Exchange 2007 から Exchange 2013 へ移行したパブリック フォルダーのアイテムが一部編集できない

現象について
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Exchange では、作成者権限でアイテムを開く際に、開く対象アイテムの PR_CREATOR_SID に保存されている SID とアイテムを操作しているユーザーの SID を確認し、アイテムを操作しているユーザーが作成者かどうかを判断します。
しかしながら、Exchange 2007 から Exchange 2013 に移動したパブリック フォルダーのアイテムでは上述の PR_CREATOR_SID が移動されない現象が報告されております。
移動したアイテムの PR_CREATOR_SID が確認できないことから、移行前に Exchange 2007 において、"作成者" の権限で作成したアイテムを Exchange 2013 へ移行後にその寄稿者がアイテムを編集できない現象が発生いたします。
上記現象につきましては、寄稿した "作成者" の権限を "編集者" や "所有者" の権限にご変更し、アイテムを編集できるようにする必要がございます。

PR_CREATOR_SID の確認方法
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PR_CREATOR_SID は MFCMAPI を使用することで確認することができます。
このツールはマイクロソフトのサポートとしても多くご案内し、情報の確認のためにご利用いただいているツールになります。

1) MFCMAPI をダウンロードする

MFCMAPI は以下のページよりダウンロードできます。
Outlook の動作するマシンにダウンロードしてファイルを解凍します。

Title: MFCMAPI
URL: https://github.com/stephenegriffin/mfcmapi/releases
※ "MFCMAPI ~ bit executable - ~" をクリックしてダウンロード

2) PR_CREATOR_SID を確認する

2-1. Outlook にてフォルダ タイプを確認するアカウントのキャッシュ モードをオフに設定します。
キャッシュ モードのオフについては以下のウェブ ページをご参考ください。

Title: Exchange キャッシュ モードのオンとオフを切り替える
URL (Outlook 2007): https://office.microsoft.com/ja-jp/outlook-help/HP001232935.aspx
URL (Outlook 2010): https://office.microsoft.com/ja-jp/outlook-help/HP010355560.aspx

2-2. MFCMAPI.exe を起動します。
2-3. メニューバーより [Session] - [Logon] をクリックします。
2-4. 手順 2-1 で設定したキャッシュ モードをオフにしたアカウントのプロファイルを選択し [OK] をクリックします。
2-5. [Display Name] が [パブリック フォルダー] の項目をダブルクリックします (図 1) 。


図 1 パブリック フォルダーの選択

2-6. [Root Container] - [IPM_SUBTREE] の順に展開し、[<パブリック フォルダ>] を右クリックし、"Open contents tables" をクリックします (図 2) 。
ここでは [Root Container] - [IPM_SUBTREE] - [PF] - [PF02] を選択しています。


図 2 対象パブリック フォルダーの選択

2-7. Subject などから編集が行えないアイテムを特定します。
2-8. アイテムを選択し、画面下に表示される Property name(s) から PR_CREATOR_SID を確認いたします (図 3) 。


図 3 PR_CREATOR_SID の確認

2015 年 7  月 2 日追記
本問題については、Exchange 2013 CU8、またはそれ以降のバージョンで修正されております。しかしながら、これはデータ移行時に、修正されたバージョンを利用していることが条件であり、既に移行が完了したメールボックス (パブリック フォルダ メールボックス含む) については修正されません。そのため、旧バージョンの Exchange サーバーから Exchange 2013 へ移行する場合には、CU8 以上のバージョンをご利用ください。

2015 年 11  月 10 日追記
Exchange 2013 CU8 での修正について、メールが有効なパブリック フォルダーに関しては対象外でございます。Exchange 2007 環境でも、作成者の権限が付与されているメールが有効なパブリック フォルダー宛てのメール アイテムは、寄稿者から削除できない制限がございます。