SIGGRAPH 2009 メモ (Aug. 7)
今日は午前中、Rendering と Real Fast Rendering の Talk に参加しました。
Rendering
Practical Uses of Ray Tracer for “Cloudy With a Chance of Meatballs”
Sony Pictures Imageworks でレイトレースを使ったグローバル イルミネーション レンダラー arnold を開発し(arnold はオープンソースにするかもしれないとのことでした)、実際にフィルムに使ったという内容でした。レイトレーサーにしたことによって得られたメリットは...
- データが少なくなり管理が容易になった
- 合成するレイヤーが減らせた
- 光源を減らせ、多くを再利用できるようになった
Multi-Layer, Dual-Resolution Screen-Space Ambient Occlusion
NVIDIAの技術者が最新のデモで使ったマルチレイヤー、2解像度、スクリーン空間アンビエント遮蔽の話をしました。マルチレイヤーは品質のため、2解像度は性能のためとのことでした。
BACBVHs: Random-Accessible, Compressed Bounding-Volume Hierarchies
韓国のKorea Advances Institute of Science and Technologyの人が巨大な3Dデータを境界ボリューム階層を使い圧縮して、かつランダムアクセスを可能にすることで、データサイズを1/10に、レンダリング速度も2~4倍にしたという話でした。
Rendering Volumes With Microvoxels
REYESはマイクロポリゴンのレンダリング手法ですが、Side Effects Softwareではボクセル(あるいはメタボールやプロシージャルなボリューム)をREYESでレンダリングできるようにしたという話でした。
Real Fast Rendering
Volumetric Shadow Mapping
Thomsons と MPC の人が、シャドウマッピングを使って光条を生成するボリュームレンダリングを開発した話です。光条効果をGoboエフェクトと呼んでいました。
- 汎用的
- 堅固
- 統合が容易
- スケーラブル
- 複雑なシーンで使える
- 複数光源で使える
- シャドウ マップを作製
- 色と深度を組み合わせる
- レイマーチ
BVH for Efficient Raytracing of Dynamic Metaballs on GPU
動的なメタボールを効率的にレイトレースするための境界ボリューム階層。以下のような特徴があるとのことです。
- レンダリング可能な効果の種類に制限はない(レイトレーシング コア)
- レイ-サーフェイス交差に近似はない(切り分け手法)
- 効率的(CUDA実装)
Bucket Depth Peelong
半透明オブジェクトをリアルにレンダリングする手法の一つである深度ピーリングをGPUで効率的に行う話でした。
Normal Mapping With Low-Grequency Precomputed Visivility
Peter-Pike Sloan(PRTで有名な元MSの技術者で、CEDECで講演してもらったこともあります)ってディズニー インタラクティブ スタジオに転職したんですね! 登壇はしませんでしたが、この講演者の一人にリストされていました。
法線マッピングの話で、法線の評価を可視性と分離し、可視関数としてテクスチャに格納し、環境ライティングと分離するという話をしていました。
午後は、Computer Animation Festival でやっていた3D版の“Cloudy With a Chance of Meatballs”を見ました。いわゆる偏光メガネを使います、左右を反対にすると前後の関係が逆に見えます。今年のSIGGRAPHでは3Dビデオモニターも展示されていましたね。
これで今年のSIGGRAPHはおしまいです。来年(2010)はまたロスアンジェルスに戻り、再来年(2011)はなんとカナダのバンクーバーで開催されるらしいです。