SAP on Azure の更新まとめ – 2018 年 1 月
執筆者: Cameron - MSFT SAP Program Manager
このポストは、2018 年 1 月 4 日に投稿された SAP on Azure: General Update – January 2018 の翻訳です。
SAP とマイクロソフトは、Azure クラウド プラットフォーム向けの新機能を継続的にリリースしています。今回の記事では、最近数か月にわたってリリースされた更新、不具合の修正、機能強化、推奨されるベスト プラクティスなどをまとめてお伝えします。
1. NetWeaver で M、Dv3、Ev3 シリーズ VM を認定
SAP は、NetWeaver AnyDB ワークロード用に新たに 3 種類の VM を認定し、サポートを開始しました。AnyDB は、SQL Server、Oracle、DB2、Sybase、MaxDB で実行されている NetWeaver アプリケーションをさします。
現在、この VM シリーズの一部では Hana への認定も進められています。
Dv3 シリーズは、CPU あたり 4GB の RAM を搭載する、SAP アプリケーション サーバーや小規模な DBMS サーバーに適した VM です。
Ev3 シリーズは、CPU あたり 8GB の RAM (E2v3 ~ E32v3)、または 432GB の RAM (E64v3) を搭載する、大規模 DBMS 向けの VM です。
M シリーズは、最大 3.8TB の RAM と 128 の CPU を搭載可能で、非常に大規模な DBMS ワークロードに適した VM です。
多くの新機能が備わった 3 つの新しい VM シリーズにおいてネットワークパフォーマンスが大幅に向上しています。Dv3 および Ev3 の詳細については、こちらのブログ記事を参照してください。
Azure サービスのサイトでは、データセンターごとの VM シリーズのリリース状況を掲載しています。Ev3 および Dv3 は、ほぼすべての地域でご利用いただけます。
新しい VM の種類と SAPS 値
VM の種類 | CPU と RAM | SAPS |
D2s_v3 | CPU × 2、8 GB | 2,178 |
D4s_v3 | CPU × 4、16 GB | 4,355 |
D8s_v3 | CPU × 8、32 GB | 8,710 |
D16s_v3 | CPU × 16、64 GB | 17,420 |
D32s_v3 | CPU × 32、128 GB | 34,840 |
D64s_v3 | CPU × 64、256 GB | 69,680 |
E2s_v3 | CPU × 2、16 GB | 2,178 |
E4s_v3 | CPU × 4、32 GB | 4,355 |
E8s_v3 | CPU × 8、64 GB | 8,710 |
E16s_v3 | CPU × 16、128 GB | 17,420 |
E32s_v3 | CPU × 32、256 GB | 34,840 |
E64s_v3 | CPU × 64、432 GB | 70,050 |
M64s | CPU × 64、1,000 GB | 67,315 |
M64ms | CPU × 64、1,792 GB | 68,930 |
M128s | CPU × 128、2,000 GB | 134,630 |
SAP NetWeaver アプリケーションで認定された VM の公式リストは、「SAP Note 1928533 – SAP Applications on Azure: Supported Products and Azure VM types 」に記載されています。
SAP クラウドのベンチマーク結果のリストはこちら (英語)
E64v3 のベンチマーク結果はこちら (英語)
D64v3 のベンチマーク結果はこちら (英語)
M128 のベンチマーク結果はこちら (英語)
M128 BW Hana のベンチマーク結果はこちら (英語)
2. Azure 上でのSAP Business One (B1) on Hana & SQL Server が認定
SAP Business One は、一般的な中堅中小企業向け ERP ソリューションです。現在、多くの 顧客がSAP B1 を SQL Server 上で実行しています。このたび、Azure VM 上での SAP B1 on SQL Server が一般提供になりました。
Hana にも SAP B1 が移植されており、約40 名のユーザーで Azure DS14v2 が認定されました (英語)。
Azure で SAP B1 を運用するユーザは、新しいバージョンの SAP B1 のブラウザー アクセス機能により、コストを低く抑えられることがあります。ブラウザー アクセス機能により、Azure のターミナル サーバー VM への B1 クライアントのインストールが不要になるためです。
詳細については、以下の SAP Note を参照してください。
2442627 – Troubleshooting Browser Access in SAP Business One
