前提条件、ベスト プラクティス、およびパフォーマンスのサイズ設定
Azure NetApp Files をデータストアとして、またはゲストにマウントするファイル システムとしてデプロイする場合は、デプロイ確実に完了させてパフォーマンス要件を満たすために、前提条件とベスト プラクティスをあらかじめ確認しておいてください。
前提条件
Azure VMware Solution (AVS) 用に Azure NetApp Files ボリュームをデプロイする場合は、あらかじめ以下のリソースを作成しておいてください。
- AVS プライベート クラウド (複数可)
- UltraPerformance または ErGw3Az SKU で構成し、ExpressRoute ゲートウェイ経由で接続されている、FastPath を有効にした専用 VNet
Microsoft.NetApp/volumes
サービスに委任されたサブネット- AVS プライベート クラウドと同じリージョン内に作成した NetApp アカウント
- 適切なサービス レベルとサービス品質 (QoS) の種類に該当する Azure NetApp Files 容量プール
この図は、AVS プライベート クラウドと専用 Azure NetApp Files VNet とを結ぶ論理接続を示しています。
ベスト プラクティス
AVS を使用して Azure NetApp Files ボリュームをデプロイする際は、以下のベスト プラクティスに従ってください。
- ExpressRoute ゲートウェイには UltraPerformance または
ErGw3Az
SKU を使用します。 - AVS プライベート クラウドと専用 Azure NetApp Files VNet とを結ぶ接続は、FastPath を有効に設定します。
- AVS プライベート クラウドと Azure NetApp Files ボリュームとの間のネットワーク スループットは、Standard ネットワーク機能を使用して最適化します。
- ゾーン配置を使用し、AVS プライベート クラウドと同じ可用性ゾーン (AZ) 内に Azure NetApp Files ボリュームをプロビジョニングします。
- Azure NetApp Files ボリュームは、パフォーマンス要件を満たすための適切なサイズに設定します。
パフォーマンスのサイズ設定
AVS を使用して Azure NetApp Files をデプロイする際には、適切なサービス レベルとボリューム サイズを選択することが重要です。
サービス レベル
Azure NetApp Files には以下 3 つのサービス レベルがあります。どのレベルでも、プロビジョニングしたボリューム サイズに応じた異なるスループット制限において、クラス最高の短い待ち時間が実現されています。
- Standard: プロビジョニングした容量の TiB あたり 16 MiB/秒
- Premium: プロビジョニングした容量の TiB あたり 64 MiB/秒
- Ultra: プロビジョニングした容量の TiB あたり 128 MiB/秒
単一の Azure NetApp Files ボリュームは、スループット最大 5,025 MiB/秒、待ち時間 1 桁 (ミリ秒) の性能を発揮できます。 必要に応じて複数の Azure NetApp Files ボリュームをデプロイすると、より高いスループットの要求を満たすことができます。
無停止でのパフォーマンス スケーリング
Azure NetApp Files では、無停止でのパフォーマンス スケーリングが以下 2 つの方法でサポートされています。
- ボリューム サイズの増減: ボリューム サイズの増減を無停止で、数秒程度の短時間で実行し、ビジネス ニーズの変化にほぼリアルタイムで対応してパフォーマンス要件を満たすことができます。
- ボリュームのサービス レベル変更: ボリュームを別の容量プールに移動することにより、ボリュームのサービス レベル変更を無停止で実行できます。 ボリュームを別の容量プールに移す処理は、データのコピーや移動を必要としないため、わずか数秒で完了します。
詳細については、Azure NetApp Files 用 Azure VMware Solution データストアのパフォーマンスに関する考慮事項のドキュメントを参照してください。