App-V がクラウドで動き出すと、アプリケーションの展開はこうなるだろう
Office 2010 は、ほんとに良いです。
とにかく、私が一番使っている Outlook 2010 と PowerPoint 2010 も、たまらなく良いです。。。
という私の感想はとりあえず置いといて、今日は Office のインストールに新しい動きがあるというお話しを。
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まずは、こちらの URL (Office Home & Business 2010 ベータ版) へアクセスしてみてください。
https://us1.office2010beta.microsoft.com/product.aspx?sku=10199933&culture=ja-JP
すると、右上の枠の中に以下のような文章が書かれています。
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Office Home & Business 2010 ベータ版は、高速インターネット接続で快適にご利用いただけるストリーミング技術「Click-to-Run」で提供しております。
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この 「Click-to-Run」ですが、クイック実行とも呼ばれている新しい仕組みで、Office 2010 の展開を App-V ベースのテクノロジーで行うというものです。
なんのことかわかりますか?
~~~ Click-to-Run から一旦離れて、簡単に App-V を解説しましょう~~~
App-V とは、マイクロソフトが提供するアプリケーションの仮想化技術です。
クライアント OS には App-V クライアントをインストールしておくだけ。
あとは、インストールという作業をせずに、App-V クライアントモジュール上で仮想アプリケーションが動かせます。
超簡単アーキテクチャーで見ると、OS と アプリケーションの間に抽象化レイヤ-を入れることで、アプリケーションの管理そのものを柔軟にしようというものです。図で説明するとこんな感じ。
OS と アプリケーションが直接結びつかないようにしているわけですね。
この App-V、インストールという作業を介さないだけじゃなく、仮想アプリケーションをネットワーク経由で自動配信出来るようになっています。
ストリーミング配信という言葉が App-V ではよく聞かれるのもこのためです。
「Office 2010 を営業部グループに割り当て」と管理者が設定すると、Active Directory の営業部グループに所属するユーザーが Office 2010 を利用しようとしたタイミングで自動配信されるわけです。
非常に便利で、デモ受けがすごくよいテクノロジーの1つでもあり、既に提供されているものなので、もし興味があれば勉強してみてください。
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さて、今日の本題はそこではありません。
Office Home & Business 2010 ベータ版では、簡単に利用してもらうために、この App-V 技術がベースとして使われている事をお知らせしたかったのです。
実際に、上記サイトから Live ID を使って処理を続けていくと、Office がインストールされるのではなくストリーミング配信されることがお分かりになります。
App-V ご存知の方なら「あれっ、App-V クライアントに相当するモジュールは?」と気づくことでしょう。
そのモジュールは自動でインストールされるようになっていて、OS にインストールされたアプリケーションのリストを見るとこんな感じになります。
真ん中の Communicator は関係ないですが、一番上の Microsoft Office Click-to-Run 2010 (Beta)というのがどうやらクライアントモジュールのようでした。
さて、展開方法を変えることで何が変わるか?
- すぐに使うことができます(平均5分未満)
- インストールという作業もなく、ダウンロードされたモジュールから利用できるので、ダウンロード完了前でも動作し始めます
- セキュリティパッチや修正パッチなどを個別にインストールする必要がなく、常に最新の状態に自動アップデートされます
- サーバー側のモジュールを新しくするとクライアントはそれを認識して自動的に差分をダウンロードしてくれます
- 差分で済むというのが面白いですね。もちろん、各クライアントでパッチ適用などの必要はありません
- 既存環境への影響が少なく、他のバージョンと共存ができます
- 仮想化されたアプリケーションは独自空間で動作するので、1つのPC上で同じアプリケーションの複数バージョンを動かすことが可能です
- (基本的に) 仮想アプリケーションがローカルにインストールされたアプリケーションを邪魔することがありません
どうでしょう?
現時点では、OS への依存度から完全に脱却できるものではありませんが、注目に値するテクノロジーであると思っています。
そして、「App-V のテクノロジーがクラウド上で動き出すとこうなる」というイメージを描いてもらえたのではないかと思います。
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ちなみに、ストリーミング配信に適さないネットワーク(高速接続を使用していない場合)は、上記の仕組みではなく、Office Professional 2010 ベータ版をダウンロードし、インストールをして利用することをお勧めしています。
マイクロソフト 高添
Comments
Anonymous
March 24, 2010
高添殿 うーん、職場でApp-VもふくめてOffice2010を体験しようとインストールしてみたら・・・ Your comupter is not properly configured to access the Internet. Try running Setup again.If the problemcontinues,contact your system administrator or Microsot Product Support. 社内にはインターネット向けにプロキシーがあったり、セキュリティソフトがあったりと思い当たる節がてんこ盛りなのでがっかりでしたが、「どっかにインストール時のログ」とかあれば眺めるんですけど。どこだろう。 ローカルアドミニストレーターとかでも試してみたんですがだめでした。 もうちょっと調べてみます。Anonymous
March 24, 2010
高添殿 なんとなくですが、ログをみつけてみました。 VirtualizationBootstrapper(xxxxxx).log というログに・・・ 03/25/2010 10:11:36:682::[4960] Error: CVHSVC failed to download the descriptor. Type: 159::LocalSystemInternetConnectionFailureEndOfOExceptions. 03/25/2010 10:11:36:682::[4960] 03/25/2010 10:11:36:682::[4960] Error: Service internet access pre-req check failed Type: 159::LocalSystemInternetConnectionFailureEndOfOExceptions. なるものがあるので、プロキシー環境ではようとらないファイルがあるような気配です。 そのログよりまえに、~.sftやらdescriptor.xmlとかをとりにいっているようです。直接インターネットエクスプローラーに切り貼りしてみたら表示したりダウンロードしたりできます。 推測ですが、その2個のファイルをとるのにインターネットエクスプローラーのプロキシー設定をうまくとれていないのかも知れません。Anonymous
March 25, 2010
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