クラスター対応更新の詳細オプションの更新と更新実行プロファイル
このトピックでは、クラスター対応更新 (CAU) 更新実行に構成できる更新実行オプションについて説明します。 この詳細オプションは、CAU UI または CAU の Windows PowerShell コマンドレットを使用して更新を適用するときや、自己更新オプションを構成するときに構成できます。
構成設定のほとんどは、XML ファイル (更新実行プロファイル) として保存し、以降の更新実行に再利用することができます。 CAU の更新実行オプションの既定値は、多くのクラスター環境でも使用できます。
各更新実行に指定できる追加のオプションおよび更新実行プロファイルについては、このトピックの以下のセクションを参照してください。
[更新実行で更新実行プロファイルを使用する] オプション (更新実行プロファイルで設定可能) を要求する場合に指定するオプション
次の表に、CAU の更新実行プロファイルで設定できるオプションを示します。
Note
PreUpdateScript または PostUpdateScript オプションを設定するには、Windows PowerShell と .NET Framework 4.6 または 4.5 がインストールされており、クラスター内の各ノードで PowerShell リモート処理が有効になっている必要があります。 詳細については、「クラスター対応更新の要件とベスト プラクティス」の「リモート管理のノードの構成」を参照してください。
オプション | 既定値 | 詳細 |
---|---|---|
StopAfter | 時間無制限 | 更新実行が完了しなかった場合に、更新実行を停止するまでの時間 (分単位)。 注: 更新前または更新後の PowerShell スクリプトが指定されている場合には、スクリプトの実行と更新の実行を含むプロセス全体がこの StopAfter に定める制限時間内に完了する必要があります。 |
WarnAfter | 既定では、警告は表示されません | 更新実行 (構成されている場合は更新前スクリプトと更新後スクリプトを含む) が完了しなかった場合に警告が表示されるまでの時間 (分単位)。 |
MaxRetriesPerNode | 3 | ノードごとに更新プロセス (構成されている場合は更新前スクリプトと更新後スクリプトを含む) を再試行する最大回数。 最大値は 64 です。 |
MaxFailedNodes | ほとんどのクラスターでは、クラスター ノードの数の約 3 分の 1 に相当する整数 | ノードの障害またはクラスター サービスの実行停止を原因とした更新の失敗を許容できるノードの最大数。 この数を超えるノードで失敗すると、更新実行は停止します。 有効な値の範囲は、0 からクラスター ノードの数より 1 少ない数までです。 |
RequireAllNodesOnline | None | 更新開始前にすべてのノードがオンラインで、到達可能である必要があることを指定します。 |
RebootTimeoutMinutes | 15 | ノードの再起動が必要な場合に CAU がノードを再起動し、自動開始サービスをすべて開始するまでの時間 (分単位)。 この時間内に再起動処理が完了しなければ、そのノードの更新実行には失敗のマークが付きます。 |
PreUpdateScript | None | 更新の開始前、およびノードがメンテナンス モードに切り替わる前に、各ノードで実行する Windows PowerShell スクリプトのパスとファイル名。 ファイル名拡張子は .ps1 で、パスとファイル名を合わせて最長 260 文字です。 すべてのクラスター ノードからスクリプトに常にアクセスできるように、クラスター記憶域のディスク上か、可用性の高いネットワーク ファイル共有にスクリプトを配置することをお勧めします。 スクリプトをネットワーク ファイル共有に配置した場合には、承認を受けていないユーザーによってファイルが改ざんされることのないよう、Everyone グループに対してはそのファイル共有の読み取りだけを許可し、書き込みアクセスは制限するようにファイル共有の構成を変更する必要があります。 更新前スクリプトを指定する場合は、時間制限などの設定 (たとえば、StopAfter) を、スクリプトが正常に実行できるように構成しておいてください。 これらの制限は、更新プログラムのインストール プロセスだけでなく、スクリプトの実行と更新プログラムのインストールのプロセス全体に適用されます。 |
PostUpdateScript | None | ノードのメンテナンス モード終了後、更新が完了した後に実行する PowerShell スクリプトのパスとファイル名。 ファイル名拡張子は .ps1 で、パスとファイル名を合わせて最長 260 文字です。 すべてのクラスター ノードからスクリプトに常にアクセスできるように、クラスター記憶域のディスク上か、可用性の高いネットワーク ファイル共有にスクリプトを配置することをお勧めします。 スクリプトをネットワーク ファイル共有に配置した場合には、承認を受けていないユーザーによってファイルが改ざんされることのないよう、Everyone グループに対してはそのファイル共有の読み取りだけを許可し、書き込みアクセスは制限するようにファイル共有の構成を変更する必要があります。 更新後スクリプトを指定する場合は、時間制限などの設定 (たとえば、StopAfter) を、スクリプトが正常に実行できるように構成しておいてください。 これらの制限は、更新プログラムのインストール プロセスだけでなく、スクリプトの実行と更新プログラムのインストールのプロセス全体に適用されます。 |
ConfigurationName | この設定はスクリプトを実行した場合にのみ影響します。 更新前スクリプトまたは更新後スクリプトを指定しても、ConfigurationName を指定しなければ、PowerShell 用の既定のセッション構成 (Microsoft.PowerShell) が使用されます。 |
PreUpdateScript と PostUpdateScript で指定されたスクリプトが実行されるセッションを定義し、実行可能なコマンドを制限できる PowerShell セッション構成を指定します。 |
CauPluginName | Microsoft.WindowsUpdatePlugin | クラスター対応更新を構成して更新プログラムのプレビューや更新実行の実行に使用するプラグイン。 詳細については、クラスター対応更新プラグインの仕組みに関するページを参照してください。 |
