SaaS を構築する理由
このユニットでは、顧客とソフトウェア プロバイダーの両方の観点から SaaS モデルが選択される主な動機に焦点を当てます。
顧客が SaaS を使用する動機
使用した分を支払う
この消費モデルは、顧客により高い自由度を提供し、使用したものに対して使用した分だけの支払いを行うことを可能にします。
総保有コスト (TCO) を下げる
SaaS を購入することで、ソフトウェア プロバイダーが基盤インフラストラクチャと運用の責任を負うことになるため、顧客は独自のハードウェア、内部リソース、IT、運用に投資する必要がなくなります。
柔軟な購入モデル
必要かつ情報システム管理部門によって許可される場合には、ビジネス所有者は情報システムに任せる代わりにソリューションの選択をより細かく制御することができます。
運用経費 (OpEx) 対設備投資 (CapEx)
顧客が SaaS ソリューションの購入を好む財務および税務上の理由が存在します。なぜなら OpEx では税控除の恩恵がより早くに得られるためです。
ソフトウェア プロバイダーが SaaS ソリューションを作成する動機
市場における高い需要
顧客が SaaS モデルを好むことから、ソフトウェア プロバイダーは従量課金ベースのソフトウェアの提供を希望するようになります。
より大きな財務上のインパクト
市場における実例は、SaaS 企業の方がより高い評価とより良いビジネス変革を実現できることを示しています。
コストの削減
適切なアーキテクチャ、開発、運用モデルがあれば、基盤インフラストラクチャを制御することで 1 つのプラットフォーム上で顧客をサポートする方が簡単かつ安価です。
スケール メリット
ソフトウェア プロバイダーはソフトウェアのコピーを販売します。これは、同じ種類の製品が大量に生産されることで出荷単位ごとの価格が押し下げられる従来の製造業と類似しています。
ソフトウェアに関しても、プラットフォーム上のユーザーが増えれば増えるほど、利益率は高くなります。 ソフトウェア コピーだけではなく、基盤インフラストラクチャのコストを含むサービス全体が製品となります。
双方が SaaS モデルを求める動機
市場投入期間の短縮
基盤環境と運用を制御していることで、ソフトウェア プロバイダーはより迅速に顧客に新しい機能を提供することが可能になります。
セキュリティ
ソフトウェア プロバイダーは、顧客データの保護、および最新のセキュリティとコンプライアンスの規制の使用の責任を負い、顧客に対してセキュリティを保証します。
Contoso のシナリオ
Contoso の場合、ターゲット顧客は専任のデザイナーの確保や Web サイト用の独自のインフラストラクチャのサポートを行いたくないと考えているので、SaaS ソリューションの提供は理にかなっています。 Contoso の顧客は、使用したサービスに対してだけ支払いを行いたいと考えています。
Contoso は、データ分析と自動修正という価値も提供します。 この機能がなければ、顧客は Web 開発者やデザイナーを雇って分析を行い、変更を提案して実装することが必要になります。