Azure Blob Storage のライフサイクル管理機能のパブリック プレビュー
執筆者: Yuan Zheng (Principal Program Manager)
このポストは、2018 年 6 月 12 日に投稿された Azure Blob Storage lifecycle management in public preview の翻訳です。
昨年から BLOB レベルが階層化され、データをアカウント間で移動しなくても BLOB のストレージ階層を Hot、Cool、Archive の間で移行できるようになりました。BLOB レベルの階層化と Archive Storage は、管理を簡単にしてほしい、自動化してほしいというお客様のリクエストにお応えするために導入された機能で、ストレージのパフォーマンスとコストの最適化に効果があります。このたび、Blob Storage のライフサイクル管理機能のパブリック プレビューが開始され、ライフサイクル管理ポリシーを使用して BLOB の階層や保持期間の管理を自動化できるようになりました。
ライフサイクル管理
データセットのライフサイクルには、さまざまなパターンがあります。たとえば、ライフサイクルの初期には頻繁にアクセスされるが時間が経つと頻度が大幅に下がるもの、クラウドに格納されるとほぼアイドル状態でほとんどアクセスされなくなるもの、作成後に数日や数か月で削除されるもの、ライフサイクル全体にわたって読み込みや変更がアクティブに行われるもの、などです。Azure Blob Storage のライフサイクル管理では、リッチなルール ベースのポリシーを使用して、データを最適なアクセス階層に移行したり、ライフサイクル終了時にデータを削除したりすることができます。
ライフサイクル管理ポリシーでは、以下のことが可能です。
- BLOB を下位のストレージ階層に移行 (Hot から Cool へ、Hot から Archive へ、Cool から Archive へ) し、パフォーマンスとコストを最適化
- ライフサイクル終了時に BLOB を削除
- ストレージ アカウント レベルに対して毎日実行するルールを定義 (GPv2 と BLOB の両方のストレージ アカウントをサポート)
- コンテナーや BLOB のサブセットにルールを適用 (プレフィックスをフィルターとして使用可能)
詳細については、Azure Storage のライフサイクル管理に関するドキュメント (英語) をご覧ください。
シナリオ例
ここでは、あるデータ セットの例を見ていきます。最初の 1 か月は頻繁にアクセスがあり、その後 2 か月は頻度がかなり低下し、さらにその後はほとんどアクセスされず、7 年後には削除が必要になるものです。このシナリオの場合、最初に使用するのがベストなのが Hot ストレージ、その後、アクセス頻度が低下したら Cool ストレージ、さらに数か月後には Archive ストレージにするのが最適で、7 年が経過すると削除となります。
以下は、このデータのライフサイクル管理に使用するサンプル ポリシーです。このポリシーは、“foo” というプレフィックスを持つブロック BLOB に適用されます。
- 最後に更新されてから 30 日経過後に BLOB を Cool ストレージ階層に移行する
- 最後に更新されてから 90 日経過後に BLOB を Archive ストレージ階層に移行する
- 作成後 2,555 日 (7 年) 経過後に BLOB を削除する
- BLOB のスナップショットを作成して 90 日経過後に削除する
{
"version": "0.5",
"rules": [
{
"name": "ruleFoo",
"type": "Lifecycle",
"definition": {
"filters": {
"blobTypes": [ "blockBlob" ],
"prefixMatch": [ "foo" ]
},
"actions": {
"baseBlob": {
"tierToCool": { "daysAfterModificationGreaterThan": 30 },
"tierToArchive": { "daysAfterModificationGreaterThan": 90 },
"delete": { "daysAfterModificationGreaterThan": 2555 }
},
"snapshot": {
"delete": { "daysAfterCreationGreaterThan": 90 }
}
}
}
}
]
}
Azure Portal
使用を開始するには
パブリック プレビューへの参加をご希望のお客様は、サブスクリプションへの登録リクエストをお送りください。リクエストは数日で承認され、米国西部 2 リージョンおよび米国中西部リージョンの新規と既存のすべての GPv2 ストレージ アカウントまたは Blob ストレージ アカウントで使用できるようになります。なお、プレビュー期間中はブロック BLOB のみがサポートされます。プレビュー機能は、一般提供が開始されるまでは運用環境で使用しないようご注意ください。
リクエストを送信するには、以下の PowerShell コマンドまたは CLI コマンドを実行してください。
PowerShell
Register-AzureRmProviderFeature -FeatureName DLM -ProviderNamespace Microsoft.Storage
CLI 2.0
az feature register –-namespace Microsoft.Storage –-name DLM
使用料金
ライフサイクル管理機能は、プレビュー期間中は無料で提供されるため、API 呼び出しの List Blobs (英語) と Set Blob Tier (英語) の通常の運用コストのみでご利用いただけます。料金の詳細については、ブロック BLOB の料金ページでご確認ください。
フィードバックのお願い
BLOB のライフサイクル管理ポリシーを使用すると、クラウド ストレージのコスト最適化戦略を簡素化できます。今回ご紹介した機能について、ぜひメール (DLMFeedback@microsoft.com) でご意見をお聞かせください。いつものお願いではありますが、Azure Storage について皆様からのアイデアやご提案をお待ちしています。どうぞお気軽に Azure Storage フィードバック フォーラム (英語) までご投稿ください。