Azure Monitor を Microsoft Operations Manager と統合する
Contoso のような、Operations Manager 2016 以降を実行していて Azure Monitor 機能の利用を検討しているお客様は、既存のデプロイを Log Analytics と統合できます。 それにより、このモジュールで前に説明した利点が得られるだけでなく、Operations Manager を使用して以下を実行できます。
- オンプレミス サービスの正常性を監視する。
- インシデントや問題管理など、オンプレミスの ITSM Connector ソリューションを統合する。
- オンプレミス システムにデプロイされたエージェントを管理する。
概要
Azure Monitor を Operations Manager と統合すると、これら 2 つのサービスの間で相乗効果が得られます。 結果として得られるソリューションでは、Operations Manager で構成可能な範囲内において、データの収集、保存、分析で Azure Monitor のスピードと効率を実現できます。 Azure Monitor は、パフォーマンス、イベント、アラート データの分析に役立つクエリ エンジンとレポートの機能により、Operations Manager の機能を補完します。
たとえば、Azure Monitor for VMs のマップ機能を Operations Manager と組み合わせて実装すると、後者を使用し、Azure Monitor の動的な依存関係マップに基づいて分散型アプリケーション ダイアグラムを作成できます。 さらに、管理グループにレポートを行うすべての Windows コンピューターに Service Map 管理パックをデプロイできます。これにより、Operations Manager コンソール内で一部の Service Map 機能を利用できるようになります。
Operations Manager 管理グループにレポートを行うエージェントは、Log Analytics データ ソースの設定と対応する Log Analytics ワークスペースで有効なソリューションに基づいて、サーバーからデータを収集します。
ヒント
Windows エージェントは、Operations Manager 管理グループへのレポートを行っている場合でも、1 つ以上のワークスペースにレポートを行うよう構成できます。
ソリューション固有の設定により、データが Operations Manager 管理サーバーと Log Analytics ワークスペースのどちらに送信されるかが決まります。 前者の場合、管理サーバーはデータを Log Analytics ワークスペースに転送します。
注意
Windows エージェントでは、最大 4 つのワークスペースを報告できます。 ただし、管理グループは、1 つの Log Analytics ワークスペースにのみ接続できます。
管理サーバーは Azure Monitor への接続を失うと、Log Analytics ワークスペースへのアクセスが再確立されるまで、収集したデータを一時的にローカルにキャッシュします。 計画メンテナンスや想定外の停止の結果、いずれかの管理サーバーがオフラインになると、同じ管理グループ内の別の管理サーバーが Azure Monitor との通信を引き継ぎます。
注意
オンプレミスのセキュリティ ポリシーによってコンピューターによるインターネットへの直接接続が許可されていない場合は、Log Analytics ゲートウェイに接続して Azure Monitor の構成設定を取得し、収集済みのデータを転送するよう、管理サーバーを構成できます。
Azure Monitor と Operations Manager の統合を実装する
一般に、Operations Manager と Log Analytics ワークスペースの統合を実装するには、Operations Manager コンソールで使用可能な Operations Management Suite オンボード ウィザードを使用して、Microsoft Operations Management Suite (OMS) 接続を登録する必要があります。 登録プロセス中に、ターゲットの Azure テナント、サブスクリプション、Log Analytics ワークスペースを指定するよう求められます。
Operations Manager を Azure Log Analytics ワークスペースに登録した後、Azure Monitor についてのログ データを収集するエージェント型マネージド コンピューターを指定する必要があります。
ヒント
これらのエージェント型マネージド コンピューターは、個別のコンピューター オブジェクトであることも、Windows コンピューター オブジェクトを含んでいるグループであることもあります。
注意事項
コンピューターを指定しないと、Log Analytics は、管理グループにレポートを行うエージェントからデータを収集しません。
構成が完了したら、Operations Manager 管理グループは Azure Monitor への永続的な接続を確立します。 この接続は、実装することに決定した Azure Monitor ソリューションに対応する管理パックを取得するために使用されます。
これらの管理パックは有効になった後に、Operations Manager によって自動的にダウンロードされ、インポートされます。
ヒント
どの管理パックにも、更新プログラムのコントロール、スケジュール設定または完全な無効化を行えるオーバーライドとルールを構成するオプションがあります。
場合によっては、追加の構成が必要になることがあります。 たとえば、Operations Manager 管理グループに含まれているオンプレミス サーバー用にマップ機能を実装するには、Service Map 管理パックをインポートする必要があります。これにより、Operations Manager オペレーション コンソールの [管理] ペインの Operations Management Suite に Service Map ノードが追加されます。
注意
このノードによって、Microsoft Operations Management Suite ワークスペースの追加ウィザードを使用して、ターゲット Log Analytics ワークスペースを指定できるようになります。
登録プロセスでは、Service Map ノードが [管理] ペインに追加されます。
Service Map ノードでは、以下を監視できます。
- アクティブなアラート
- 監視対象サーバーのリスト
- Azure Monitor の Service Map 機能を使用して作成された表示グループと、それらの依存関係
これらのビューは、Operations Manager で分散型アプリケーションを作成するのに役立ちます。