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【コラム】Change Request Management

さて、皆さんは、この言葉を普段の開発業務で使っていますか?おそらく使っていないことでしょう。では、この英語を日本語にするとどのようになるでしょうか?各種の文献、書籍での訳語は概ね、

  • 変更依頼
  • 変更要求

となっています。まずは、用語から見てみると、「変更」というのはどちらも一緒ですね。後ろにくっついている Request の訳がいくつかあるということがわかります。「依頼」か「要求」かですね。

Request を英和辞典(今回使ったのは、新英和中辞典 (研究社))で引いてみると、

頼み、願い、懇願、要請、依頼文

などとありました。

逆に、依頼 で和英辞書を引くと、

a request, a commission

などがあります。

では、要求 で和英辞書を引くと、

a demand, a request, a requirement, a laim, a need

などがあります。

うーん、実は辞書引いたら、Request はこっちの訳だよね~と言いたかったのですが・・・
# そうでないってのはもちろん昔から知っています。わざとです(^^)

ここでもうひとつ、ポイントとなる用語が、「要求」です。で、要求 で和英辞書を引いた結果を改めてみると、

Requirement

とあります。で、この業界では、Requirement Management ってのがあります。これは、文献や書籍での訳では概ね、

  • 要求管理
  • 要件管理

となっています。さぁ、ここで重要なポイントは、Request と Requirement は英語では明確に用語の意味が異なるということです。代大体おおざっぱに違いを現すとこんな感じです:

  • Request:
    まだ実施が確定していない事項、実施のための判断を要する事項
  • Requirement:
    実施が確定している事項、契約事項

さて、訳語に戻りましょう。以上のことから、Request、Requirement ともに、訳では 要求 とされることがあります。要求(Requirement)、変更要求(Change Request)ということですね。頭に 変更 という文字がついているのといないので明確に区別がつけば無問題です。ただ、区別がつかず、混同してしまうと厄介です。Requirement や Change Request を出した人、実施する人で意思疎通にギャップができてしまう恐れがあるからです。チームメンバー内でも、人それぞれ異なる意味で理解していては危険です。

ここで言いたいことは、訳の仕方はどっちが合っている/間違っているということではなく、利害関係者で一致していることが重要であるということです。

さて、話を冒頭まで戻しましょう!Change Request って言葉は、きっとそのまま使っていないでしょうと書きました。じゃ、なにさっって話になりますが、これは具体的には、

  • バグ(の修正 Request)
  • 仕様変更(の Request)
  • 機能拡張(の Request)
  • ・・・

となります。だんだんイメージしやすくなってきたのではないでしょうか?要するに、既存の 何か を変更する きっかけ なわけです。

では、Change Request Management とは何かというと、具体的には、

  • バグ トラッキング
  • ディフェクト トラッキング
  • 仕様変更管理

などを指していることになります。これらは、ワークフロー(何か の登録から完了までの一連の流れとそれにかかわる関係者)と項目などの書式は、異なりますが、システム的には、同じものを使えることがわかります。また、ソフトウェア開発では、変更作業 だけであなく、実装作業や、ビルド作業、ソース管理への新規追加作業などのさまざまな作業の項目(タスク)があります。せっかく、何か を管理し、追跡可能にするなら、タスクも対象に入れると、ソフトウェア開発の作業をすべてトラッキングできるようになりますね。それを、

  • 作業項目管理
  • アクティビティ管理

などといいます。

さて、文献や書籍では、この辺の用語(の訳)がどちらを採用しているのかを理解していないと、読んでいて「?」になることがあります。訳文であれば、原文で Requirement、Request のどちらなのかを確認することをお勧めします。

さて、最後に宣伝(?)を。 Team Foundation Server では、Change Request や Task を 作業項目(Work Item)として一元管理できるようになっています。裏では、SQL Server が採用されていますので、追跡管理もばっちりですし、Reporting Services がありますので、持っている情報から様々な形式でレポートも出力できます。

※ 訳語や内容は長沢の過去の経験、現在の理解を元にしています。必ずしもマイクロソフトが使用している用語、用語の意味と一致しているとは限らないことをご了承ください。投稿に対するご質問は、 こちらでいつでもお受けしています。

ながさわ

Comments

  • Anonymous
    December 11, 2007
    PingBack from http://blogs.msdn.com/tomohn/pages/MSDNOFF2007.aspx

  • Anonymous
    March 10, 2008
    今、 バグ管理の連載を Think IT さんで展開中 ですが、関連する用語を。 DCT - Defect and Change Tracking ご存知でしょうか?バグ管理のことを Bug Tracking