Red Hat on Azure を使用するタイミング

完了

意思決定の基準

次の条件は、Red Hat on Azure がユース ケースに適しているかどうかを判断するのに役立ちます。

  • アプリケーションの種類
  • アプリの開発戦略
  • プログラミング言語
  • インフラストラクチャ環境
意思決定の基準 考慮事項
アプリケーションの種類

Red Hat は、Oracle、SAS、SAP などの最大規模のエンタープライズ ソフトウェア ベンダーと数十年にわたって連携し、Red Hat 製品上の各社のアプリケーションを認証しています。 Red Hat にはこのように強力なパートナーシップがあるので、SAP や SAS アプリケーションを Azure に移行する際に優れた選択肢となります。

SUSE などの他の Linux ベンダーを主に利用している場合は、Linux で特定のアプリケーションをサポートするパッケージが、そこから提供されているかどうかをまず調べることをお勧めします。

アプリの開発戦略

Azure Red Hat OpenShift サービスは、モダン アプリケーションのビルドに対するコンテナー化アプローチをサポートしています。 このプラットフォームには、完全なソフトウェア開発ライフサイクルに必要なすべてのツールが含まれています。

DevOps または DevSecOps を実行している場合、セキュリティのベスト プラクティスの実装や CI/CD パイプラインのあらゆる段階でのスキャンなど、OpenShift でアプリケーションを構築およびデプロイするために必要な機能が Azure Red Hat OpenShift に用意されています。

Amazon Kubernetes Service や Docker など、コンテナー管理にその他の Kubernetes エンジンを使用している場合は、Azure Red Hat OpenShift の方が豊富な機能が用意されています。

プログラミング言語

Java ベースの開発組織があり、クラウド対応の完全にサポートされているエンタープライズ Java アプリケーション サーバーが必要な場合は、JBoss EAP を検討する必要があります。

クラウド移行計画を簡素化するために使用できる柔軟なアプリケーション サーバーが用意されているため、JBoss EAP は Java アプリケーションを短期間でモダン化するのに適しています。 パブリック、プライベート、ハイブリッド、マルチクラウドのインフラストラクチャ全体のデプロイ用に最適化されています。

スタンドアロンで Spring Boot を使用している場合は、JBoss が最適な選択肢ではないことがあります。

インフラストラクチャ環境

Red Hat のオファリングにより、モダン IT およびエンタープライズ ハイブリッド クラウドのデプロイ向けに、一貫したインテリジェントな運用基盤を実現できます。 インフラストラクチャ全体に一貫性があるので、場所を問わず同じツールを使用してアプリケーション、ワークロード、サービスをデプロイできます。

Red Hat と Azure は、FIPS、Common Criteria、HIPPA、PCI など、多くのセキュリティ標準のコンプライアンスを満たしています。 企業、規制、業界の要件に確実に準拠しながら、最新のセキュリティ脅威からシステムを保護するのに役立ちます。

主に競合他社のクラウドで運用している場合や、自社のインフラストラクチャをご自身で管理したい場合は、Red Hat on Azure はワークロードに適したソリューションではない可能性があります。

サンプル シナリオ

このシナリオ例では、あなたが勤務するオンライン小売企業により、オンプレミスのデータセンターにホストされている Red Hat 上で Java ベースの Web サイトが運営されています。 Web サイトの新しい機能を構築し、カスタマー エクスペリエンスを向上させるため、あなたは Azure で Red Hat ソリューションを使うことを提案しました。 また、Cloud Access または Azure Marketplace からテスト済みの信頼できるイメージを選ぶことで、すぐに始めることも提案しました。

この小売企業は既にオンプレミスで Red Hat を使用しており、使い慣れた機能が用意されているため、Red Hat Enterprise Linux on Azure は理にかなった選択です。 また、Azure を選択することは、顧客の個人的な支払い情報を取り扱うためにチームが満たす必要のある PCI 標準に常に対応できることも意味します。 あなたは、チームがより最新のアプリケーション開発戦略を採用するのを、Red Hat OpenShift を使って支援することを提案します。 OpenShift は、開発者のじゃまになるものを取り除くのに役立ち、アプリケーションの継続的なデリバリーとデプロイを、少ないメンテナンスで迅速に実行できるようになります。 最後に、JBoss EAP は、Web サイトが主なプログラミング言語として Java を使用するため、アプリ自体を最新化するための優れた選択肢となります。