【コラム】改めて、QCDS
Content style: text only,
Content type: column
QCD や QCDS という言葉を聞いたこともあるでしょう。私のセッションでも結構な頻度でこの言葉はでてきているので、私のセッションを聞いていただいた方には「Yes!」とお答えいただきたい言葉ではあります(^^)
この言葉・・・というか略語は、いくつかの単語の頭文字をとっているわけです。略語は、Microsoft だけではなく、IBM などいろいろなところで多様されますし、同じ略語でも意味が全くことなるものもありますので、文脈や話題に応じて読み手/聞き手が判断しないといけないので、厄介ですね。私はあまり略語を使わないように気をつけています。
とはいえ、略語は、端的に表現したり、相互認識したり、そして時間短縮したりする上では有効です。モデリングの話でもよくお伝えしていますが、まず複雑なものを簡素化してわかり易くしたいわけです。なので、つらつらと単語や文章を並べるよりも数文字で表現できればそれは非常に「効果あり!」ではあるわけです(意味を取り違えていなければという大前提がありますが)。
話がそれましたが、QCD または、QCDS ですが、ここでの意味を一応書いておきましょう。
- Q: Quality(品質)
- C: Cost(コスト)
- D: Delivery(納期)
- S: Scope(範囲)
さて、この S ですが、状況によっっては、S = Service だったり、 S = Spped だったり、いろいろです。ですが、個人的にも、そしてシステム開発という意味でもしっくりとくるのは S = Scpoe だと思っていますし、私はこの意味でしか QCDS を使いません。少なくとも、長沢が QCDS といったら・・・この意味になります。
QCD を Q = 高品質または、品質の維持、 C = 低コストまたは、コスト削減、 D = 納期短縮または、TTM (Time to Market)ととらえると、ある意味相反する要求への対応を迫られているということが見えてきます。コストをかけずに、短い期間でより良いものを・・・ということは、理想ではありますが、なかなかどうして成し得るのは難しいのはだれもがわかります。
今まで通りのやり方で、これらを成し遂げようとするならば・・・何かを犠牲にするしかないのかもしれません。何かとは、QCD のどれか・・・では本末転倒となります。そうなると、人間系の何か・・・となってしまうことが多いように感じます(これ以上の具体的な提示は避けます)。
人間系のある意味での犠牲を伴うことは決して良いことではありません。そもそも、人間を幸福にするための IT技術で人間系の犠牲を伴うことはこれも本末転倒だろう・・・そう私は思うわけですし、それが私が今のような仕事をしている根幹のひとつであるので。
そうするとどうするべきかというと他の業界でのパラダイムと同様に、QCD をうまく回すための発想の転換であったり、やり方の転換であったりが必要になります。今のやり方ではない何か、今のやり方をより加速するための何かが必要ということですね。
それらを行うためには、こういったことを考える頭、これらに時間を割き、無理なく浸透させていく、定着させていく過程が大切になってきます。そこで、キーになるのが、PPT (Poeple, Process, Technology)なわけです。
さて、S については、あまり触れていませんが、QCD に S を加えることで、少し肩に荷が軽くなります。スコープ(システム化の範囲、実現する機能)ととらえると、QCD のバランスを取ることができるようになってきます。
今回の品質をこの期間内にこの人員で行うためには今回はこの範囲で・・・みたいな感じです。
さて、まとめです。今回言いたかったことは、
- 略語はうまく使いましょう
- S の意味はいろいろ
- バランスが大切
といったところでしょうか。
長沢智治