Azure Container Instances の一般提供を開始
執筆者: Corey Sanders (Corporate Vice President, Azure)
このポストは、2018 年 4 月 25 日に投稿された Azure Container Instances now generally available の翻訳です。
このたび、Azure Container Instances (ACI) の一般提供を開始します。ACI は、コンテナーの迅速なデプロイを実現するオンデマンドのコンピューティング サービスであり、これにより、Linux と Windows の両方のコンテナーをサーバーレスで実行できるようになります。VM の管理は不要で、自動的かつ柔軟にスケーリングすることができます。コンテナー テクノロジの常識を根本的に覆すサービスとして昨年夏にプレビュー (英語) が開始され、パブリック クラウドで革新的なサーバーレス コンテナーが初めて実現されました。今回の一般提供の開始に伴い、料金も値下げします。これにより、さらに低コストで単一のコンテナーをクラウドにデプロイできるようになります。ACI は、最も高速なクラウド ネイティブ オプションとして、コンテナー内のインタラクティブな端末や統合済み Azure ポータル エクスペリエンスなどの豊富な機能を提供し、数秒でコンピューティングを利用できるようにします。
サーバーレス コンテナー ソリューションに ACI が選ばれる理由には、使いやすさときめ細かい課金体系のほかに、強力なセキュリティ モデルが挙げられます。マルチテナントのシナリオにおけるセキュリティ境界を強化するために、個々のコンテナーをハイパーバイザー レベルで保護します。単一仮想マシンのコンテナー内にあるマルチテナント ワークロードを保護するのは、簡単なことではありません。ホスト クラスターを作成せずに分離ができることは、他にはないメリットであり、理想的なクラウド ネイティブ モデルです。
体系的なデータ分析用のビジネス インテリジェンス ソリューションを提供する Jedox AG は、ACI を使用して幅広い SaaS ソリューションの顧客向けトライアルとデモをサンドボックス化しています。Jedox での ACI の使用方法については、新たに公開されたケース スタディ (英語) をご覧ください。
ACI は現在、バッチ処理、継続的インテグレーション、イベント駆動型コンピューティングなどの幅広いシナリオに使用されており、ワークロードのバースト対策に適した唯一のサービスとして高く評価されています。ACI は、クリーンにパッケージ化されたバースト コンピューティングをサポートしており、クラスター マシンの管理負担を軽減します。一部の大企業のお客様は、データ処理にも ACI を使用しており、Azure BLOB ストレージなどの耐久性のあるストレージにソース データを取り込み、処理、保存しています。ACI では、作業の各段階をコンテナーとして効率的にパッケージ化し、カスタムのリソース定義を割り当てて、アジャイル開発、テスト、デプロイに使用することができます。また、静的にプロビジョニングされた仮想マシンの代わりに秒単位で細かく課金される ACI でデータを処理することで、大幅にコストを削減することができます。
ACI の魅力をさらに高めるために、今回、初回作成費用を無償化し、料金も引き下げます。以下の表* は、Azure Container Instances の新料金体系をまとめたものです。詳しくは料金ページをご覧ください。新料金は 2018 年 7 月 1 日から適用されます。
新料金 (米国西部) | 旧料金 (グローバル) | |
作成費用 | 無償 | 作成したインスタンスにつき 0.0025 ドル |
vCPU/秒 | 0.000012 ドル | 0.0000125 ドル |
メモリ (GB)/秒 | 0.000004 ドル | 0.0000125 ドル |
ACI の初回リリース時から提供されている ACI Connector for Kubernetes の試験版では、ACI の秒単位の課金でインフラストラクチャ不要のポータブル Kubernetes API を使用することができます。また、昨年 12 月に開催された KubeCon にて、Kubernetes や ACI のように無制限のサーバーレス コンテナー サービスを接続することを目的としたオープンソース プロジェクト Virtual Kubelet を発表しました。Virtual Kubelet (英語) の発表以来、Kubernetes コミュニティの参加者が増え、現在では VMware、AWS、Hyper.sh などのプロバイダーと緊密に協力しています。
マイクロソフトはプレビュー当初からこの新しいコンピューティング サービスに大きな期待を寄せており、お客様のフィードバックに基づいて以下のような重要な新機能を開発しました。
- メトリック、アラート、コンテナー ログ/イベント機能を追加して、Azure ポータル エクスペリエンスを強化しました。
- コンテナーで直接、インタラクティブ シェルを起動するコマンドを実行 (EXEC、英語) できます。
- Azure Monitor から Linux コンテナーの CPU およびメモリ使用率を監視できます。
- REST API (英語) や Azure CLI 2.0 (英語) で、各コンテナーに信頼できるエンドポイントを構成する DNS 名ラベルを付けることができます。
- Azure CLI 2.0 でのコンテナー ログのストリーミング (英語): Azure CLI 2.0 からコンテナーに接続して、コンテナーの状態とログ出力を読み取ることができます。
- コンテナー再起動ポリシー: 常に再起動、失敗時に再起動、再起動しないという 3 つのポリシーを指定できます。
- Linux コンテナーの各種ボリューム (Azure Files、gitRepo、emptyDir、シークレット) を選択できます。
- 6 つのリージョン (米国西部、米国西部 2、米国東部、西ヨーロッパ、北ヨーロッパ、東南アジア) で利用可能です。
- すべての Container Group は、SLA によって 99.9% の可用性 (英語) が保証されています。
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マイクロソフトは今年の後半にかけて、VNET の統合をはじめとするさまざまな機能を追加していく予定です。現在利用可能な機能については、こちらのドキュメントまたは サンプル チュートリアル (英語) をご覧ください。
ACI によって、パブリック クラウドでのコンテナーの利用方法が大きく変わります。仮想マシンの柔軟性とセキュリティにコンテナーのスピードとシンプルさを組み合わせた新しいコンピューティング サービスを Azure で提供します。また、Virtual Kubelet をサポートすることで、「サーバーレス Kubernetes」のビジョンも実現します。
ぜひ ACI をお試しいただき、フィードバック (英語) をお寄せください。
ではまた!
Corey Sanders
* サービス料金の最新情報は、 料金ページをご覧ください。