2194215 – Limitations in SAP Business One Browser Access
SAP on Azure の認定に関しては、こちらのページを参照してください。
SAP on Azure のドキュメントは、こちらの概要ページから参照してください。
3. SAP on Azure における Managed Disks の推奨
一般的に、すべての新規導入において Managed Disks の使用が推奨されています。
Managed Disks では、可用性セット内の 各VM のストレージを複数のノードに自動的に分散し、複雑性を緩和しながら可用性を向上させることができます。これにより、1 つのストレージ ノードの故障が可用性セット内の 2 台以上の VM の停止につながってしまうことを避けることができるためです。
注:
1. SAP NetWeaver アプリケーション サーバーや DBMS サーバーでは、Standard レベルの Managed Disks はサポートされていません。Azure ホスト監視エージェントでは、Standard レベルの Managed Disks はサポートされていません。
2. 一般に、SAP アプリケーション サーバーのデプロイ時には、データ ディスクを追加しないことと、ブート ディスクに /usr/sap/<SID> をインストールすることが推奨されています。ブート ディスクは最大 1TB まで使用できますが、通常 SAP アプリケーション サーバーでは、それほどの容量や高い IOPS を必要としません。
3. 1 つの可用性セット内の VM に Managed Disks と Unmanaged Disks の両方のディスクを追加することはできません。
4. Blob のデータ ファイルを直接使用する SQL Server VM では、Managed Disks を使用することはできません。
5. 一般に、SAP アプリケーション サーバー用には Premium 管理ディスク を使用することが推奨されます。単一の VM で 99.9% の可用性を保証する SLA (注: 実際に達成される値は、99.9% よりも高い場合がほとんど) で返金保証を受けられるためです。
6. 「SAP Note 2367194 – Use of Azure Premium SSD Storage for SAP DBMS Instance 」に記載されている通り、一般に、SAP DBMS サーバーにも Premium レベルの Managed Disks の使用することが推奨されます。
Managed Disks の概要は、こちらのドキュメントを参照してください。
Managed Disks の詳細については、こちらのブログ記事 (英語) をご覧ください。
Azure Disks の料金とパフォーマンスに関しては、こちらのページを参照してください。
よく寄せられる質問は、こちらのページを参照してください。
4. Azure 用 Sybase ASE 16.3 PL2 の Always-On 機能
「SAP Note 1928533 – SAP Applications on Azure: Supported Products and Azure VM types」に記載されているとおり、Azure は Windows と Linux の両方で Sybase ASE 16 SP2 以降をサポートしています。
Sybase ASE には、「Always-On」と呼ばれる HA/DR ソリューションが含まれています。これは、SQL Server AlwaysOn の機能とは大きく異なります。このHAソリューションでは共有ディスクは必要ありません。
Sybase ASE のリリース スケジュールについては、こちらのページ (英語)
を参照してください。
Sybase HA ソリューションの概要ドキュメントは、こちらのページ (英語)
をご覧ください。
「SAP Note 2410733 – Always-On (HADR) support for 1-to-many replication – SAP ASE 16.0 SP02 PL05 」によると、SAP は複数のレプリカ データベースをサポートしています。
Sybase Always-On は Azure 内部ロード バランサーが不要で、Azure へのインストールもかなり簡単に行うことができます。通常構成では、内部ロード バランサーの構成は不要です。Sybase 16 SP3 PL2 では、SAP ユーザー向けの新機能をリリースしています。
Azure への Sybase のセットアップに関するご不明な点やドキュメントの矛盾点などがありましたら、BC-DB-SYB への OSS メッセージからお問い合わせください。
5. リソース グループ、タグ、ロール ベースのアクセス制御、請求、VNet、NSG、UDR、リソースのロック
Azure へのデプロイの前に、まず Azure 上の IaaS および PaaS リソースをサポートするための中核となる「基盤サービス」と構成を設計する必要があります。
設計や構成に関するすべての推奨事項は、とても 1 回で紹介しきれる量ではありませんが、今回は、SAP 環境での Azure デプロイを検討しているお客様向けに、概要とよく寄せられる質問をご紹介します。
