Windows Phone Developer Tools CTP版リリース
昨日のMIXのキーノート内で発表された通り、Windows Phone開発用ツールのCTP版がダウンロードできるようになりました。
Windows Phone開発者用ページ
http://developer.windowsphone.com/
Windows Phone開発者用ツールCTP版ダウンロードページ
http://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?FamilyID=2338b5d1-79d8-46af-b828-380b0f854203&displaylang=en
リリースノート
http://download.microsoft.com/download/D/9/2/D926FB38-BB43-4D87-AE5A-1A3391279FAC/ReleaseNotes.htm
このツール群の中にはXNA Game Studio 4.0 CTPを使うために必要な以下のものが含まれています。
- XNA Game Studio 4.0 CTP
- Visual Studio 2010 RC1とVisual Studio 2010 for Windows Phoneに対応
- Visual Studio 2010 Express for Windows Phone
- Windows Phone Emulator
- GPUアクセラレーションを使用するにはDirectX 10に対応しているビデオカードが必要(対応していない場合はソフトウェア描画となる)
XNA Game Studio 4.0として使う場合の注意点
今回公開されたのはReach、HiDefのプロファイルのうちのReachプロファイル部分のみとなっていることに注意してください。これに加えて以下のことに注意する必要があります。
- Reachプロファイルのみ対応
- Xbox 360版は未対応(Reach版のコードは書くことはできる)
- 自動スケーラー未対応
- Windows Phone上では常に480x800のポートレート画面を使う必要がある。ランドスケープ にする場合はランドスケープ用のRenderTargetにゲーム画面を描画してから、最後にSpriteBatchを使って回転して描画する必要があります。
- XNA Game Studio 3.0、3.1からのアップグレードウィザードは未完成
- 新規にプロジェクトを生成し、元のプロジェクトから必要なものを追加する必要がある
- ソリューション内で複数のプロジェクト(ゲームプロジェクトや、ゲームライブラリ等)から同じコンテントプロジェクトへの参照は不可(コンパイル時にエラーとなる)
- XNA Game Studio 4.0では最終的にサポートする全てのプラットフォームで同一のAPIが使えるようになりますが、CTP版ではいくつかの違いがあります。
- GamerServicesの実績やリーダーボードなどのAPIはWindows Phone版のみに存在する
- プラットフォームによってEventHandlerとEventHandler<EventArgs>の違いが存在する
XNA Game Studio 4.0 CTPを使ってみる
Microsoft Visual Studio 2010 Express for Windows Phoneを起動して、プロジェクトの新規作成をすると以下の画面が表示されます。おなじみのWindows Game, Xbox 360 Gameのテンプレートがあるのはもちろん、Windows Phone Gameテンプレートが追加されています。
以前はゲームプロジェクトのサブプロジェクトとして存在していたコンテントプロジェクトが独立したプロジェクトとなりました。これにより、複数のプラットフォーム間でのコンテントの共有がしやすくなりました。
下の画面はWindows Phone Emulator上で3Dモデルを読み込んで表示させたものです。Content.Load<Model>でモデルを読み込み、ModelMesh.Drawで描画するといった手法は今までどおり使えます。もちろん、MatrixやVector3といったMathライブラリはまったく同じ物を使うことができるので、この画面を表示するまでに数分しか掛かりませんでした。
アドバイス
- Reachプロファイルのみのサポートとなるので、シェーダーを沢山使っているプロジェクトをテストするには向いていません。
- Windows Phone EmulatorはOS自体もエミュレートしているので、起動に時間が掛かります。開発時間短縮の為にはWindows版でテストすることをお勧めします。
次からは、XNA Game Studio 4.0になって変更された部分についての詳細を紹介していきます。