演習 - スケールオブジェクトを Azure Kubernetes Service クラスターにデプロイする

10 分

この演習では、スケールオブジェクトカスタムリソース定義 (CRD) を AKS クラスターにデプロイします。スケーラーオブジェクトには、デプロイされたアプリケーションを KEDA に接続するトリガーが含まれています。 AKS にデプロイすると、KEDA によって Redis リストが監視されます。そのリストの長さが定義したしきい値を超えた場合はスケールアップされ、リストの長さがそれを下回った場合はスケールダウンされます。

`ScaledObject` マニフェストの概要

scaleTargetRef:このセクションでは、KEDA によって監視されるワークロードについて説明します。

  scaleTargetRef:
    apiVersion: apps/v1                           # Optional. Default: apps/v1
    kind: deployment                              # Optional. Default: Deployment
    name: contoso-microservice                    # Mandatory. Must be in the same namespace as the ScaledObject
    envSourceContainerName: contoso-microservice  # Optional. Default: .spec.template.spec.containers[0]

minReplicaCount と maxReplicaCount:これらの属性により、KEDA でスケーリングに使われるレプリカの範囲が決まります。この場合、最小 0 から最大 20 の範囲でスケーリングするように KEDA に指示します。
```
  minReplicaCount: 0            # Optional. Default: 0
  maxReplicaCount: 20           # Optional. Default: 100
```
Note

minReplicaCount: 0 の場合、Deployment の既定のレプリカ数は 1 から 0 になります。これは、サービスがアイドル状態で、イベントを処理していない場合に発生します。この場合、Redis リストに項目がなく、サービスがアイドル状態のままになっている場合に、KEDA で 0 にスケーリングされます。

advanced:このセクションは、KEDA の高度なカスタマイズに関連しています。 restoreToOriginalReplicaCount を使って、イベントのスケールアップ後にレプリカ数を元の値に戻すように KEDA に指示します。この場合、false に設定すると、ゼロの minReplicaCount 値にスケールダウンします。

  restoreToOriginalReplicaCount: false        # Optional. Default: false
  horizontalPodAutoscalerConfig:              # Optional. Section to specify HPA related options
    behavior:                                 # Optional. Use to modify HPA's scaling behavior
      scaleDown:
        stabilizationWindowSeconds: 300
        policies:
        - type: Percent
          value: 100
          periodSeconds: 15

triggers:このセクションでは scalers を使って、オブジェクトをアクティブ化するか非アクティブ化する必要があるかを検出し、特定のイベントソースのカスタムメトリックをフィードします。 listLength メトリックを使い、リストに 10 個の項目がある場合はスケールアップするように KEDA に指示します。
```
  triggers:
  - type: redis
    metadata:
      # address:                  # Format must be host:port
      passwordFromEnv: REDIS_KEY
      listName: keda              # Required
      listLength: "10"            # Required
      enableTLS: "false"          # optional
      databaseIndex: "0"          # optional
      hostFromEnv: REDIS_HOST
      portFromEnv: REDIS_PORT
```

詳細については、KEDA のスケーラーに関する記事を参照してください。

`ScaledObject` マニフェストを作成する

Cloud Shell で、touch コマンドを使って、scaled-object.yaml という Kubernetes の Deployment 用のマニフェストファイルを作成してください。
```
touch scaled-object.yaml
```
「code .」と入力して、Cloud Shell で統合エディターを開きます。

scaled-object.yaml ファイルを開き、YAML の次のコードセクションを追加してください。

apiVersion: keda.sh/v1alpha1
kind: ScaledObject
metadata:
  name: scaled-contoso
spec:
  scaleTargetRef:
    apiVersion: apps/v1                             # Optional. Default: apps/v1
    kind: deployment                                # Optional. Default: Deployment
    name: contoso-microservice                      # Mandatory. Must be in the same namespace as the ScaledObject
    envSourceContainerName: contoso-microservice    # Optional. Default: .spec.template.spec.containers[0]
  pollingInterval: 30                               # Optional. Default: 30 seconds
  cooldownPeriod:  120                              # Optional. Default: 300 seconds
  minReplicaCount: 0                                # Optional. Default: 0
  maxReplicaCount: 20                               # Optional. Default: 100
  advanced:                                         # Optional. Section to specify advanced options
    restoreToOriginalReplicaCount: false            # Optional. Default: false
    horizontalPodAutoscalerConfig:                  # Optional. Section to specify HPA related options
      behavior:                                     # Optional. Use to modify HPA's scaling behavior
        scaleDown:
          stabilizationWindowSeconds: 300
          policies:
          - type: Percent
            value: 100
            periodSeconds: 15
  triggers:
  - type: redis
    metadata:
      # address:                  # Format must be host:port
      passwordFromEnv: REDIS_KEY
      listName: keda              # Required
      listLength: "10"            # Required
      enableTLS: "false"          # optional
      databaseIndex: "0"          # optional
      hostFromEnv: REDIS_HOST
      portFromEnv: REDIS_PORT

マニフェストファイルを保存し (Ctrl + S)、エディターを閉じてください (Ctrl + Q)。

マニフェストを適用する

kubectl apply コマンドを使って、マニフェストをクラスターにデプロイしてください。
```
kubectl apply -f ./scaled-object.yaml
```
出力は次の出力例のようになります。
```
scaledobject.keda.sh/scaled-contoso created
```
kubectl get pods コマンドを使って実行中のポッド数を確認してください。
```
kubectl get pods
```
次の出力例のように、出力には実行中のポッドが 1 つと示されます。
```
NAME                                  READY   STATUS    RESTARTS   AGE
contoso-microservice-794d98b5-4flvg   1/1     Running   0          2m1s
```
kubectl get pods コマンドを定期的に実行して、Deployment で作業のバックログに従ってポッドの数をスケーリングしていることを確認します。

Note

Linux ユーティリティウォッチがインストールされている場合は、watch kubectl get pods コマンドを使用してポッドのスケールを確認し、Redis リスト項目を処理することができます。されていない場合は、kubectl get pods -w コマンドを使用できます。

出力は次の出力例のようになります。
```
  NAME                                  READY   STATUS    RESTARTS   AGE
  contoso-microservice-794d98b5-4flvg   1/1     Running   0          3m
  contoso-microservice-794d98b5-4jpxp   1/1     Running   0          3m
  contoso-microservice-794d98b5-4lw7b   1/1     Running   0          2m15s
  contoso-microservice-794d98b5-5fqj5   1/1     Running   0          3m
  contoso-microservice-794d98b5-5kdbw   1/1     Running   0          2m15s
```

すべての項目が処理され、cooldownPeriod の有効期限が切れると、ポッド数が 0 になることがわかります。これは、実行中のレプリカが KEDA によってすべて削除され、処理する項目が残っていないためです。

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