1. リソース グループ では、各種 Azure オブジェクトの監視、アクセス制御、プロビジョニング、請求管理が可能です。SAP では、サンドボックス、開発、品質保証、運用などの環境ごとにリソース グループをデプロイすることがよくあります。これにより、環境ごとに簡単に請求を分けることができます。新たなビジネス プロセスのテスト用に運用環境のクローンが必要な場合、Azure の組み込み機能でクローンを作成し、「Project」という名前の新しいリソース グループにコピーすることができます。使用する部署ごとの月額料金が監視されており、使用した分だけが請求されます。
2. Azure タグを使用すると、特定の VM やその他の Azure オブジェクトの属性を詳細に表示することができます。VM に付与されるタグには、「ECC 6.0」や「NetWeaver Application Server」などがあります。これにより、細かい請求管理や、ロール ベースのアクセス制御でのセキュリティ管理が可能になります。また、タグに関するクエリを実行し、SAP の VM とそれ以外の VM を区別したり、アプリケーション サーバー用の VM と DBMS サーバー用の VM を特定したりできます。
3. ロール ベースのアクセス制御を使用すると、職務を分けたり、SAP Basis チームなどのチームごとの管理者権限を制限したり、きめ細かいセキュリティ モデルを作成したりできます。通常、Basis チームには Azure IaaS に関するさまざまな権限が委任されます。これは、VM をはじめ多くの Azure リソースの作成や変更を行う必要があるためです。ただし、Basis チームは、VNet やネットワーク レベルのリソースの作成や変更は許可されません。
4. 請求機能を使用すると、オンプレミス ソリューションよりもコストの透明性が高くなります。Azure のリソース グループとタグにより、SAP システムや環境に対応した Azure 月額料金の各項目が明確化されます。このため、追加のプロジェクト システムや部署から個別に要求されたシステムのチャージバックを行うことができます。
5. Azure Vnet、NSG、UDR の設計は、通常、SAP Basis チームではなくネットワークのエキスパートが担当します。設計時には、以下のような点を考慮する必要があります。
a. SAP アプリケーション サーバーと DBMS サーバーの間の通信では、仮想アプライアンスを使用したルーティングや検査は避ける必要があります。これは、SAP がアプリケーション サーバーと DBMS サーバーの間のレイテンシの影響を受けやすいためです。ハブ & スポーク型のネットワーク トポロジなどを使用することで、SAP のトラフィックを検査せずにクライアントのトラフィックの保護と検査を行うこともできます。
b. DBMS サーバーとアプリケーション サーバーが同一 VNet の異なるサブセットに設置されることは珍しくありませんが、この場合、それぞれのサーバーに異なる NSG が適用されます。
c. UDR では、不要なトラフィックがオンプレミスのプロキシ サーバーに戻るようなルーティングは避ける必要があります。よくある構成ミスでは、Blob 上のデータ ファイルを使用する SQL Server にオンプレミスのプロキシ サーバー経由でアクセスしたり (パフォーマンスが大幅に低下)、SAP アプリケーション間の HTTP(S) 接続がオンプレミスのプロキシ サーバーに戻るようにルーティングされたりしています。
現在、ハブ & スポーク型のネットワーク トポロジが一般的です。
/ja-jp/azure/virtual-network/virtual-networks-overview
/ja-jp/azure/virtual-network/virtual-networks-nsg
以下のブログも参考になります。
https://blogs.msdn.microsoft.com/igorpag/2016/05/14/azure-network-security-groups-nsg-best-practices-and-lessons-learned/ (英語)
/ja-jp/azure/virtual-network/virtual-networks-udr-overview
6. Azure リソース ロックでは、VM などの Azure オブジェクトやストレージが誤って削除されるのを防ぐことができます。必要な Azure リソースは、プロジェクト開始時に作成しておくことをお勧めします。追加、移動、変更の作業が完了し、Azure のデプロイが安定したら、すべてのリソースをロックします。以降は、スーパー管理者のみがリソースをロック解除して VM などのリソースを削除することができます。
これらのベスト プラクティスは、システム稼働前に実装する方がはるかに簡単です。以下の図のように、VM などの Azure オブジェクトをサブスクリプション間やリソース グループ間で移動することができます (Managed Disksは、2018 年の早い時期に完全にサポートされる予定です。それまでの間は、Azure ポータルの [Export] ボタンを使用して Managed Disks VM の VHD ファイルをダウンロードすることができます)。
