マルチステップ フォームのプロセス

完了

フォーム機能を使用すると、ユーザーは Power Pages Web サイトにある個々の Dataverse 行にアクセスすることができます。 よくある問題として、Microsoft Dataverse の行が複雑すぎて 1 つのページに表示できないケースや、複数の Dataverse テーブルを含んだデータが必要なケースがあります。 以下のセクションでは、Web サイトでデータ キャプチャを実装する手段として、基本フォームが効果的でない場合や、そもそも使用できない場合について考えていきます。

アンケート

サポート案件の終了後に、顧客からフィードバックを取得する必要があるというシナリオについて考えてみましょう。 アンケートの完了率を高めるために、顧客がサポート案件への対応を 5 点満点中の 5 点と評価した場合には、他の情報を取得する必要はないものとします。

このシナリオでは、マルチステップ フォームを使用して、情報の取得用に 2 ページを実装し、分岐ロジックを追加できるようにます。

アンケートを設計する際は、組み込みのフィードバック テーブルを拡張して、入力データの取得に使用できるかどうかや、別のテーブルを作成したほうが適切かどうかを検討します。 一般に、フィードバック テーブルは、製品や問題に関するフィードバックなど、比較的短くて、対象の絞られたアンケートに適しています。 詳細については、「Power Apps でフィードバック用のテーブルを構成する」を参照してください。

複雑なデータ キャプチャ

複雑なデータ キャプチャを伴う実装では、企業はオンライン トレーニングへの申し込みを受け付けます。 プロセスは選択的なものとなり、トレーニングは専門的で、対象者は限定されています。 申請者は、学歴や職歴などの前提条件を満たしている必要があります。

申請者は、要件をすべて認識しているとは限りませんし、必要な資格証明をすべて事前に準備しているとも限りません。 申請プロセスには、申請の中断や再開ができる機能や、複数のファイルのアップロードに対応できる機能を実装する必要があります。 また、複数のテーブルが必要になる場合もあります。 基本情報ステップや ID 検証ステップでは、連絡先行が更新されます。それと同時に、残りのデータが申請プロセス用の個別のテーブルでキャプチャされます。

このシナリオでは、進行状況インジケーターと "進む/戻る" ナビゲーションを使用して、ウィザード形式の申請プロセスを実装するので、マルチステップ フォームが効果的です。

複数ステップのデータ キャプチャを計画する際には、次の点を考慮してください。

  • プロセスは合理化されているか、または条件分岐が含まれているか?

  • プロセスにはどのようなテーブルが含まれているか、またそれらは相互にどう関連しているか?

  • Web サイト ユーザーは、プロセスを始める前に認証を受ける必要があるか?

  • ユーザーがプロセスの中断や再開をすることはできるか?

  • ユーザーは 1 つのプロセスに制限されるのか、それとも各ユーザーに複数のプロセスが許可されるのか?

  • メモやファイルのアップロードに対応する必要はあるか?

  • サブグリッドを使用して表示される、複数の関連行を含める必要があるか?

これらのプロセスや同様のプロセスの実装をサポートするために、マルチステップ フォームでは、フォームの概念を拡張して、複数ステップや複数フォームのやり取りを可能にしています。 マルチステップ フォームを使用すると、次のように、複雑なフォームを構築できます。

  • 単一または複数ステップのナビゲーション

  • 条件分岐

  • 複数のテーブルをまたいだデータ入力

  • 1 つのフロー内で連結されたカスタム要求

一般的な方法

マルチステップ フォームは慎重に使用してください。 このフォームは強力ですが、基本フォームよりも作成や管理が複雑です。 複雑なビジネス プロセスを評価するときは、データ キャプチャ要件を分析してください。 単一のテーブルにキャプチャの対象となる列が多数含まれているとき、そのテーブルのデータ入力プロセスを扱う場合は、複数のタブを持つフォームを作成し、タブからステップを自動生成フォーム オプションを使用して、データ入力の複数画面を自動的に生成することを検討してください。必要に応じて次へおよび前へボタンを追加することも検討してください。

マルチステップ フォームは、プロセスで分岐を使用する場合や、プロセスが複数のテーブルにまたがる場合、または中断や再開機能が必要な場合に適しています。 これらのシナリオでは、プロセスをより小さなステップに分割することで、実装と管理が容易になります。

プロセスのフローチャートやダイアグラムを作成し、ステップを一覧にまとめてください。 ステップの名前付け規則を使用して、次のような分かりやすい名前を付けてください。

  1. 評価のキャプチャ

  2. 評価のチェック (条件)

  3. 追加情報

ヒント

通常、ステップではシーケンス内の次の手順をポイントする必要があるため、最後から最初へとさかのぼりながら、ステップを構築してください。そうすれば、ステップの作成中にルックアップを配置する際、前に戻って再度編集する必要がありません。

シーケンス内の次の手順については、特に制限はありません。 ステップでは、前のいずれかのステップ (自身を含む) を示して、ループを作成することができます。 この方法は、別の項目を追加するなど、繰り返し可能なデータ入力に役立ちます。ループからの条件付き出口がクリーンであることを確認してください。

マルチステップ フォームを作成する

Power Pages デザイン スタジオには、マルチステップ フォームを作成および設定するための最新のエクスペリエンスが用意されています。 デザイン スタジオでマルチステップ フォームを作成するには、次の手順を実行します。

  1. Power Pages ホームにサインインします。

  2. 右上隅で適切な環境を選択します。

  3. Web サイトを選択してから、編集を選択します。

  4. ページ ワークスペースを選択します。

  5. + ページを選択します。

    • 任意のページ名を入力します。

    • 空白から開始テンプレートを選択します。

    • 追加を選択します。

  6. ページ キャンバスの空のセクションで、コンポーネント ライブラリからマルチステップ フォーム コンポーネントを選択します。

  7. 新しいマルチステップ フォームを選択します。

  8. 必要な情報を入力し、OK を選択して、フォームを作成します。

  9. 必要に応じてステップを個別に追加します。

デザイン スタジオでは、多くのマルチステップ フォーム機能を設定できます。 詳細については、「マルチステップ フォームを追加」を参照してください。 ただし、一部の機能を設定するには、ポータル管理アプリを使用する必要があります。 詳細については、「ポータルの高度なフォームのステップを定義する」を参照してください。