SCCM 2007 の FAQ その2
こんにちは、System Center サポート部の石井です。前回の SCCM 2007 の FAQ その1 (https://blogs.technet.com/b/systemcenterjp/archive/2012/03/14/3486540.aspx) の続きとなります。
11. ワークグループ端末の管理は可能か?
12. SCCM エージェントの展開手段
13. プライマリサイトとセカンダリサイトの違い
14. フル権限を渡さなくても、管理コンソール上の一部の操作を特定のユーザーに割り当てることは可能か?
15. 多言語対応はしているか?
16. SCCM サーバーのそれぞれの役割(ロール)について
17. 冗長化はどうすればよいか?
18. DCM とConfiguration Packの関係 (Configuration Packとは何か?、どうやって入手すればよいか。)
19. 仮想化(仮想マシン)上での実行はサポートされるか?
20. AD スキーマの拡張は必要か?
21. 構築の参考となる手順書はあるか?
11. ワークグループ端末の管理は可能か?
可能です。Configuration Manager 2007 では、ワークグループ内のクライアントがサポートされます。しかし、エージェントのプッシュインストールが行えないなど、一部機能に制限があります。 詳しくは、https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/dd547071.aspx の「ワークグループ内のコンピュータ」項をご参照下さい。
12. SCCM エージェントの展開手段
SCCM エージェントを展開する場合、それぞれの端末に手動でインストールするか、プッシュインストールを行うかを選択することができます。プッシュインストールは、信頼関係を持たない別フォレストに存在する端末や、ワークグループの端末に対しては実施することができません。 尚、Active Directory やソフトウェアの更新ポイントを利用した SCCM エージェントの展開にも対応しています。 この他、SCCM エージェントを含んだ Windows OS イメージを他のコンピューターに展開することも可能です。 エージェントの展開方法は下記サイトを参照ください
Configuration Manager クライアントのインストール方法を決定する https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/bb694166.aspx
13. プライマリサイトとセカンダリサイトの違い
プライマリサイトではデータベースや管理コンソールが提供され、SCCMのフル機能を利用することが可能となります。 セカンダリサイトはプライマリのサブセットとして動作します。データベースや管理コンソールも提供されず、設定情報はプライマリの設定を引き継ぎます。 各サイトで独自の管理を行いたい場合や、インベントリ周期を異なる設定にするなどサイトの運用を分ける必要がある場合には、プライマリサイトが必要となりますが、サイト間のデータトラフィックをコントロールすることが目的であれば、セカンダリサイトを配置することで対応が可能です。 セカンダリサイトのクライアントにはプライマリサイトのサイトコードが割り当てられるため、プライマリの管理ポイントへの接続を行いますが、セカンダリサイトにプロキシ管理ポイントの役割を配置することで、セカンダリサイトクライアントは一旦プロキシ管理ポイントを介してデータの送受信を行うため、SCCM サイト間のデータ流量をコントロールすることが可能となります。
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14. フル権限を渡さなくても、管理コンソール上の一部の操作を特定のユーザーに割り当てることは可能か?
可能です。SCCM 2007 では、管理コンソール内の各機能/項目ごとに権限を付与することが出来ます。その為、管理コンソールを利用するアカウントによっては特定の項目のみ参照できたり、設定変更が可能であるように構成できます。
15. 多言語対応はしているか?
SCCM 2007 では多言語に対応しております。
日本語版 SCCM 2007 では日本語、英語のクライアントOSを管理可能ですが、それ以外の言語のOSを管理する場合は、英語版 SCCM 2007 サイトを構築することで、多言語のクライアントの管理が可能となります。各OSが持つ言語情報を適切にサーバー側で処理させるまたは表示させるには、各言語のサーバーOS上にその言語の管理コンソールをインストールして頂き参照する必要があります。 英語版 SCCMでサイトを構築した場合、クライアントモジュールは英語の表記となりますが、インターナショナルクライアントパック(ICP)を利用することで、クライアントのユーザーインターフェースも各言語にて表記することが可能となります。 インターナショナル版クライアントと多言語版 Configuration Manager クライアントのタスク https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/bb693524.aspx
16. SCCM サーバーのそれぞれの役割(ロール)について
管理ポイント - クライアントがサイトサーバーからの情報を取得する場合や、情報を送信する際に通信する役割です。この役割が正常に動作していない場合は、クライアントはサーバーから情報を受け取る事が出来ません。 配布ポイント - ソフトウェア配信時に利用するパッケージ情報を格納する役割です。 システム正常性検証ツールポイント - Windows Server 2008 および Windows Server 2008 R2 のネットワークポリシーサーバー上に構成する事で、SCCM 2007 の機能と連携してネットワークアクセス検疫を行う為の役割です。 サーバーロケーターポイント - SCCM用のActive Directory スキーマ拡張を行っていない環境において、クライアントのサイトへの割り当て、およびクライアントが管理ポイントの特定をするための役割です。 状態移行ポイント - USMT を利用して OS 展開の際にプロファイルを移行する為に利用される役割です。
PXE サービスポイント - Windows 展開サービス (WDS) と連携し、PXE ブートによりネットワークを介して OS 展開を行う為の役割です。 レポートポイント - SCCM で収集した情報を、Webレポートとして表示する役割です。
Reporting Services ポイント - SCCMで収集した情報を、SQLレポーティングサービスを統合し形式で表示させる為の役割です。 ソフトウェアの更新ポイント - WSUS を統合し、各クライアントの更新プログラムの管理をつかさどる役割です。 フォールバックステータスポイント - クライアントが管理ポイントとの通信に失敗した場合に、クライアントから状態メッセージを受信する役割です。 帯域外サービスポイント- Intel Vpro を利用した、帯域外管理を行う為の役割です。 資産インテリジェンス同期ポイント - System Center Online サービスと同期し、資産インテリジェンスで利用する最新のソフトウェアカタログ情報を入手することが可能となります。 サイトシステムの役割については、下記サイトを参照ください。
Configuration Manager サイトシステムの計画 https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/bb680471.aspx
17. 冗長化はどうすればよいか?
