Exchange 2013 累積更新プログラム 6 のパブリック フォルダーに関する更新点: 規模拡大と機能の充実化
(この記事は 2014 年 8 月 27 日に The Exchange Team Blog に投稿された記事 Public Folder Updates in Exchange 2013 CU6: Improving Scale and More の翻訳です。最新情報については、翻訳元の記事をご参照ください。)
注意: この記事の公開時点では、参照先のドキュメントの一部が利用できない可能性がありますのでご了承ください。
先日、Exchange Server 2013 の累積更新プログラム 6 (CU6) がリリースされました。このバージョンでは、最新のパブリック フォルダーに関して数点の重要な更新が行われています。この記事では、CU6 による更新内容とパブリック フォルダーに対する進行中の取り組みについてご紹介します。
パブリック フォルダーの上限が 10 倍に
CU6 では、Exchange Server 2013 のパブリック フォルダーの規模を拡大するための最初の取り組みとして、フォルダー数の上限を 100,000 に引き上げました。これは、以前 Exchange Server 2013 のパブリック フォルダーの制限で規定された上限の 10 倍となります。上限を引き上げたことにより、Exchange Server 2013 でより大規模なオンプレミスのパブリック フォルダー階層を移行、展開できるようになりました。この新しい上限は、CU6 を展開するとすぐに適用されます。
フォルダーの規模を拡大したほかに、CU6 ではパブリック フォルダーへの同時アクセスに対する機能強化も行われ、階層の同期の際やコンテンツ メールボックスへのアクセス時にストア内でのロック競合が発生しにくくなりました。
Exchange のパブリック フォルダーの数が増えるほど、作成したフォルダーの数を把握する必要が出てくる場合があります。Exchange PowerShell を使用すると、Exchange Server 2013 に含まれる現在のパブリック フォルダーの数を簡単に確認することができます。Get-PublicFolder および Measure-Object コマンドレットを使用すれば、Exchange 2013 で作成したパブリック フォルダー数がすぐに取得されます。
Get-PublicFolder –Recurse –ResultSize Unlimited | Measure-Object
Count : 40051
Average :
Sum :
Maximum :
Minimum :
Property :
メールが有効なパブリック フォルダーへのアクセス許可の変更
今回、Exchange Server 2013 のパブリック フォルダーを以前から使用しているお客様にとって重要な変更が加えられました。CU6 以前は、メールが有効なパブリック フォルダーに対して、承認されていない送信者であってもメッセージを送信することができました。つまり、アクセス許可があるかどうかにかかわらず、外部ユーザーがメールを送信できたということです。CU6 では、メールが有効なパブリック フォルダーに対して外部ユーザーがメールを送信するには、このパブリック フォルダーに対するアイテムの作成権限を管理者から付与されることが必要になります。設定を更新する手順については、CU6 リリース ノートのパブリック フォルダーに関するセクションを参照してください。
移行後のパブリック フォルダー メールボックスの準備状況の自動管理
CU6 のパブリック フォルダーに関するもう 1 つの変更点は、移行後の管理エクスペリエンスです。Exchange Server 2013 では、すべてのパブリック フォルダー メールボックスに既定で階層構造が保持されていますが、今回、移行後に階層がメールボックスと完全に同期されたことを確認するための新しいロジックを導入しました。完全に同期されている場合は、メールボックスでパブリック フォルダーの階層接続が自動的に利用可能になり、同期されていない場合は、完全な同期が完了するまで待機します。これにより、移行の完了後に手動でメールボックスの準備状況を管理していた管理者の手間が軽減されます。階層構造の保持のオン (既定) とオフは、管理者がいつでも切り替えることができます。階層の同期を制御する特定の属性については、「パブリック フォルダー」を参照してください。
パブリック フォルダーの展開ガイド
CU6 でのパブリック フォルダーの規模拡大により、最新のパブリック フォルダーへの移行を開始するにあたって、より高度な設定を行うことが可能になりました。このため、私たちはこうした大規模な移行を行うお客様のニーズに対応するために、大規模なパブリック フォルダー階層の移行を支援する展開ガイドを作成しました。この展開ガイドは数週間以内に公開される予定です。展開ガイドが公開されたら、この記事にリンクを追加します。
今後の展望
今回の更新はパブリック フォルダーの規模を拡大する取り組みの第 1 弾です。私たちがこのような取り組みを以前から進めていたことは、こちらの Exchange チームのブログ記事でもご紹介したとおりです。今後の更新では、さらに規模を拡大することを予定しています。規模の拡大は、依然としてパブリック フォルダーの更新における最優先課題です。さらなる規模の拡大が実現された後には、予定表および連絡先での OWA サポートやパブリック フォルダーのレポート ツールといった更新を行う予定です。
Brian Shiers
テクニカル プロダクト マネージャー
よく寄せられる質問
Q: 1 つのパブリック フォルダー内に作成できるサブフォルダーの数に制限はありますか。 A: サブフォルダー数の上限は 1,000 とすることをお勧めします。これは検証済みの水準であり、Exchange Online で使用されている制限と同じものです。
Q: フォルダーの階層数に制限はありますか。 A: フォルダーの階層数の上限は 300 とすることをお勧めします。これは検証済みの水準であり、Exchange Online で使用されている制限と同じものです。
Q: フォルダー数の増加に伴い、パブリック フォルダー メールボックスの数やパブリック フォルダーのクォータに変更は生じますか。 A: パブリック フォルダー メールボックスの数およびパブリック フォルダーのクォータの合計に変更はありません。これらを含むさまざまな制限については、「パブリック フォルダーの制限」を参照してください。