Active Directory フォレストの回復 - 使用可能な RID プールの値を引き上げる
次に示す手順では、対象の DC が復元された後に RID 操作マスターが割り当てる相対 ID (RID) プールの値を引き上げます。 使用可能な RID プールの値を引き上げることで、ドメインの復元に使用されたバックアップの後に作成されたセキュリティ プリンシパルに対して、DC が RID を割り当てなくなります。
Active Directory RID プールと rIDAvailablePool について
各ドメインには、CN=RID Manager$,CN=System,DC=<domain_name> というオブジェクトがあります。 このオブジェクトには rIDAvailablePool という属性があります。 この属性値によって、ドメイン全体を対象とするグローバルな RID 領域が確保されます。 この値は上位部と下位部がある大きい整数です。 上位部では、各ドメインに割り当てることのできるセキュリティ プリンシパルの数 (0x3FFFFFFF または 10 億強) を定義します。 下位部は、ドメインに割り当てられている RID の数です。
注意
Windows Server 2016 と 2012 では、割り当て可能なセキュリティ プリンシパルの数が 20 億強に増えています。 詳細については、「RID 発行の管理」を参照してください。
- サンプル値: 4611686014132422708
- 下位部: 2100 (次に割り当てられる RID プールの先頭)
- 上位部: 1073741823 (ドメインに作成できる RID の総数)
大きい整数の値を引き上げると、下位部の値が大きくなります。 たとえば、サンプル値の 4611686014132422708 に 100,000 を加算して 4611686014132522708 にすると、新しい下位部の値が 102100 になります。 これにより、RID マスターが次に割り当てる RID プールの先頭が 2100 ではなく 102100 になります。
ADSI エディターと電卓を使用して使用可能な RID プールの値を引き上げる
- サーバー マネージャーを開き、[ツール]、[ADSI の編集] の順に選択します。
- 右クリックして [接続先] を選択し、既定の名前付けコンテキストに接続して [OK] を選択します。
- 識別名パス CN=RID Manager$,CN=System,DC=<domain name> を参照します。
- 右クリックし、CN=RID Manager$ のプロパティを選択します。
- 属性 [rIDAvailablePool] を選択し、[編集] を選択して、大きい整数値をクリップボードにコピーします。
- 電卓を起動し、[表示] メニューで [関数電卓モード] を選択します。
- 現在の値に 100,000 を加算します。
- Ctrl + C キーまたは [編集] メニューの [コピー] コマンドを使用して、値をクリップボードにコピーします。
- ADSI エディターの編集ダイアログで、この新しい値を貼り付けます。
- ダイアログで [OK] を選択し、プロパティ シートで [適用] をクリックして rIDAvailablePool 属性を更新します。
LDP を使用して使用可能な RID プールの値を引き上げる
- コマンド プロンプトで、コマンド「ldp」を入力して Enter キーを押します。
- [接続] を選択し、[接続] を選択し、RID マネージャーの名前を入力して、[OK] を選択します。
- [接続] を選択し、[バインド] を選択します。次に [資格情報によるバインド] を選択し、管理資格情報を入力して、[OK] を選択します。
- [ビュー] を選択し、[ツリー] を選択し、次の識別名パスを入力します: CN=RID Manager$,CN=System,DC=domain name
- [参照] を選択し、[変更] 選択します。
- rIDAvailablePool の現在の値に 100,000 を加算し、合計値を [値] に入力します。
- [DN] に「
cn=RID Manager$,cn=System,dc=
<domain name>」と入力します。 - [エントリ属性の編集] に、「
rIDAvailablePool
」と入力します。 - 操作に [置換] を選択し、[入力] を選択します。
- [実行] を 選択して操作を実行します。 [閉じる] を選びます。
- 変更を検証するには、[表示] を選択し、[ツリー] を選択して、以下の識別名パスを入力します: CN=RID Manager$,CN=System,DC=domain name。 rIDAvailablePool 属性を確認します。
次のステップ
- AD フォレストの回復 - 前提条件
- AD フォレストの回復 - カスタム フォレスト回復計画を作成する
- AD フォレストの回復 - フォレストを復元する手順
- AD フォレストの回復 - 問題の特定
- AD フォレストの回復 - 回復方法を決定する
- AD フォレストの回復 - 最初の回復の実行
- AD フォレストの回復 - 手順
- AD フォレストの回復 - よく寄せられる質問 (FAQ)
- AD フォレストの回復 - マルチドメイン フォレストで 1 つのドメインを回復する
- AD フォレストの回復 - 残りの DC を再デプロイする
- AD フォレストの回復 - 仮想化
- AD フォレストの回復 - クリーンアップ