演算子の優先順位 (Transact-SQL)
適用対象: SQL Server Azure SQL Database Azure SQL Managed Instance Microsoft Fabric SQL Database
複合式に複数の演算子がある場合は、演算子の優先順位によって、操作のシーケンスが決まります。 実行される順序により、結果の値は大きく変わります。
演算子には、次の表に示す優先順位レベルが定義されています。 優先順位が高い演算子は、優先順位が低い演算子よりも前に評価されます。 次の表では、1 が最も高いレベルで 8 が最も低いレベルです。
Level | オペレーター |
---|---|
1 | ~ (ビットごとの NOT) |
2 | * (乗算)、/ (除算)、% (剰余) |
3 | + (正)、- (負数)、+ (加算)、+ (連結)、- (減算)、>(ビットごとの AND)、^ (ビットごとの排他的 OR)、|(ビットごとの OR) |
4 | =、>、<、>=、<=、<>、!=、!>、!< (比較演算子) |
5 | NOT |
6 | AND |
7 | ALL、ANY、BETWEEN、IN、LIKE、OR、SOME |
8 | = (代入) |
式の中の 2 つの演算子が同じ優先順位レベルの場合は、式の中での位置に従って演算子は左から右へと評価されます。 たとえば、次の SET
ステートメントで使用される式では、減算演算子が加算演算子よりも前に評価されます。
DECLARE @MyNumber INT;
SET @MyNumber = 4 - 2 + 27;
-- Evaluates to 2 + 27 which yields an expression result of 29.
SELECT @MyNumber;
式の中で演算子の定義済みの優先順位をオーバーライドするには、かっこを使用します。 1 つの値を生成するために、かっこ内のすべてのものが評価されます。 その値は、かっこ外の任意の演算子で使用できます。
たとえば、次の SET
ステートメントで使用される式では、乗算演算子の優先順位は加算演算子よりも高くなります。 乗算演算が最初に評価され、式の結果は 13
です。
DECLARE @MyNumber INT;
SET @MyNumber = 2 * 4 + 5;
-- Evaluates to 8 + 5 which yields an expression result of 13.
SELECT @MyNumber;
次の SET
ステートメントで使用される式では、かっこにより、加算が先に評価されます。 式の結果は 18
になります。
DECLARE @MyNumber INT;
SET @MyNumber = 2 * (4 + 5);
-- Evaluates to 2 * 9 which yields an expression result of 18.
SELECT @MyNumber;
式の中でかっこが入れ子になっている場合は、最も深い入れ子になった式が先に評価されます。 次の例ではかっこが入れ子になっており、かっこで囲まれている 5 - 3
という式が最も深い入れ子になっています。 この式の結果は 2
になります。 次に、加算演算子 (+
) によって、この結果が 4
に加算され、結果は 6
の値になります。 最後に 6
に 2
が乗算され、式の最終的な結果は 12
になります。
DECLARE @MyNumber INT;
SET @MyNumber = 2 * (4 + (5 - 3) );
-- Evaluates to 2 * (4 + 2) which then evaluates to 2 * 6, and
-- yields an expression result of 12.
SELECT @MyNumber;
参照
論理演算子 (Transact-SQL)
演算子 (Transact-SQL)
組み込み関数 (Transact-SQL)