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【顧客事例】最小限のダウンタイムで Linux サーバーを Microsoft Azure に移行

(この記事は 2016 年6 月 13 日にMicrosoft Customer Stories に掲載された記事 Migrating Linux Servers to Microsoft Azure with Minimum Downtime の翻訳です。最新情報についてはリンク元のページをご参照ください。)

今日では、データセンターを拡張し、自社サーバーを Microsoft Azure クラウドに移行することに関心を寄せる企業が増加しています。Microsoft Azure 環境は従来のデータセンターと比較して、管理性、弾力性、スケーラビリティのどれもが大幅に向上しています。しかし、通常の移行手法では、長時間のサービス中断を避けられません。これは、24 時間年中無休のビジネスの世界におけるミッションクリティカルなアプリケーションでは許されないことです。

「ミッションクリティカルな Linux ワークロードからの移行は大きな困難を伴う場合があります。SLA、帯域幅の低下、データの整合性に関する懸念事項、テスト オプションの不足などを考えると、どんな IT 責任者でも二の足を踏んで当然です。Vision Solutions が提供する Double-Take Move は、こうした課題に真正面から取り組む企業のお客様を支援します。最小限のダウンタイムで Linux サーバーを Microsoft Azure に移行できる使いやすいツールです」

Sven Wolf 氏

Windows & Linux 担当テクニカル スペシャリスト兼ソリューション アーキテクト

 

今日では、データセンターを拡張し、自社サーバーを Microsoft Azure クラウドに移行することに関心を寄せる企業が増加しています。Microsoft Azure 環境は従来のデータセンターと比較して、管理性、弾力性、スケーラビリティのどれもが大幅に向上しています。しかし、通常の移行手法では、長時間のサービス中断を避けられません。これは、24 時間年中無休のビジネスの世界におけるミッションクリティカルなアプリケーションでは許されないことです。そのため、移行プロジェクトは後回しにされる傾向にあり、企業は長期にわたって高価でたいていは柔軟性に欠けるインフラストラクチャを必要以上に維持することを余儀なくされています。

ソリューション

利用可能なソリューションの内容

Vision Solutions の Double-Take Move では、関連するハードウェア、アプリケーション、距離を問わず、最低限のダウンタイムでサーバーを Microsoft Azure に移行することができます。移行元のサーバーは、他のクラウド プロバイダーのマシンでもかまいません。ただし、サーバーと Double-Take Move 間のネットワーク接続が必要となり。このソリューションは、SUSE Linux Enterprise Server、Red Hat Enterprise Linux、CentOS、Ubuntu をサポートしています。

現行のインフラストラクチャとテクノロジの詳細

移行元は運用環境サーバーであり、移行先は Microsoft Azure 上のサーバーです。サーバー間にはネットワーク接続が必要です。

必要な製品とテクノロジ

Double-Take Move for Windows、Microsoft Azure

移行の課題を解決するための詳細な手順

  1. Azure 上に移行先マシンを作成します。
  • 移行先マシンは、移行元サーバーと同じオペレーティング システムを実行している必要があります (たとえば、移行元が Red Hat Enterprise 6.6 なら、移行先も Red Hat Enterprise 6.6)。
  • パッチ レベルは同一である必要はありません。移行プロセス中に、移行元サーバーのすべてのパッチがコピーされます。
  • 移行先システムは、移行元のディスク レイアウトと同じように構成する必要があります。たとえば、移行元サーバーのボリュームの下に /users、/data、/archive がある場合、移行先サーバーにもこれらのディレクトリを構成する必要があります。ボリュームのサイズは異なってもかまいませんが、移行先のサイズは移行元側で使用されているデータ量以上にする必要があります。レプリケーション前に、特定のディレクトリまたはパーティションを除外することができます。この方法には LVM を使用しないでください。
  • 移行先システムに Double-Take Move ソフトウェアをインストールします。

2. 移行元サーバーと移行先サーバー間のネットワークを構成します。

  • 任意の TCP/IP 接続を使用できます。
  • レプリケーション トラフィック用のファイアウォールが開かれていることを確認します (ポートは 1500、1505、1506、6325、6326)。
  • Double-Take Move は NAT をサポートしています。つまり、移行元サーバーと移行先サーバーにはパブリック IP アドレスを使用できます。
  • Microsoft Azure では、サイト間 VPN とポイント対サイト VPN がサポートされており、移行先マシンの仮想ネットワークの構成に使用できます。
  • Open VPN などの任意のサードパーティの VPN テクノロジを使用して、接続を確立してもかまいません。

3. 管理者マシン (Windows デスクトップまたは Windows Server、XP 以降) に Double-Take Console をインストールします。