/ja-jp/azure/virtual-machines/windows/move-vm
/ja-jp/azure/azure-resource-manager/resource-group-move-resources (「Virtual Machines の制限事項」のセクションを参照してください)
6. Linux 用 AzCopy をリリース
AzCopy は、Azure 内の Blob オブジェクトのコピーや、オンプレミスと Azure 間のオブジェクトのアップロードまたはダウンロードに使用される一般的なユーティリティです。UNIX/Oracle から Win/SQL on Azure への移行などで、オンプレミスから Azure に R3load のダンプ ファイルをアップロードする際に使用します。
Linux プラットフォーム用の AzCopy がリリースされました。このユーティリティを使用するには、Linux 用 .Net Framework 2.0 がインストールされている必要があります。
Windows 用の AzCopy はこちらのページから入手できます。AzCopy のスループットを向上させるには、/NC:<xx> パラメーターを指定します。帯域幅や接続のレイテンシに応じて値を 16 ~ 32 に設定することで、スループットが大幅に向上します。32 よりも高くすると、インターネット接続が飽和状態になる場合があります。
AzCopy の代わりに Blobxfer (英語) を使用することもできます。
7. 読み取り専用ドメイン コントローラー (RODC): Azure での RODC と DC の安全性
読み取り専用ドメイン コントローラーは、以前から使用されている機能です。詳しくはこちらのドキュメント (英語) を参照してください。
読み取り専用ドメイン コントローラーと書き込み可能なドメイン コントローラーの違いについては、こちらのドキュメント (英語) を参照してください。
最近は、より安全とされる Azure での RODC を検討するお客様が増えています。
RODC のセキュリティ プロファイルは、ExpressRoute 経由でオンプレミスのドメイン コントローラーに接続する Azure の書き込み可能なドメイン コントローラーのプロファイルによく似ています。唯一異なるのが「フィルタリングされた属性セット」で、AD 属性のいくつかが RODC に複製されない場合がある点です (ただし、ほぼすべての属性が複製されます)。
Azure および一般的なドメイン コントローラーを保護する場合に、以下のような推奨事項があります。
1. Active Directory の RODC も書き込み可能な DC も同様にクエリを実行できることを悪用して、侵入者は脆弱性や弱点が保護されていないユーザー アカウントを捜索する、いわゆる「調査」を行います。この調査を検出するために、IDS ソリューションおよび IPS ソリューションを、Azure とオンプレミスの両方にデプロイすることを推奨しています。
2. セキュリティを大幅に強化するために、多要素認証を実装する方法もあります。Azure には、多要素認証 (英語) サービスが標準で含まれています。
3. ブート ディスクや、DS データベース、ログ、SYSVOL を含むディスクでは、Azure Disk Encryption を使用することを推奨しています。これにより、VM 全体のクローニング、VHD ファイルのダウンロード、RODC や書き込み可能な DC の起動などを防ぐことができます。AD データベースの情報を盗むために、デバッグ ツールが使用される場合があります。
まとめ: 書き込み可能な DC の代わりに RODC をデプロイしても、ExpressRoute でオンプレミスの AD インフラストラクチャに接続されている Active Directory ソリューションのセキュリティ プロファイルは大幅には変わりません。代わりに IDS、多要素認証、Azure Disk Encryption などのセキュリティ機能を組み合わせて使用することで、安全な AD 環境を構築することができます。ドメイン コントローラーが読み取り専用でも、必ず他のセキュリティ メカニズムと組み合わせることが重要です。
8. Azure Site Recovery: 最新サポート状況
強力なプラットフォーム機能である Azure Site Recovery では、競合他社のソリューションよりも低いコストで最高クラスの災害復旧機能を実装することができます。
SAP アプリケーション向けの Azure Site Recovery をデプロイする方法については、ブログ記事とホワイトペーパーをお読みください。
/ja-jp/azure/site-recovery/site-recovery-sap
以下、Azure Site Recovery の新機能と、既存の機能をご紹介します。
