System Center 2012 Operations Manager のインストールの前提条件
こんにちは、System Center Support の染谷です。
今回は、System Center 2012 Operations Manager (以下 OM 2012) のインストールに必要なソフトウェアの前提条件、および前提条件チェックに引っかかりやすい点についてご紹介します。
ソフトウェアの前提条件
OM 2012 の機能ごとに必要となる主要な前提条件は、以下のようになります。
管理サーバー |
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オペレーション コンソール |
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Web コンソール |
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オペレーション データベース データ ウェアハウス データベース レポーティング |
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その他の要件について詳しくは、以下の Web サイトもご参照ください。
Supported Configurations for System Center 2012 - Operations Manager (英語)
https://technet.microsoft.com/en-us/library/hh205990.aspx
前提条件ソフトウェアのインストール方法
インストールの前提条件に必要となるコンポーネントまたはソフトウェアのインストール手順を紹介します。
選択する機能によっては、これらの前提条件ソフトウェアが不要な場合もあります。
Web サーバー (IIS) のインストール
Web コンソールをインストールする場合、Web サーバー (IIS) のインストールが必要です。
まだ Web サーバー (IIS) をインストールしていない場合には、以下の手順でインストールしてください。
Web コンソールのインストールを実施しない場合には、Web サーバー (IIS) のインストールは不要です。
- サーバー マネージャーを起動します。
- [役割] ツリーに移動して [役割の追加] をクリックします。
- サーバーの役割 で [Web サーバー (IIS)] にチェックを入れて [次へ] ボタンをクリックします。
- 役割サービス で以下の項目にチェックを入れます。
- 静的なドキュメント
- 既定のドキュメント
- ドキュメントの参照
- HTTP エラー
- HTTP ログ
- 要求の監視
- Windows 認証
- 要求フィルター
- 静的なコンテンツの圧縮
- IIS 6 メタベース互換
- ASP.NET
ウィザードを完了します。
Report Viewer 2010 再頒布可能パッケージ
オペレーション コンソールのインストールには、Report Viewer 2010 のインストールが必要です。
まだインストールされていない場合には、以下の手順で Report Viewer 2010 をインストールします。
- 以下の Web サイトから Report Viewer 2010 再頒布可能パッケージのインストーラーをダウンロードします。
Microsoft Report Viewer 2010 Redistributable Package
https://www.microsoft.com/download/en/details.aspx?id=6442 - ダウンロードした ReportViewer.exe を実行して Report Viewer 2010 再頒布可能パッケージをインストールします。
.NET Framework 3.5 SP1
いずれか、またはすべての機能のインストールには、.NET Framework 3.5 SP1 が必要です。
Windows Server 2008 R2 SP1 には、.NET Framework 3.5 SP1 の機能が含まれています。
既定では使用可能な状態となっていないため、まだインストールしていない場合には以下の手順で .NET Framework 3.5 SP1 をインストールします。
- サーバー マネージャーを起動します。
- [機能] ツリーに移動して [機能の追加] をクリックします。
- 「.NET Framework 3.5.1 の機能」を展開して [.NET Framework 3.5.1] にチェックを入れます。
- ウィザードを完了します。
また、オペレーション コンソールは、Windows Server 2008 または Windows Vista にインストールすることもできます。
Windows Server 2008 または Windows Vista である場合には、以下の Web サイトから .NET Framework 3.5 SP1 と PowerShell v2.0 をダウンロードしてそれぞれインストールしてください。
Microsoft .NET Framework 3.5 Service pack 1 (Full Package) - 日本語
https://www.microsoft.com/downloads/ja-jp/details.aspx?FamilyID=D0E5DEA7-AC26-4AD7-B68C-FE5076BBA986
Windows Management Framework Core package (Windows PowerShell 2.0 and WinRM 2.0)
https://support.microsoft.com/kb/968930/en-us
.NET Framework 4.0
現行の OS には .NET Framework 4.0 が含まれていませんので、別途インストールを実施する必要があります。
- 以下の Web サイトから .NET Framework 4.0 のインストーラーをダウンロードします。
