Stampinf タスク
Windows Driver Kit (WDK) には StampInf タスクが用意されているため、MSBuild を使用してドライバーをビルドするときに stampinf.exe ツールを実行できます。 stampinf.exe ツールの詳細については、「Stampinf」をご参照ください。
Inf 項目は、StampInf タスクのパラメーターを送信します。 stampinf の項目メタデータには、プロジェクト ファイルの Inf 項目を使用してアクセスします。
次の例は、.vcxproj ファイル内のメタデータを編集する方法を示しています。
<ItemGroup>
<Inf Include="a.inf">
<SpecifyArchitecture>true</SpecifyArchitecture>
<Architecture>x86</Architecture>
</Inf>
<Inf Include="b.inf">
<SpecifyArchitecture>false</SpecifyArchitecture>
<Architecture>amd64</Architecture>
</Inf>
</ItemGroup>
コマンド ライン呼び出しの例を次に示します。
stampinf.exe –a "x86" a.inf
stampinf.exe b.inf
上の例では、MSBuild は a.inf と b.inf の両方でstampinf.exeを呼び出しますが、パラメーターのセットは異なります。 b.inf の場合、アーキテクチャ メタデータが指定されている場合でも、SpecifyArchitecture メタデータは false に設定されます。 したがって、–a スイッチはコマンド ラインでは有効になっていません。 このメタデータを TRUE に設定すると、コマンド ラインで –a amd64 が有効になります。 この方法では、このメタデータを切り替えるだけで、アーキテクチャ メタデータ自体を編集する必要はありません。
StampInf タスク パラメーター | 項目メタデータ | ツール スイッチ |
---|---|---|
ソース
必須の ITaskItem 型のパラメーターです。 ソース・ファイルのリストを指定します。 |
%(Inf.OutputPath)%(Inf.FileName).inf | -f[source] |
SpecifyArchitecture
true に設定すると、-a スイッチが有効になります。 |
%(Inf.SpecifyArchitecture) | |
アーキテクチャ
省略可能な string 型のパラメーターです。 ターゲット プラットフォームのアーキテクチャを指定します。 |
%(Inf.Architecture) | -a[architecture] |
CatalogFile
省略可能な string 型のパラメーターです。 INFバージョン セクションでカタログ ファイル ディレクティブを指定します。 |
%(Inf.CatalogFileName) | -c<catalogFile> |
SpecifyDriverVerDirectiveDate
true に設定すると、–d スイッチが有効になります。 |
%(Inf.SpecifyDriverVerDirectiveDate) | |
DriverVerDirectiveDate
任意の文字列 |
%(Inf.DateStamp) | -d[date|] |
DriverVerDirectiveSection
省略可能な string 型のパラメーターです。 INF DriverVer ディレクティブを配置する INF セクションを指定します。 |
%(Inf.DriverVersionSectionName) | -s |
SpecifyDriverVerDirectiveVersion
true に設定すると、–v スイッチが有効になります。 |
%(Inf.SpecifyDriverDirectiveVersion) | |
DriverVerDirectiveVersion
省略可能な string 型のパラメーターです。 ドライバー ディレクティブのバージョン番号を指定します。 |
%(Inf.TimeStamp) | -v[time|] |
KmdfVersion
省略可能な string 型のパラメーターです。 このドライバーが依存する KMDF のバージョンを指定します。 |
%(Inf.KmdfVersionNumber) | -k<version> |
MinimalRebuildFromTracking
省略可能な Boolean 型のパラメーターです。 true の場合、追跡された増分ビルドが実行されます。 それ以外の場合は、再構築が実行されます。 |
%(Inf.MinimalRebuildFromTracking) | |
ToolPath
省略可能な string 型のパラメーターです。 ツールが配置されているフォルダーへの完全なパスを指定できます。 |
$(StampInfToolPath) | |
TrackerLogDirectory
省略可能な string 型のパラメーターです。 トラッカーが tlog を書き込むためのログ ディレクトリを指定します。 |
%(Inf.StampInfTrackerLogDirectory) | |
TrackFileAccess
省略可能な Boolean 型のパラメーターです。 true の場合、このタスクのファイル アクセス パターンを追跡します。 |
$(TrackFileAccess) | |
UmdfVersion
省略可能な string 型のパラメーターです。 このドライバーが依存する UMDF のバージョンを指定します。 |
%(Inf.UmdfVersionNumber) | -u<version> |
Verbosity
省略可能な Boolean 型のパラメーターです。 Stampinf 出力の詳細度を有効にします。 |
%(Inf.EnableVerbose) | -n |