1. Azure Disk Encryption では、Azure のブート ディスクやデータ ディスクのコンテンツを暗号化できます。この機能のサポートのプレビューが間もなく開始されます。この機能をご希望のお客様は、マイクロソフトまでお問い合わせください。
2. ストレージ スペースと SIOS のサポートの一般提供を開始しました。
3. Managed Disks を使用するVMのサポート を近日リリースします。
4. サブスクリプション間のレプリケーションが 2018 年の早い時期に利用可能になります。
5. Suse 12.x のサポートを 2018 年に開始します。
ASR および ADE については、以下の資料を参照してください。
https://azure.microsoft.com/ja-jp/blog/tag/azure-site-recovery/ (英語)
https://azure.microsoft.com/ja-jp/services/site-recovery/
/ja-jp/azure/security/azure-security-disk-encryption-faq
9. 非運用環境での Hana システム.
Hana の認定を受けていないハードウェアやクラウド プラットフォームでも、Hana DBMS サーバーを実行することが可能です。詳しくは「SAP Note 2271345 – Cost-Optimized SAP HANA Hardware for Non-Production Usage」を参照してください。
この SAP Note で紹介されている PowerPoint および Word ドキュメントでは、ハイパースケールのクラウドでよく使用される「ホワイトボックス」型のサーバーを、非運用システムや仮想化ソリューションで使用できることが説明されています。
よって、非運用の Hana システムはAzure VM 上で実行することが可能です。
なお、一般的に災害復旧システムは、運用ワークロードとして実行される可能性があるため、運用環境と見なされると考えられます。
10. Oracle 11g/12c 用 Azure で Oracle Linux 7.x を認定
Azure プラットフォームでは、さまざまな種類のオペレーティング システムとデータベースがサポートされています。このたび、SAP は Linux VM で稼動する Oracle DBMS のサポートを開始しました。
Azure でサポートするオペレーティング システムとデータベースの組み合わせの全リストは、「SAP Note 1928533 – SAP Applications on Azure: Supported Products and Azure VM types 」で確認してください。
注:
1. SAP、Oracle、Linux、 Azure の組み合わせが完全にサポートされ、一般提供されました。
2. Oracle DBMS は Oracle Linux 7.x にインストールする必要があります。
3. SAP アプリケーション サーバーおよびエンジン単体には、Oracle Linux 7.x または Windows を使用することができます (詳しくは PAM を参照)。
4. SWPM を起動する前に最新版の Oracle Linux をインストールすることを強くお勧めします。
5. 「SAP Note 2015553 – SAP on Microsoft Azure: Support prerequisites」に記載のとおり、Linux のホスト監視エージェントをインストールする必要があります。
6. Oracle Linux で Accelerated Networking の使用を検討中のお客様は、マイクロソフトまでお問い合わせください。
7. Suse または RHEL での Oracle DBMS の実行はサポートされていません。
重要な SAP Note およびその他の情報は以下のとおりです。
https://wiki.scn.sap.com/wiki/display/ORA/Oracle (英語)
2069760 – Oracle Linux 7.x SAP Installation and Upgrade
405827 – Linux: Recommended file systems
2171857 – Oracle Database 12c – file system support on Linux
2369910 – SAP Software on Linux: General information
1565179 – This note concerns SAP software and Oracle Linux
注: SAP、Oracle、Windows、Azure の組み合わせでは、完全なサポートが一般提供されています (長年サポートされており、多くのお客様が Azure をテラバイト単位で使用しています)
11. Oracle 12c Release 2 のSAP認定と、Windows2016でのリリース、Azure での ASM のサポートの計画
「SAP Note 2133079 – Oracle Database 12c: Integration in SAP environment」で発表されたとおり、SAP は、SAP NetWeaver アプリケーション用 Oracle 12c Release 2 を認定しました。
