word のリボンを紹介しました。これは、タッチ操作用にカスタマイズされた秘密のバージョンの Office 2010 ではありません。標準でサポートされているコマンドで既定の Office リボンをカスタマイズできるのです。Word 2010 で [ファイル]、[オプション]、[リボンのユーザー設定] の順に選択すると、以下の画面が表示されます。

ここで大きなコントロールが含まれるカスタム リボン タブは既に作成しました。これらのコントロールはタッチ操作しやすく、ここでは [タッチ] (Touch) タブが Word の既定のタブとして、以下のように表示されます。

各ボタンがタッチ操作しやすいサイズで表示されているのがわかりますが、主要な機能が数個しか表示されていません。カスタム リボン ファイルを作成したときに、OFFICEUI ファイルが自分のユーザー アカウントの AppData フォルダーに保存されました。

OFFICEUI ファイルは基本 XML で構成され、以下に示すように、作成されたユーザー アカウントへのアフィニティはありません。

このファイルは既定のユーザー プロファイルの一部として使用できます。また、これらのファイルは Office インストール メディアにもコピーできます。このブログ シリーズのパート 2 で説明したように、Office カスタマイズ ツール (OCT) または config.xml を使用すると、このファイルを RDS サーバーまたは標準のリモート デスクトップ ビルドの適切な場所にコピーできます。

結果として実現する操作性

これらの変更すべてが完了し、iPad、Android、または Windows デバイスがリモート デスクトップにアクセスできるようになると、ユーザー エクスペリエンスは既定の構成よりも良くなるはずです。しかし、アプリケーション ウィンドウには、ポインティング デバイスを使用した方が指でタッチ操作するよりも操作しやすい領域がまだ多数残っています。カスタマイズされた iPad の外観を以下に示します。カスタマイズされた箇所は赤でマークされています。

すべてのコントロールとフォントを小さな画面のタッチ操作に合わせてカスタマイズすることはできませんが、一般的な作業を行うことはできます。このようにユーザー インターフェイスをわずかに調整するだけでも、ユーザーのストレスが減り、Windows 以外のデバイスで Win32 アプリケーションを使用するのに役立ちます。多くの組織に何千ものカスタマイズされた基幹業務アプリケーションがあります。別のプラットフォーム用にクリティカルなアプリケーションを記述し直すのは現実的ではない可能性があります。

このシリーズの次のパート

正直なところ、このパート 5 でブログ シリーズを終わらせたかったのですが、リモート デスクトップ環境を構成する方法について説明するブログがもう 1 つ必要であることに気が付きました。最終ブログになる次のパート 6 では、iPad、Android、または Windows デバイスでリモート セッションを行うための一般的なアーキテクチャについて説明し、そのプロセスで追加のセキュリティ構成をいくつか示します。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

Jeremy Chapman

シニア製品マネージャー

Office IT Pro チーム

更新: シリーズ内のすべてのブログが完了したので、6 つのブログすべてへのリンクを次に示します。

  1. Windows、iPad、および Android - タブレットの世界における Office 資産の管理と使用 (パート 1) - Office の提供と使用に関する概要と方法
  2. Windows、iPad、および Android - タブレットの世界における Office 資産の管理と使用 (パート 2) - Exchange ActiveSync に関する考慮事項と Office クライアント インストールのカスタマイズ
  3. Windows、iPad、および Android - タブレットの世界における Office 資産の管理と使用 (パート 3) - Windows 以外のデバイスの Office Web Apps
  4. Windows、iPad、および Android - タブレットの世界における Office 資産の管理と使用 (パート 4) - デバイスに基づいたアクセス管理
  5. Windows、iPad、および Android - タブレットの世界における Office 資産の管理と使用 (パート 5) - リモート デスクトップ環境を準備するためのユーザー インターフェイス構成
  6. Windows、iPad、および Android - タブレットの世界における Office 資産の管理と使用 (パート 6) - Windows 環境へのリモート アクセス用ソリューションの構築

これはローカライズされたブログ投稿です。原文の記事は、「Windows, iPad and Android - Managing and Using Your Office Assets in a Tablet World (Part 5) – Accessing Remote Windows Environments」をご覧ください。