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ネットワーク アップグレード プロセスの Winnt32 フェーズ

注: Microsoft Windows XP (SP1 以降)、Microsoft Windows Server 2003、およびそれ以降のオペレーティング システムでは、ベンダーが提供するネットワーク アップグレードはサポートされていません。

ユーザーまたはシステム管理者は、次のいずれかのアクションを実行してアップグレード プロセスを開始します。

  • Windows 2000 以降の CD-ROM を起動した後に表示されるユーザー インターフェイスでコンポーネントのアップグレードを選択する

  • CD-ROM の \i386\winnt32.exe を選択して実行する

ユーザーまたはシステム管理者が、アップグレードするシステムで NETUPGRD_INIT_FILE_DIR 環境変数を設定した場合、NetSetup はその変数で指定されたディレクトリ内で netupg.inf ファイルを検索します。 netupg.inf ファイルには、OemNetUpgradeDirs という 1 つのセクションのみが含まれています。 このセクションの各エントリは、ネットワーク コンポーネントのベンダーが指定したアップグレード ファイル (netmap.inf ファイルなど) を含むディレクトリへの完全パスを指定します。 NETUPGRD_INIT_FILE_DIR 環境変数が設定されていない場合、NetSetup (netupgrd.dll) は自身のディレクトリ内の netmap.inf ファイルを検索します。

NetSetup は netmap.inf ファイルを読み取り、組み込みのアップグレード サポートがないネットワーク コンポーネントを識別します。 NetSetup が無人モードで実行されている場合は、ウィザードが表示されます。ただし、ユーザーまたはシステム管理者はウィザードを使用できません。 NetSetup が無人モードで実行されていない場合、ウィザードには、組み込みのアップグレード サポートがないネットワーク コンポーネントの一覧が表示されます。

ウィザードを使用すると、ユーザーまたはシステム管理者は次のことができます。

  • オペレーティング システムのインストールを中止するには、[キャンセル] をクリックします。

  • 一覧に示されているネットワーク コンポーネントをアップグレードせずにオペレーティング システムをインストールするには、[次へ] をクリックします。

  • 一覧に示されているネットワーク コンポーネントに対して、ベンダーによって提供されるアップグレード ファイルのドライブとディレクトリの場所を指定します。

    NetSetup は、指定された場所にある netmap.inf ファイルを読み取り、その場所にあるベンダーによって提供されるアップグレード ファイルをシステムのハード ディスク上の一時ディレクトリにコピーします。 この一時ディレクトリは、ベンダーによって提供されるネットワーク移行 DLL の作業ディレクトリになります。 NetSetup は、ウィザードのコンポーネント一覧から、netmap.inf ファイルを持つコンポーネントも削除します。

NetSetup は、通常は C: ドライブにある $Win_nt$.~bt ディレクトリに winnt.sif ファイル (AnswerFile とも呼ばれます) を生成します。

NetSetup は、次のように AnswerFile を生成します。

  1. NetSetup は、各ネットワーク コンポーネントを列挙するために、アップグレード前のシステムのレジストリを読み取ります。 組み込みのアップグレード サポートがあるネットワーク コンポーネントごとに、NetSetup はレジストリから読み取った情報を AnswerFile に書き込みます。

  2. 組み込みのアップグレード サポートがないネットワーク コンポーネントごとに、NetSetup はコンポーネントの netmap.inf ファイルを読み取ります。 netmap.inf ファイルは、ネットワーク コンポーネントのアップグレード前のデバイス、ハードウェア、または互換性 ID を、アップグレード後のオペレーティング システムの対応する ID にマップします。 NetSetup がレジストリから読み取ったネットワーク コンポーネントのアップグレード前の ID が、netmap.inf ファイルの OemNetAdaptersOemNetProtocolsOemNetServices、または OemAsyncAdapters セクションのアップグレード前の ID と一致する場合、NetSetup はコンポーネントのベンダーによって提供された情報を AnswerFile に書き込みます。

  3. コンポーネントのオペレーティング システム デバイス、ハードウェア、または互換性 ID を使用して、NetSetup は netmap.inf ファイルの OemUpgradeSupport セクションを読み取り、どのネットワーク移行 DLL を読み込むかを決定します。 次に、NetSetup は、ネットワーク移行 DLL を読み込み、DLL の PreUpgradeInitialize 関数を呼び出します。 PreUpgradeInitialize 関数は、DLL が自身を初期化するために使用する情報を提供します。

  4. NetSetup は、ネットワーク移行 DLL によってサポートされているネットワーク コンポーネントごとに DLL の DoPreUpgradeProcessing 関数を 1 回呼び出します。 DoPreUpgradeProcessing は、ネットワーク コンポーネントのアップグレード前のパラメーター値をレジストリから読み取り、NetUpgradeAddSection 関数と NetUpgradeAddLineToSection 関数を呼び出して、これらのパラメーターと他のコンポーネント固有の情報を AnswerFile に書き込みます。 DoPreUpgradeProcessing は、AnswerFile に適切なエントリを作成することで、アップグレード前のコンポーネントに関連付けられているバイナリ データを移行することもできます。

  5. AnswerFile が完全に生成されると、NetSetup はベンダーによって提供されたアップグレード ファイルを適切なディレクトリにコピーしてから、アップグレード プロセスのテキスト モード フェーズで起動します。