Oracle 12c Release 2 は、Linux での認定に加えて Windows Server 2016 でもサポートが開始されます。
2017 年 12 月 18 日より、Oracle Database バージョン 12.2.0.1 (RDBMS 12.2.0.1、Grid Infrastructure 12.2.0.1、Oracle RAC 12.2.0.1 を含む) が SAP NetWeaver をベースとする SAP 製品に認定されました。RDBMS 12.2.0.1 の最小限の初期 SAP Bundle Patch (SBP) は、SAP12201P_1711 (Unix 用) または PATCHBUNDLE12201_1711 (Windows 用) です。
Oracle 12.2.0.1 では、SAP Kernel のバージョン 7.21_EXT 以降が必要です。
SAP Note 2470660 では、Oracle 12.2.0.1 を SAP 環境で使用する場合の、データベースのインストールおよびアップグレード、ソフトウェアのダウンロード、修正プログラムの適用、機能のサポート、OS の前提条件などに関する重要な技術情報が提供されています。
Oracle バージョン 12.1 でサポートされている Oracle 機能 (Oracle In-Memory、Oracle Multitenant、Oracle Database Vault、Oracle ILM/ADO など) は、バージョン 12.2.0.1 でもサポートされます。
2470660 – Oracle Database Central Technical Note for 12c Release 2 (12.2)
2133079 – Oracle Database 12c: Integration in SAP environment
マイクロソフトは Azure の Oracle ASM の認証取得を進めており、最初に Oracle Linux 7.4 と Oracle 12c R1/R2 の組み合わせを予定しています。今後、改めてブログ記事でお伝えします。
998004 – Windows での Oracle Instant Client の更新
12. 中規模以上の SAP システムでのAccelerated Networkingの推奨
Accelerated Networking を使用すると、2 台の Azure VM 間のレイテンシを劇的に短縮でき、帯域幅が大きく拡大します。
Accelerated Networking は、Windows および Linux の VM 用に一般提供されています。
一般に、中規模および大規模な新規 SAP プロジェクトでは、Accelerated Networking をデプロイすることをお勧めします。
Accelerated Networking については、以下の点に考慮する必要があります。
1. 既存の VM に対し Accelerated Networking を有効化することはできません。VM の新規作成時に有効化する必要があります。なお、VM を削除した後 (既定ではブート ディスクとデータ ディスクは保持されます)、同じディスクを使用して VM を再作成することができます。
2. Accelerated Networking は、Ev3、Dv3、M、Dv2 など、4 基以上の物理 CPU を搭載する新しい VM シリーズ (2017 年 12 月現在 – E8v3 は物理 CPU 4 基と 8 つのハイパースレッド) のほとんどで使用できます。
3. Accelerated Networking は、G シリーズ VM では使用できません。
4. Blob ストレージに直接保存されたデータ ファイルを使用する SQL Server の場合大きな効果があります。
5. Suse 12 Service Pack 3 (Suse 12.3) を強く推奨します (2017 年 12 月現在、Hana の認定取得を進行中)。RHEL 7.4 も推奨しています。Oracle Linuxについてはマイクロソフトまでお問い合わせください。
6. 1 つ以上の Accelerated Network NIC と Accelerated Network 非対応の従来の NIC は、同じ VM で使用することができます。
7. SAP アプリケーション サーバーとデータベース サーバーの間に、Azure VNet UDR や、その他のセキュリティおよび検査デバイスを設置することは推奨しません。この接続では、パフォーマンスを最大限に維持する必要があります。
8. SAP アプリケーション サーバーからデータベース サーバーへの通信レイテンシをテストするには、ABAP レポートの [/SSA/CAT] に "ABAPMeter" と入力します。
9. 効率の悪い ABAP コードや、大規模 Payroll ジョブまたは IS-Utilities Billing ジョブなどの高負荷な操作には、Accelerated Networking は非常に効果的です。
