パフォーマンス ベンチマークと成功基準を定義する
パフォーマンス ベンチマークは、ビジネス パフォーマンスの目標と制約が、実装時に構築されるソリューションによって達成できることを示すメトリックまたは評価基準です。
パフォーマンス ベンチマークは、対象となるトランザクションとユーザーの量を、特定のデータの開始点から許容可能な時間や応答時間内で処理できることを示します。
パフォーマンス ベンチマークは、実際のワークロードと数千のユーザーの同時処理についての質問に対する回答を示します。 また、運用後の数年間のパフォーマンスとスケーラビリティや、運用開始後に他国にロールアウトする際のパフォーマンスについての回答も示します。
パフォーマンス目標を達成するためのパフォーマンス チューニング プロセスの作成
パフォーマンス テストは繰り返し行われ、テストにはライフ サイクルと明確な手順を含む定義されたプロセスが必要です。 一部のテストは、必要なソリューションが得られるまで繰り返し実行する必要があります。 パフォーマンス目標を明確にし、チューニング シナリオに優先順位を付ける必要があります。
一般的なパフォーマンス チューニング プロセスには、次の手順が含まれます。
- 絞り込み - これは各シナリオの最初の手順です。 最も時間がかかっているプロセスを確認し、そのプロセスにフォーカスを当てます。 たとえば、呼び出しの数を検証したり、プロセスが実行中か待機中かを検証したりします。
- トラブルシューティング - プロセスの特定部分で時間がかかっている理由を分析します。 理由として、構成、ループ、行ごとの処理、ロックやシングル スレッドなどのリソースの競合が考えられます。
- ソリューション - 修正の作成 - Microsoft またはパートナー/プロバイダーの修正プログラムに必要なリード タイムを考慮します。 機能拡張を使用することで、修正が可能な場合があります。
- ソリューションの評価 - パフォーマンス目標の達成の検証を行います。
- 新しいソリューションをテストします。
- ソリューションを繰り返しテストするかデプロイします。
パフォーマンス ベンチマーク活動 RACI の例
戦略定義の一部は、ロールと責任を定義することです。 次の表に、パフォーマンス ベンチマーク活動、および顧客と実装パートナー間の責任の例を示します。
RACI の略語:
- R - 実行責任者
- A - 説明責任者
- C - 協業先
- I - 報告先
活動 | パートナー (例) | 顧客 (例) |
---|---|---|
対象となるビジネス目標または予想されるビジネス目標を定義する | I | AR |
詳細なベンチマーク シナリオを定義する | RIC | A |
タスクの記録と再現手順の文書化を行う | I | AR |
環境アーティファクト (コード ビルドと使用するデータベース) を提供する | I | AR |
ベンチマーク環境を構築する | R | A |
テスト スクリプトおよびデータ スクリプトを作成する | R | A |
パフォーマンス ベンチマークを実行する | R | A |
パフォーマンス ベンチマーク レポートを配信する | R | A |
標準のソリューションで問題が発生した場合は、Microsoft にサポート要求を送信する | C | AR |
パフォーマンス ベンチマークの成果物
パフォーマンス ベンチマークは、ソリューションによって重要なビジネス シナリオが想定どおりに実行されることを示します。 ベンチマークの主要な成果物には、パフォーマンス ベンチマーク レポート、各反復テストで検出され修正された問題、および各繰り返しで実行される最適化が含まれます。