Microsoft .NET Framework 4 (Standalone Installer)
https://www.microsoft.com/download/en/details.aspx?displaylang=en&id=17718 - ダウンロードした dotNetFx40_Full_x86_x64.exe を実行して .NET Framework 4.0 をインストールします。
なお、日本語 OS をお使いの場合には、ローカライズされたテキストでエラー メッセージ等を表示させるために 日本語 Language Pack もインストールすることをお勧めします。
日本語 Language Pack は以下よりダウンロードできます。
Microsoft .NET Framework 4 Full 日本語 Language Pack (x86/x64)
https://www.microsoft.com/downloads/ja-jp/details.aspx?familyid=7a4c6414-7f64-47a5-ae20-218403137957
トラブルシューティング
インストールするコンポーネントとして Web コンソールを選択している場合、上記の要件を満たし、ソフトウェアの準備が整っていても、実際にインストールを開始すると以下のようにインストール中の前提条件のチェックでエラーになることがあります。
以下は、Windows Server 2008 R2 SP1 日本語版と SQL Server 2008 R2 日本語版の環境にOM 2012をインストールした場合に発生したエラーの例となります。
英語版でのメッセージとなりますが、概要はつかめると思いますのでぜひ参考としてご参照ください。
それぞれのエラーは、以下のような状況で起きます。
"The ISAPI and CGI Restrictions are disabled or missing." エラー
原因
対象のコンピューターに .NET Framework 4.0 はインストールされているものの、ASP.NET v4.0 の実行を許可していない場合に発生します。
または、.NET Framework 4.0 そのものがインストールされていない場合に発生します。
対処策
.NET Framework 4.0 がインストールされている場合には、Web サーバー (IIS) で ASP.NET v4.0 の実行を許可します。
インターネット インフォメーション サービス (IIS) マネージャーを起動します。
左ペインでコンピューターを選択し、中央ペインから [ISAPI および CGI の制限] をダブルクリックします。
ASP.NET v4.0 を右クリックして [許可] を選択します。
パスが異なる ASP.NET v4.0 についても右クリックして [許可] を選択し、すべての ASP.NET v4.0 を許可します。
上記の手順で ASP.NET v4.0 の項目がない場合には、ASP.NET v4.0 の情報が Web サーバー (IIS) に登録されていません。
この場合には、"ASP.NET 4.0 Registration Check" エラーの対処方法を実施して Web サーバー (IIS) に ASP.NET v4.0 の情報を登録してください。
"ASP.NET 4.0 Registration Check" エラー
原因
.NET Framework 4.0 のインストール後に Web サーバー (IIS) の役割を追加した場合に発生します。
ASP.NET v4.0 の情報は、.NET Framework 4.0 のインストール時に Web サーバー (IIS) が実行されている場合にのみ登録されます。
.NET Framework 4.0 のインストール後に Web サーバー (IIS) の役割を追加した場合には、ASP.NET v4.0 の登録は行われません。
対処策
.NET Framework 4.0 の IIS 登録ツール (aspnet_regiis.exe) を実行して ASP.NET v4.0 の情報を Web サーバー (IIS) に登録します。
- コマンド プロンプトを管理者として実行します。
- .NET Framework 4.0 がインストールされたフォルダに移動します。
cd “C:\Windows\Microsoft.NET\Framework64\v4.0.30319” - 以下のコマンドを実行します。
aspnet_regiis.exe -r - IIS の構成が変更されたことを確認します。
また、レポーティングをインストールする場合には、SQL Server Agent のスタートアップが「自動」に設定され、起動している必要があります。
SQL Server Agent が開始されていない場合には、SQL Server Reporting Services (SSRS) のインスタンスを選択しても、赤いバツが表示されて先へ進むことができません。
エラー メッセージ:
The SQL Server Agent service is not running for this instance. SQL Server Agent is required for Application Advisor reports publishing. Please start the SQL Server Agent service for this instance.
"The SQL Server Agent service is not running for this instance." エラー
原因
選択した SQL Server Reporting Services (SSRS) のインスタンスの SQL Server Agent が開始されていません。
対処策
選択した SQL Server Reporting Services (SSRS) のインスタンスの SQL Server Agent のスタートアップを「自動」に変更し、サービスを開始します。