Azure Networking のさらに詳しい情報については、以下の資料を参照してください。
/ja-jp/azure/virtual-network/virtual-network-optimize-network-bandwidth
/ja-jp/azure/virtual-network/virtual-network-bandwidth-testing
以下は、ネットワークに大きな影響を及ぼす非効率な ABAP コードの例です。LOOP 構文内に SELECT 文を配置するのは、コーディング ルールとして望ましくありません。Accelerated Networking によりこのような非効率な ABAP コードのパフォーマンスを改善することが可能ですが、基本的に LOOP 構文内で SELECT 文を使用しないことをお勧めします。このコードは拡張性がないため、反復実行数が増加するほどパフォーマンスが大幅に低下します。
13. Azure の新機能
Azure プラットフォームでは、多くの新機能や機能強化が継続的にリリースされています。
新機能についてはこちらの記事でまとめて紹介しています。
SAP ユーザー向けに、以下の優れた新機能をご紹介します。
1. VNet 間ゲートウェイ接続を介して、2 つの異なるデータセンター間で通信することができます。現在プレビュー中のグローバル ピアリング (英語) も使用することができます。
2. ファイル保存、DIR_TRANS、インターフェイスなどに使用可能な SoftNAS (英語) は、NFS と SMB プロトコルをサポートしています。
3. Azure Data Box は、データセンターマイグレーションシナリオで有効です。
4. CIS イメージ (英語) – 強化された Windows イメージを提供しています。これらは、全 SAP アプリケーションで完全にテストされたものではありません。このイメージは、SAPWebDispatcher や SAP Router などで使用することができます。
5. SAP LaMa に Azure 用コネクタが実装されました (SAP Note 2343511 – Microsoft Azure connector for SAP Landscape Management (LaMa) )。
6. 今後のブログ記事では、Hana Large インスタンス ネットワークについて解説する予定です。なお、こちらのホワイトペーパー (英語) ではハブ & スポーク型ネットワーク (英語) の詳細情報をご確認いただけます。
7. Azure サービス エンドポイント (英語) は、一部のパブリック エンドポイントを削除し、Azure VNet に移行しました。
関連リンク
VM: パフォーマンス (英語) | 起動しない場合 (英語) | エージェント | Linux のサポート
ネットワーク: ExpressRoute (英語) | VNet トポロジ (英語) | ARM の LB 構成 | VNet 間 VPN | VPN デバイス | サイト間 VPN | ILPIP | 予約済み IP | ネットワーク セキュリティ
ツール: PowerShell のインストール | VPN の診断 (英語) | 各種プラットフォーム用 CLI (英語) | Azure Resource Explorer | ARM の JSON テンプレート (英語) | iPerf (英語) | Azure Diagnostics
Azure のセキュリティ: 概要 (英語) | ベスト プラクティス (英語)| トラスト センター | プレビュー機能 | プレビューのサポート
その他のトピック
SAP on Windows/Oracle の Windows 用 Oracle 機能のプレゼンテーション (英語)
Oracle クロス プラットフォームのトランスポータブル表領域 (英語): UNIX プラットフォームから一般的な Intel サーバーへの移行を検討している UNIX/Oracle ユーザー向けの魅力的な新機能
以下の図は、UNIX Big Endian システムで実行可能なバックアップを作成し、Intel Little End システム (Windows または Linux) で復元するプロセスを示したものです。
詳細については、「SAP Note 552464 – What is Big Endian / Little Endian? What Endian do I have?」を参照してください。
IBM Power サーバーに SAP Hana をインストールしているお客様から、同様の質問を頂くことがありますが、Hana on Power (比較的珍しいソリューション) からの移行やパブリック クラウドでの DR の実行を検討している場合がほとんどです。「SAP Note 1642148 – FAQ: SAP HANA Database Backup & Recovery」では、Hana 2.0 のバックアップを IBM Power (Little Endian) から Intel ベースのシステムへ復元するしくみを説明しています。
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