4. 移行元サーバーに Double-Take Move をインストールします。 インストール プロセス中にソフトウェアを再起動する必要はありませんが、移行元サーバーと移行先サーバーで SELinux を無効にする必要があります。SELinux を無効にする場合は、サーバーを再起動する必要があります。

5. 移行元サーバーの仮想コンソールまたは SSH を使用して、リモート メンテナンスを有効にします。 これは、移行プロセスの完了後も Azure 上のサーバーにアクセスできるようにするために重要な手順です。

6. 移行元サーバーと移行先サーバー間の移行タスクを作成します。タスクの作成時には、多数のオプションを選択できます。Microsoft Azure への移行に関連するオプションは以下のとおりです。

  • 既定では、このソフトウェアは移行元サーバーの IP 構成をコピーします。Azure への移行はすべてのサブネットに影響するため、移行先側では IP 構成を保持する必要があります (「移行先のネットワーク構成を保持する」)。
  • 帯域幅によっては、圧縮を有効にすることをお勧めします。圧縮レベルは 3 段階から選択できます。圧縮率が高いほど、移行元側で多くの CPU リソースが必要になります。
  • VPN 接続を使用していない場合は、256 ビットの AES 暗号化を使用する必要があります。
  • レプリケーション トラフィックによって他のプロセスが中断しないように、特定の時間帯に転送速度を制限することができます。たとえば、平日の午前 8 時から午後 6 時の間は帯域幅の使用量を 2 メガビットに制限し、夜間や週末には最も高速なレプリケーションを行うようにすることができます。
  • 手動によるカットオーバーは既定で有効になっています。たいていのケースでは特定の時間 (たとえば、昼休み中または就業時間後) に移行を実施するようにスケジュール設定するため、この設定を変更する必要はありません。ただし、この設定が有効な場合、移行元サーバーは自動的にシャットダウンされ、初回のデータ同期の直後に移行先サーバーが起動されます。

7. タスクの構成が完了したら、初回ミラーリング プロセスが開始されます。 データ量と使用可能な帯域幅によっては、このプロセスに時間がかかる場合があります。ただし、この間もサーバーの可用性は確保されます。このプロセスが完了すれば、任意の時点でカットオーバーすることができます。ただし、カットオーバーがスケジューリングされている場合は、それまでデータは移行先システムにリアルタイムで転送されます。

8. 複数のタスクを同時に実行できます。 システムの相互依存性によっては、すべてのタスクが同期されるまで待ってから移行プロセス (カットオーバー) を開始することをお勧めします。

9. [Cutover] ボタンを押すと、カットオーバーが完全に自動で実行されます。 移行プロセスにより、移行元サーバーがシャットダウンされ、移行先サーバーが再起動されます。再起動後に、移行が完了となります。

 

ほぼダウンタイムなしの AWS から Azure への Linux の移行

動画: Amazon Web Services から Microsoft Azure への移行という、2 つのクラウド プラットフォーム間での完全な Linux サーバー移行に関するわかりやすいデモ (英語) をご覧ください。

 

Microsoft Datacenter vNext プレビュー: 自社データセンターでの Azure の利用 (Linux)

移行の課題を解決するために必要なリソース

同じ環境は 2 つとしてありません。そのため、移行プロジェクトの所要時間について、一概に回答することはできません。もちろん、データ量、帯域幅、移行元サーバーの使用率などの要素はすべて大きく影響します。カットオーバー中のダウンタイムを最小限に抑えるために、サーバーはデータ転送中、常にオンラインになります。高度な自動化機能 (スクリプト、プッシュ インストール、ライセンス認証、タスクの作成と検証) により、数百台ものサーバーがある場合でも 2 名の作業者できわめて短時間のうちに移行できます。

ソリューションを実装するために必要なライセンス

Double-Take Move のライセンス数は、移行するサーバーの台数に基づいて決まります。移行するサーバー 1 台につき 1 つの Double-Take Move ライセンスが必要になります。ライセンスは、同じ移行元サーバーに対して 60 日間何度でも使用できます (移行テスト、ライブ移行、異なる移行先への移行など)。この期間中は、24 時間年中無休のサポートをご利用いただけます (営業時間中はドイツ語にも対応)。

結果

サーバーまたはワークロードを Microsoft Azure に移行することで、Azure プラットフォームのスケーラビリティ、柔軟性、可用性、弾力性といったメリットを活用できます。


お客様

Vision Solutions

お客様の Web サイト

https://www.visionsolutions.com/

導入製品とサービス

Red Hat on Azure

業種

組立製造

組織規模

小 (従業員 1 ~ 49 人)

ドイツ