CauPluginArguments | None | 使用する更新プラグインの名前=値の組 (引数)。次に例を示します。 Domain=Domain.local これらの名前=値の組は、CauPluginName で指定するプラグインにとって必ず意味のある内容にします。 CAU UI を使用して引数を指定するには、名前を入力して Tab キーを押し、対応する値を入力します。 次の引数を指定するには、もう一度 Tab キーを押します。 名前と値は自動的に等号 (=) で区切られます。 複数の組は、セミコロンで自動的に区切られます。 既定の Microsoft.WindowsUpdatePlugin プラグインでは、引数は必要ありません。 ただし、オプション引数を指定することはできます。たとえば、プラグインによって適用される更新プログラムのセットを絞り込むために、Windows Update エージェントの標準のクエリ文字列を指定する場合が考えられます。 名前については QueryString を使用し、値はクエリ全体を引用符で囲ってください。 詳細については、クラスター対応更新プラグインの仕組みに関するページを参照してください。 |
更新実行の要求時に指定するオプション
次の表に、更新実行の要求時に指定できるオプション (更新実行プロファイルのオプション以外のオプション) を示します。 更新実行プロファイルで設定できるオプションについては、前の表を参照してください。
オプション | 既定値 | 詳細 |
---|---|---|
ClusterName | なし 注: このオプションは、CAU UI をフェールオーバー クラスター ノードで実行していない場合か、CAU UI を実行しているものとは異なるフェールオーバー クラスターを参照する場合にのみ設定します。 |
更新実行を実行するクラスターの NetBIOS 名。 |
資格情報 | 現在のアカウントの資格情報 | 更新実行が実行されるターゲット クラスターの管理資格情報。 管理者権限とクラスターのアクセス許可を持つアカウントから CAU UI を起動した場合 (CAU の PowerShell コマンドレットを使用している場合は PowerShell セッションを開いた場合) は、必要な資格情報を既に持っていることがあります。 |
NodeOrder | 既定では、CAU は、クラスター役割の所有数が最も少ないノードから始まり、次に、2 番目に所有数が少ないノードへと順番に処理を進めます。 | 更新される順序に並んだクラスター ノードの名前 (可能な場合)。 |
更新実行プロファイルの使用
更新実行はそれぞれ、特定の更新実行プロファイルに関連付けることができます。 既定の更新実行プロファイルは、%windir%\cluster フォルダーに格納されています。 リモート更新モードで CAU UI を使用している場合には、更新の適用時に更新実行プロファイルを指定することも、既定の更新実行プロファイルを使用することもできます。 自己更新モードで CAU を使用している場合には、自己更新オプションの構成時に、指定済みの更新実行プロファイルから設定をインポートできます。 いずれの場合も、必要に応じて更新実行オプションに表示されている値をオーバーライドすることができます。 必要があれば、更新実行オプションを更新実行プロファイルとして保存しておくこともできます。このとき、ファイル名は同じであっても、違うものであってもかまいません。 次回に更新を適用するか、自己更新オプションを構成するときには、前回選択した更新実行プロファイルが CAU によって自動的に選択されます。
CAU UI で [更新実行プロファイルを作成または変更する] を選択すると、既存の更新実行プロファイルを変更したり、新しい更新実行プロファイルを作成したりできます。
更新実行プロファイルの使用に関する重要な注意事項を次に示します。
- 更新実行プロファイルには、管理者の資格情報など、クラスターに固有の情報は格納されません。 自己更新モードで CAU を使用している場合、更新実行プロファイルには自己更新スケジュール情報も格納されません。 このため、指定されたクラスに属するすべてのフェールオーバー クラスターで更新実行プロファイルを共有できます。
- 更新実行プロファイルを使用して自己更新オプションを構成した後で、そのプロファイルの更新実行オプションの値を変更した場合には、自己更新の構成が自動的に変更されません。 更新実行の新しい設定を適用するには、自己更新オプションを再度構成する必要があります。
- 実行プロファイル エディターでは、C:\Program Files などのスペースを含むファイル パスはサポートされていません。 回避策として、スペースを含まないパスに更新前および更新後のスクリプトを格納するか、PowerShell を排他的に使用して実行プロファイルを管理し、Invoke-CauRun の実行時にパスを引用符で囲みます。
Windows PowerShell の同等のコマンド
Invoke-CauRun、Add-CauClusterRole、または Set-CauClusterRole コマンドレットの実行時に、更新実行プロファイルから設定をインポートできます。
以下の例では、CONTOSO-FC1 という名前のクラスターにスキャンを実行した後、C:\Windows\Cluster\DefaultParameters.xml で指定された更新実行オプションを使用してフル更新実行を実行します。 指定のないコマンドレット パラメーターについては既定値が使用されます。
$MyRunProfile = Import-Clixml C:\Windows\Cluster\DefaultParameters.xml
Invoke-CauRun –ClusterName CONTOSO-FC1 @MyRunProfile
更新実行プロファイルを使用すると、フェールオーバー クラスターを繰り返し更新する場合に、例外の管理、時間制約など、運用面のパラメーターについて一貫した設定を適用できます。 このような設定は通常、"すべての Microsoft SQL Server クラスター"、"ビジネスクリティカルなクラスター" などのフェールオーバー クラスターのクラスに特有のものであるため、各更新実行プロファイルには、その更新実行プロファイルを使用するフェールオーバー クラスターのクラスに応じた名前を付けることをお勧めします。 また、更新実行プロファイルは IT 組織内の特定のクラスに属するすべてのフェールオーバー クラスターからアクセスできるファイル共有に置いて管理することもお勧めします。