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新元号 改元の対応のプロセス

皆様こんにちは。前回の記事では新元号対応のために必要な検討事項、対応項目や課題などを発信していくことをお伝えしました。技術的な観点で文字コード、フォント、符号位置、照合順序などの説明や理解は欠かせないテーマですが、この blog をご覧になっている皆様が、まず知りたいことは

・Microsoft の各製品、バージョンの新元号対応の予定
・新元号対応の対象製品、バージョンが決定するのはいつか
・対応はどのような方法で成されるのか

といった具体的なマイルストーンではないでしょうか。
日本マイクロソフト株式会社としても、その情報なくしては取るべき対策や意思決定ができない、という点は重々理解しており、日本政府、文字の専門家、国際標準化団体などと協業し対応に当たっていますが、IT において改元は極めて複雑な、非常に多くの検討事項、作業が必要なものになります。
多くの方が誤解しているのですが、Era Handling for the Japanese Calendar https://msdn.microsoft.com/en-us/library/windows/desktop/ee923790.aspx) に公開されているようにレジストリ対応すれば大丈夫、といった単純な話ではありません。その一例としまして、元号には 1 文字表示 (合字) が存在します。「明治」「㍾」「大正」「㍽」「昭和」「㍼」「平成」「㍻」といった具合です。この対応が必要になってくるのです。歴史的背景や技術的な詳細については後日 blog で説明しますが、まずは改元に際して発生する作業、プロセスを紹介します。

1. 新元号が確定
2. 新元号のグリフ (合字)
3. 符号位置の確定
4. 照合順序の更新
5. ICU (International Component for Unicode) の更新
6. グリフの作成
7. フォントの更新
8. アプリケーション、ツールの更新
※ 2. ~ 5. は、標準化などの国内、国際団体、フォーラムなどによる作業

弊社におきまして、新元号の元号が確定せずとも進められる作業は並行して進めていますが、上述の通り、弊社内だけで完結する対応ではありません。そのため、いつまでにというスケジュール/マイルストーンを共有できる状態になるまでにはまだ時間が必要です。また、対象製品として Windows、Windows Server、Office、SharePoint などの製品群がすぐに浮かびますが、NLS API、COM、.NET Framework などについても検討対象となります。現時点におきましてどのバージョンまでが対象となるかは明言できませんが、市場動向、お客様からのご要望や影響度を加味して検討します。
引き続き、ブログ、セミナーなどを通じてより具体的な情報の発信を進めてまいります。