コスト管理規範を発展させる
予算、経費、レポート、コスト追跡について意識するチーム カルチャを築きます。 |
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コストの最適化は、組織のさまざまなレベルで行われます。 ワークロードが、組織の目標や FinOps のプラクティスとどの程度一致しているかを理解することが重要です。 ビジネス ユニット、リソースの編成、一元化された監査ポリシーを理解していれば、標準化された財務システムとアプローチをワークロードに適用できます。
サンプル シナリオ
Contoso は展示会を企画して開催します。 Contoso は、社内でモバイル アプリを開発して、展示会のチケット販売プロセスを効率化できないかと考えています。 以下のシナリオは、アイディエーションから実装までの開発プロセスに沿ったものですが、コストの最適化に関する問題に重点が置かれています。 .NET で記述された Web アプリであるこのモバイル アプリは、Azure App Service インフラストラクチャでホストされ、そのデータベースとして Azure SQL Database を使います。
コスト モデルを作成する
コスト モデルを開発します。 この基礎的な演習は、財務追跡システムをセットアップするための前提条件です。
コスト モデルは、経費をインフラストラクチャ、サポート、実装などのセグメントに分けて、総保有コストの見積もりと予測を行うのに役立ちます。 これにより、コスト要因を早い段階で明らかにし、使用量の増加または現象が、ワークロードについて計画されているビジネス モデルでの全体的な収益と支出にどのように影響するかを予測できます。
"Contoso の課題"
- アイディエーション フェーズに着手したワークロード チームは、このようなエクスペリエンスを提供するための総保有コストがどうなるのか予測できません。これは、通常は短期間で大量の需要を処理するチケット システムという特殊な事情のためでもあります。 チームは、小さなものから始めて少しずつ大きくしていく必要があることはわかっていますが、ワークロードの構築と保守に対する段階的アプローチのコストを予測するためにこれをモデル化する方法がわかりません。
- これらの初期段階での見積もりがないと、プロジェクトの初期資金の取得と、長期的に必要な資金の予測が容易ではありません。
"アプローチの適用と結果"
- ワークロード チームは、時間をとって、さまざまなシナリオでの推定コストをモデル化します。ワークロードの構築に必要なリソースの種類はわかっており、さまざまな負荷パターンをサポートできる異なる構成を調べて、Azure の初期コストとその時間的な変化を理解します。
- チームは、インフラストラクチャ コストの大まかな見積もりと、チームの支出およびオファリングからの収益の見積もりを組み合わせて、コスト モデルを作成します。
- このモデルを使うと、コストの予測を開始し、時間が経って使用量が増えたらコストがどのように増えるのかを理解できます。 チームは、アーキテクチャと運用に関する決定が行われて予測の精度が高くなったら、モデルを調整できることを理解しています。
現実的な予算を見積もる
交渉の余地がない機能と機能以外の要件、人件費とトレーニング コスト、予想される成長に備えるプロセスをすべてカバーする現実的な予算を見積もります。
財務的境界を設定し、割り当てられた予算に対して支出をチェックする方法を確立できます。 また、特定のしきい値を超えたら通知を受け取るようにします。これにより、テナント スコープ、リソース スコープ、および予算に適用されるその他のスコープでの浪費を防ぐことができます。
"Contoso の課題"
- このシナリオでは、アプリは設計フェーズであり、初期リソースの SKU が決定されています。
- Contoso は、モバイル チケット作成ワークロードに資金を割り当てる必要があります。
- 自由裁量でワークロードの実行を許可するわけにはいきません。 事前の割り当てが不足するとワークロードのタイムラインと成功が危うくなる可能性があり、過剰に割り当てるとワークロードの短期的なニーズに合わない不要な先行投資につながる可能性があるため、ワークロードに対して現実的な予算を決める必要があります。
"アプローチの適用と結果"
- より正確な値でコスト モデルを改善した後、チームは見積もりの信頼度が高く擁護できる予算を関係者に提供します。
- 予算が執行されたら、ワークロード アーキテクトは財務上の制約に基づいて設計を開始できます。 実装と運用に必要なものについてさらに詳しくわかった時点で、ワークロード チームは少し再交渉が必要であると考えます。
- チームは若干のバッファーを要求しますが、最終的には予算の割り当てを守って財政責任を果たします。
上流へのコミュニケーションを促進する
アーキテクトからアプリケーション所有者に対する上流へのコミュニケーションを促進します。
フィードバックに基づいて判断するとコストが削減されます。これは、数値データと同じように意味があるものと見なす必要があります。 入力を使用して現実的な設計変更とビジネス戦略を推進するよう、従業員を支援します。
"Contoso の課題"
- Contoso のモバイル チケット販売ワークロードは正常に実装され、運用されています。
- しばらく使用パターンを分析した後、ワークロード チームのメンバーは、実際には実装のコスト効率が最大限には最適化されていないことに気付きます。
- プロジェクト管理と財務はこれまでのワークロードの成功に満足しているようなので、メンバーは何か言うべきかどうか決めかねています。
"アプローチの適用と結果"
- ワークロード チームは、"自分のものであるように使う" ように促され、セキュリティ、信頼性、パフォーマンスを損なうことなく、もっとコスト効率のよい方法でアプリケーションの機能要件に対処できる、現在の設計に対する代替アプローチが見つかったときは、製品管理チームに伝えるよう後押しされます。
- そのため、ワークロード チームは、わかったことを関係者に伝え、設計変更の長所と短所について話し合います。
- 設計変更が承認されて、コストの削減が実現されます。