はじめに
重要な科学的問題を解決する量子コンピューターの可能性は、商業的な問題にも及びます。 量子コンピューターの商用利用を実現するには、多数の量子ビット (または "キュービット"、量子コンピューティングの基本測定単位) の重ね合わせと、一定のしきい値以下である物理的エラー率の両方を備えた、大規模でフォールト トレラントなコンピューターを用意する必要があります。 また、フォールト トレランスを実現するには、クォンタム エラー訂正 (QEC) スキームが必要です。 QEC は時間と空間の両方を消費するため、アルゴリズム レベルや論理レベルの演算は実行時間が長くなります。 さらに、より多くの情報を格納して計算するには、より多くの物理量子ビットが必要です。
これらの要件を考えると、量子コンピューターやクォンタム ソリューションを商用利用のために開発する際には、リソース推定が非常に重要になります。 量子コンピューティング ソリューションを計画するには、アーキテクチャ設計の選択と QEC スキームが与える影響を理解することが重要です。
Azure Quantum リソース推定器を使うと、物理量子ビットや QEC モデルなどのアーキテクチャ パラメーターのさまざまな選択が全体的な物理リソース推定に及ぼす影響を分析できます。 このモジュールでは、フォールト トレラントな量子コンピューティングにおけるリソース予測についての基本的な概念をいくつか学習します。また、Azure Quantum リソース予測ツールについて説明します。
学習の目的
このモジュールを完了すると、次のことができるようになります。
- Azure Quantum リソース推定器とは何かについて説明します。
- Azure Quantum リソース推定器のターゲット パラメーターを定義します。
- Azure Quantum リソース推定器を使って、量子アルゴリズムのリソースを推定します。
前提条件
- 最新バージョンの Visual Studio Code。
- Quantum 開発キット拡張機能の最新バージョン。
- Python と Pip がインストールされた Python 環境。
- Python および Jupyter 拡張機能がインストールされた VS Code。