各コンポーネントによって異なります。 データベースで使用する SQL Server に関しては、クラスター環境をサポートしています。 配布ポイントに関しては複数作成することで冗長化が可能です。また、負荷分散とはなりますが、管理ポイントとソフトウェアの更新ポイントについては、NLB をサポートしています。 上記以外のサイトシステムに関しては冗長化構成が構成がサポートされておりませんのでご了承ください。
18. DCM とConfiguration Packの関係 (Configuration Packとは何か?、どうやって入手すればよいか。)
必要な構成管理 (Desired Configuration Management) 機能を利用することにより、IT システムの状態が"望ましい構成"かどうかを評価することができます。
たとえば、正しいバージョンの Microsoft Windows オペレーティング システムが適切にインストールおよび構成されているか、必要なすべてのアプリケーションが正しくインストールおよび構成されているか、オプションのアプリケーションが適切に構成されているか、禁止されているアプリケーションがインストールされていないかなど、あらかじめ指定した構成基準に社内システムが準拠しているかといったコンプライアンスを評価することができます。
Desired Configuration Management は、組織のルールを基に設定された基準やコンプライアンスを満たすよう自動的にシステムを管理する手段を IT 管理者に提供し、構成の逸脱に関連する問題を削減します。 コンプライアンスは、監視する構成アイテムおよび必要なコンプライアンスを定義するルールを含む構成基準を定義することによって評価されます。 この構成データは、マイクロソフト Web サイトから Configuration Manager Configuration Packs というフォーマットでダウンロードし、それを Configuration Manager へインポートするか、自分で定義し Configuration Pack を作成するか、外部で定義された Configuration Pack を Configuration Manager にインポートすることができます。
Microsoft Configuration Packs は、マイクロソフトの企業向けアプリケーションおよび Windows Server コンポーネント向けに提供され、構成についてのベスト プラクティス情報を提供します。 その他の広く使われているエンタープライズ アプリケーションの場合、サード パーティ ベンダーの Configuration Packs からでも入手できます。
Configuration Pack については以下のサイトから入手が可能です。
Microsoft System Center Management Pack Catalog
https://pinpoint.microsoft.com/en-US/systemcenter/managementpackcatalog
19. 仮想化(仮想マシン)上での実行はサポートされるか?
SCCM クライアント、およびサイトサーバーの役割の実行は、SCCM 2007 SP1 以降のバージョンでサポートされています。 仮想環境のサポートについては、以下URL を参照ください
Configuration Manager 2007 が全般的にサポートする構成 https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/dd547071.aspx
Microsoft サーバー ソフトウェアおよびサポート対象の仮想化環境 https://support.microsoft.com/kb/957006/
上記より抜粋
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System Center Configuration Manager 2007 Service Pack 1 (サーバーとエージェントの両方) 以降のバージョンがサポートされています。
Configuration Manager 2007 のサポートの詳細については、次のマイクロソフト Web サイトを参照してください。
https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/bb680717.aspx
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20. AD スキーマの拡張は必要か?
AD スキーマ拡張を行うことにより、様々な機能においてメリットがございます。機能別のメリットについては以下をご参考下さい。
Active Directory スキーマを拡張する必要があるかどうかを判断する
https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/bb694066.aspx
-> "Configuration Manager 用の Active Directory スキーマの拡張に関する機能の考慮事項" の一覧をご参考下さい。(※ 注釈: 当テーブルにおいては、"スキーマ拡張の要件" カラムにおいて、"必須かどうか" と和訳されておりますが、"必須" の意味です。)
AD スキーマ拡張を行っておけば、サーバー ロケータ ポイントは不要となります。(ただし、ワークグループ、もしくは他フォレストの管理を行わない場合に限ります。)
ご参考:
Configuration Manager クライアントにサーバー ロケータ ポイントが必要かどうかを判断する
https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/bb693467.aspx
また、実際に AD スキーマ拡張を行う方法については以下をご参考下さい。
Configuration Manager に対して Active Directory スキーマを拡張する方法
https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/bb633121.aspx
21. 構築の参考となる手順書はあるか?
SCCM 2007 R3 の構築手順書が最新のステップバイステップの資料となります。OS 展開の方法なども、詳細に紹介されておりますため、ご一読いただけますと幸いです。
System Center Configuration Manager 2007 R3 評価環境構築手順