まだ OMPM を使用している方は Office テレメトリ ダッシュボードを試してみてください

原文の記事の投稿日: 2012 年 8 月 11 日 (土曜日)

Office Migration Planning Manager (OMPM) は、Office を利用している IT 担当者のお客様の間で今もよく使用されています。ブログの読者だけでなくマイクロソフトのコンサルタントからも、OMPM についてのコメントや質問がまだ寄せられています。常連のゲスト ブロガーでもある互換性の第一人者、Curtis Sawin は、OMPM が何に向いているのか (ドキュメントを OpenXML 形式に正しく変換できるかどうかの特定)、そしてより重要な点として、何に向いていないのか (ドキュメントを Office 2010 で使用できるかどうかの特定) を、お客様に精力的に説明しています。このテーマに関する彼のすばらしい 3 部構成のブログ シリーズ (英語)ビデオをまだご覧になっていない方はぜひご覧ください。

最近まで、ドキュメントの互換性を評価するためにほかにお勧めできるツールはありませんでしたが、Office 2013 Preview がリリースされて、Office テレメトリ ダッシュボードをご紹介できるようになりました。このツールは、私たちが "最新の" Office 互換性プロセスと読んでいるプロセスに最適です。このテレメトリ ダッシュボードについては、既に山岸真人による新しいブログ シリーズが開始されているほか、これから数多くのブログ投稿や記事が公開される予定です。ここでは、それに先だって、OMPM とテレメトリ ダッシュボードを比較してみたいと思います。両者の違いがわかれば、OMPM についての知識を応用して、テレメトリ ダッシュボードをすぐに使い始めることができます。

「まだ Office 2010 への移行を計画しているところなのに Office 2013 用のツールについて検討する意味があるのか」と考えている方もいらっしゃるでしょう。先に進む前にその疑問にお答えしておきましょう。テレメトリ ダッシュボードは、Office 2013 Preview のお客様のためだけのものではありません。Office 2010、Office 2007、Office 2003 を実行しているクライアント コンピューターを監視することもできます。確かに、ダッシュボードを表示するには Excel 2013 Preview が必要ですが、Office 2013 はプレビューの間は無料でダウンロードできます。Excel 2013 Preview とテレメトリ ダッシュボードはそのダウンロードに含まれています。したがって、OMPM を使用して Office ドキュメントの徹底的なスキャンを開始する前に、テレメトリ ダッシュボードを使用することを検討する意味はあります。

次の表では、OMPM とテレメトリ ダッシュボードの主な違いがわかるように両者を比較しています。

OMPM

テレメトリ ダッシュボード

入手方法

Microsoft ダウンロード センターから無料でダウンロードできる (英語)

Office 2013 Preview の一部としてインストールできる

コンポーネント

  • ドキュメント スキャナー (offscan.exe)
  • 設定ファイル (Offscan.ini)
  • インポート ツール (ImportScans.bat)
  • OMPM レポート ツール (OMPM.accdr)
  • ドキュメント コンバーター (OFC.exe)
  • Office テレメトリ エージェント (クライアントに展開される)
  • Office テレメトリ プロセッサ (データを定期的に収集してデータベースにインポートするサービス)
  • Office テレメトリ ダッシュボード (Excel 2013 Preview をベースとするツール)

互換性とインベントリのデータが格納される場所

SQL データベース

SQL データベース

データの収集方法

  1. 共有フォルダー、クライアント コンピューター、および Web サイトに対して OMPM を実行します。結果のデータが共有フォルダーに格納されます。
  2. ImportScans.bat を使用してデータを SQL データベースにインポートします。

 

 

  1. Office テレメトリ エージェントをクライアントに展開し、Office テレメトリ プロセッサをクライアントまたはサーバーに展開します。
  2. グループ ポリシーを使用して、テレメトリ エージェントを有効にして構成します。
  3. Office テレメトリ エージェントが、クライアント コンピューターで Office のインベントリ データと使用状況データを定期的にスキャンして、データを共有フォルダーにアップロードします。
  4. Office テレメトリ プロセッサが、データを定期的に SQL データベースにインポートします。

収集されるデータ

OMPM は、スキャンするソースでバイナリ ドキュメントのリストを収集します。収集されるデータの完全な一覧については、TechNet を参照してください。

 

OMPM では、アドインやソリューションに関するデータは収集されません。これらのデータを収集するには、Office Environment Assessment Tool (OEAT) を使用する必要があります。

テレメトリ ダッシュボードでは、以下のデータが収集されます。

  • ユーザーの "最近使用した" リストに含まれている Office ドキュメント
  • 監視されているクライアントのユーザー データとシステム データ
  •  監視されているクライアントで実行される、最近使用された Office のアドインとソリューション
  • Word 2013 Preview、Excel 2013 Preview、PowerPoint 2013 Preview、Outlook 2013 Preview の互換性イベント

 

収集されるデータの完全な一覧については、TechNet (英語) を参照してください。

 

 

上の表からわかるように、この 2 つのツールには多くの違いがあります。根本的な違いの 1 つは、テレメトリ ダッシュボードでは、各クライアントにインストールされたエージェント コンポーネントを使用して、クライアントで最近使用されたドキュメントとアドインに関するインベントリ データと互換性データが定期的に収集されるということです。OMPM では、さまざまな種類のデータ ソース (クライアント、共有フォルダー、Web サイト) に対して手動でスキャンを実行します。このスキャン方法の変更は意図的なもので、複数のユーザーによってよく使用されているドキュメントやアドインは、しばらく使用されていないドキュメントやアドインよりビジネス クリティカルな可能性が高いという確信に基づいています。使用されているドキュメントのみを監視することによって、Office の展開の計画およびパイロット展開の時間を節約できます。

OMPM とテレメトリ ダッシュボードのもう 1 つの根本的な違いは、一部の Office 2013 Preview アプリケーションはエージェントに互換性イベント (アプリケーションのクラッシュ、長い読み込み時間など) を報告するように作られているということです。それだけではありません。エージェントは Office 2013 Preview クライアントに組み込まれているため、別途展開する必要はありません。さらに、それらのイベントをリアルタイムで監視したい場合は、任意の Office 2013 Preview クライアントで Office テレメトリ ログを使用できます (テレメトリ ログを使用すると、ローカル クライアントで発生したイベントを確認できます。一方、テレメトリ ダッシュボードでは、監視されているすべてのクライアントで発生したイベントが 1 つのダッシュボードにまとめられます)。

確かに、Office 2013 Preview の組み込みのエージェントや互換性イベントは、Office 2010 の展開では役に立たないかもしれません。しかし、OMPM を使用して徹底的なスキャンを実行する代わりに、今 Office クライアントにエージェントを展開すると、Office 2010 の展開の計画に要する時間を節約し、ビジネス クリティカルなドキュメントとアドインをすばやく特定できます。そして、Office 2013 のパイロット展開を開始するときが来たら、エージェントのレポートが既に有効になっているため、ユーザーが Office 2013 で既存のドキュメントを開いたときに互換性イベントを監視できます。また、新たにサポートされた Office 2013 と以前のバージョンの Office のサイドバイサイド実行により、ユーザー受け入れテストがはるかに簡単になります。

テレメトリ ダッシュボードを試してみたくなった方は、展開のガイダンスを参照してください。また、私たちのブログを購読 (英語) して、新しいブログ投稿をチェックしてください。

Jill

これはローカライズされたブログ投稿です。原文の記事は、「Still using OMPM? Give Office Telemetry Dashboard a try!」をご覧ください。