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最新の Windows 10 のインストールのトラブルシューティング … 一般的な対処策

本記事の最新版をフォーラムにて紹介しております。
記事の改訂が含まれる場合がございますので、フォーラムの情報を参照してください。
フォーラムへのリンク


こんにちは、Windows プラットフォームサポート Deployment/Setup チームの宮崎です。

2020 年 1 月 14 日に Windows 7 は延長サポートの期間終了を迎え、OS のアップグレードが必要となります。また、Windows 10 では半年に一度、機能更新プログラム(メジャーバージョンの更新を伴うプログラム)が提供され定期的に更新を行う必要がございます。

このような更新は OS が一時的に更新作業のみを行い他のプロセスが動作しないフェイズがあるため、何等かのトラブルによって更新できない場合、残存するログからでは特定できない内部処理(何等かのサードパーティー製品によりアクセスがブロックされる等)で失敗しているケースや、他のトラブル調査などで用いるような採取ツールを用いた再現時の調査を行うことが難しいことから、事前の切り分けが非常に重要となります。

本記事では、このような更新作業において有効な解決方法をお伝えします。

インストール メディア (ISO イメージ) での事象再現の確認

 

インストール メディア (ISO イメージ) をお使いいただいてウィザードに従って更新を行うことで、ダウンロードに関連する問題かどうかを切り分けることができます。また、SCCM 等の管理スイートを用いずにスタンドアロンに検証することで、実際にウィザードの中で直面するエラー画面・エラーコードを参考に原因の分類が可能でございます。

ISO のイメージは以下の入手先がございます。

- "Windows 10 のダウンロード" の URL

  • MediaCreationTool を利用することで最新の OS のイメージを入手いただけます。
  • 入手できるバージョンは限られます。過去のバージョンは入手できません。
  • 本イメージには Enterprise のエディションは含まれておりません。

 

- Volume Licensing Service Center

  • ボリュームライセンス契約をお持ちのお客様のみご利用いただけます。イメージの入手手順はボリュームライセンス窓口までご確認ください。

 

- Visual Studio サブスクリプションの専用サイト

  • Visual Studio サブスクリプション (旧 MSDN サブスクリプション) 契約をお持ちのお客様のみご利用いただけます。
  • 検証目的の利用に限定されます。

 

DISM またはシステム更新準備ツール、SFC、CHKDSK の実行

 

利用しているシステム、ディスク上に何等かの不整合がある場合、修復系のツールを組み合わせて実施することで解決することがございます。いずれも修繕を目的としており、ご実施いただきやすい内容です。

  1. DISM またはシステム更新準備ツールを実行いただきます。Windows 7 の場合は KB947821 よりパッケージを入手し実行してください。Windows 7 以降の OS では管理者権限のコマンドプロンプトで "DISM.exe /Online /Cleanup-image /Restorehealth" コマンドを入力し、Enter キーを押します。実行結果を確認いただきます。
  2. 管理者権限のコマンドプロンプトで "sfc /scannow" コマンドを入力し、Enter キーを押します。実行結果を確認いただきます。
  3. 管理者権限のコマンドプロンプトで修復オプション (/f) を付与した "CHKDSK C: /F" コマンドを入力し、Enter キーを押します。次回再起動時にスケジュールするかどうかの設問が表示されましたら、Y (Yes) を入力します。手動でシステムの再起動を行うと、システム起動時に CHKDSK が実行されます。

 

技術情報

 

 

サードパーティー製品のバージョンの更新・無効化・アンインストール

 

お使いいただいているサードパーティー製品によって更新に失敗することがございますが、大きく 2 つの問題に分類されます。いずれも、切り分けとして有用な方法は、サードパーティー製品のバージョンの更新・無効化・アンインストールとなります。

フィルター ドライバーの動作によるエラー

 

更新作業は OS のシステム ファイルの幅広い変更を伴う処理の特性上、サードパーティー製品のフィルタードライバー (OS の処理に介入するモジュール) が意図しないブロック処理をしてしまいエラーに至ることがございます。このような状況を切り分けるためには通常、サードパーティー製品をアンインストールし、完全にモジュールを取り除いた上で切り分けていただくことが最も適切な対応となります。しかし、運用上、アンインストールでの切り分けが難しい環境においてはサードパーティー製品の関連サービスを無効化することで、事象が回避できる場合がございます。あくまでも緩和策となりますがご検討の一助としてください。

サードパーティー製品のアンインストール対応については、関連記事 Windows 製品の更新プログラム (KB) のインストールの失敗 … よくある質問 をあわせて参照ください。

バージョン互換性によるエラー

 

Windows 10 はお使いいただいてるサードパーティー製品のバージョンとの互換性を重要視しております。互換性の情報については Ready for Windows を通じて紹介しておりますが、実際の更新処理においても、ご利用環境のサードパーティー製品のバージョンが更新されていない場合 Windows 10 の仕組みとして更新処理を中断するように動作します。インストール メディアのウィザードで更新する際に互換性の問題が確認できますので、サードパーティー製品のバージョンの更新・無効化・アンインストールを実施いただくことで事象が改善されないかご確認ください。
互換性の対応状況については、サードパーティー製品の公開情報もあわせてご確認ください。

ハードウェア観点での対応

 

お使いいただいているデバイスに紐づくファームウェア (BIOS) や各種ドライバーのアップデートを行うことや追加されている外部デバイスの取り外しを行うことで、事象の改善に至ることがございます。具体的なアップデート方法や取り外し方法については、各種製品のお問合せ窓口までご確認ください。

- 補足

過去のお問合せ実績では BIOS 上の問題のためメモリの書き込みが制限され、運用環境はすべて同様のマシンの種類であるにもかかわらず一部のマシンのみ更新に失敗するケースをお寄せいただきました。問題の症状が発生した後では、オペレーティング システム上のログからでは技術的に原因の特定が困難であり、BIOS のアップデートの対応にて収束に至りました。このような特殊なシナリオが実際にございますため、弊社ではハードウェア関連のモジュールの更新対応をあわせて推奨いたしております。

Disk2VHD を用いた仮想環境での事象再現の確認

 

ハードウェアに依存した問題かどうかを切り分けるために、物理環境を P2V 化して仮想環境で動作確認をすることができます。
仮想環境で確認するための手順は Disk2vhd UEFI のブート手順 を参照いただくことで、ユーザー様自身でも実施可能です。
また、仮想環境に再現環境を構築することで、サードパーティー製品のアンインストールなどの
環境に大きな変更を伴う作業も本番環境に影響なく実施可能となります。

技術情報

 

ログ分析

 

最新の Windows 10 のインストールのトラブルシューティング … ログ分析の進め方を参照してください。

本記事が皆様の運用の一助となりましたら誠に幸いです。
本記事におきましては予告なく内容を変更させていただくことがあります。今後、情報のアップデートがあれば、本記事にて引き続き情報を提供いたします。

全般的な技術情報

 

Windows 10 のアップグレードとインストールに関するエラーのヘルプ
全般的な解決方法を紹介しています

Resolve Windows 10 upgrade errors : Technical information for IT Pros
ITPro 向けの Windows 10 のインストール トラブルを解決するエラーコードやログ ファイル等を紹介しています。
本記事は Quick fixes の情報を実際のお問合せ傾向に基づき、改めてご紹介としております。
なお、弊社にお問合せいただく際には、必要なログ採取などは事象にあわせて改めてご案内しております。

Windows Setup Command-Line Options
Setup.exe をコマンドラインで利用する際のオプションを紹介しています