レポートのアップグレード (SSRS)
適用対象: SQL Server 2016 (13.x) Power BI Report Server
レポート定義 (.rdl) ファイルは、次の方法で開いたときに自動的にアップグレードされます。
SQL Server Data Tools (SSDT) のレポート デザイナーでページ分割されたレポートを開くと、レポート定義は現在サポートされている RDL スキーマにアップグレードされます。 SQL Server 2008 (10.0.x)、SQL Server 2008 R2 (10.50.x)、SQL Server 2012 (11.x)、または SQL Server 2014 (12.x) レポート サーバーをプロジェクト プロパティに指定すると、レポート定義はターゲット サーバーと互換性のあるスキーマに保存されます。
既にインストールされている Reporting Services を SQL Server 2016 (13.x) Reporting Services 以降 (SSRS) のインストールにアップグレードすると、レポート サーバーにパブリッシュされている既存のレポートとスナップショットは、最初に処理されるときにコンパイルされ、新しいスキーマへと自動的にアップグレードされます。 レポートを自動的にアップグレードできない場合、レポートは下位互換性モードを使用して処理されます。 レポート定義は元のスキーマのまま残ります。
レポートをローカルでアップグレードした後、またはレポート サーバーでアップグレードした後で、エラー、警告、およびメッセージがさらに通知される場合があります。 これは、内部のレポート オブジェクト モデルと処理コンポーネントが変更されたために、レポートに潜んでいた問題が検出され、メッセージが出力されるようになったものです。 詳細については、「 Reporting Services Backward Compatibility」をご参照ください。
SQL Server 2016 (13.x) Reporting Services 以降 (SSRS) の新機能の詳細については、「SQL Server Reporting Services (SSRS) の新機能」を参照してください。
アップグレード可能なバージョン
以前のどのバージョンの Reporting Services で作成されたレポートもアップグレードできます。 以下のバージョンがあります。
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SQL Server 2008 (10.0.x)
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SQL Server 2008 R2 (10.50.x)
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SQL Server 2012 (11.x)
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SQL Server 2014 (12.x)
レポート定義 (.rdl) ファイルとレポート デザイナー
レポート定義ファイルには、.rdl ファイルの検証に使用するレポート定義スキーマのバージョンを示す RDL 名前空間への参照が含まれています。
以前の名前空間に対応するレポートが作成済みの場合、SQL Server Data Tools (SSDT) のレポート デザイナーで .rdl ファイルを開くと、レポート デザイナーによって自動的にバックアップ ファイルが作成され、レポートが現在の名前空間にアップグレードされます。 これは、レポート定義ファイルをアップグレードする唯一の方法です。
設定する配置プロパティは、レポート定義ファイルを保存するスキーマに影響する場合があります。 詳細については、「SQL Server Data Tools の配置およびバージョン サポート (SSRS)」を参照してください。
以前のバージョンの Reporting Services で作成された .rdl ファイルは、新しいバージョンにアップロードすることができ、初めて使用するときに自動的にアップグレードされます。 レポート サーバーには、元の形式のレポート定義ファイルが格納されます。 レポートは初めて表示されたときに自動的にアップグレードされますが、格納されたレポート定義ファイルは変更されません。
レポート、レポート サーバー、またはレポート デザイナーの現在の RDL スキーマを確認するには、「レポート定義スキーマのバージョンを確認する (SSRS)」を参照してください。
パブリッシュされたレポートおよびレポートのスナップショット
既存のパブリッシュされたレポートおよびレポートのスナップショットは、初めて使用するときに、レポート サーバーによって新しいレポート定義スキーマへのアップグレードが試行されます。ユーザーは何も処理する必要はありません。 ユーザーがレポートまたはレポートのスナップショットを表示するか、レポート サーバーがサブスクリプションを処理すると、アップグレードが試行されます。 レポート定義は置き換えられませんが、元のスキーマのままレポート サーバーに格納されます。 レポートをアップグレードできない場合、レポートは下位互換性モードで実行されます。
下位互換性モード
正常にアップグレードされたレポートは、SQL Server 2016 (13.x) Reporting Services 以降 (SSRS) のレポート プロセッサによって処理されます。 アップグレードできないレポートは、SQL Server 2008 (10.0.x)、SQL Server 2008 R2 (10.50.x)、SQL Server 2012 (11.x)、または SQL Server 2014 (12.x) Reporting Services のレポート プロセッサによって下位互換性モードで処理されます。 レポートを両方のレポート プロセッサで処理することはできません。 レポートは、初めて使用するときに、正常にアップグレードされるか、下位互換性モードの対象としてマークされます。
新機能は、SQL Server 2016 (13.x) Reporting Services 以降 (SSRS) のレポート プロセッサのみでサポートされています。 レポートをアップグレードできない場合でも表示レポートは表示できますが、新しい機能は利用できません。 新しい機能を利用するには、レポートが正常にアップグレードされる必要があります。
サブレポートを含むレポートのアップグレード
レポートにサブレポートが含まれている場合、アップグレード時に次の 4 つのうちのいずれかの状態になります。
メイン レポートおよびすべてのサブレポートを正常にアップグレードできる。 これらは、SQL Server 2016 (13.x) Reporting Services 以降 (SSRS) のレポート プロセッサによって処理されます。
メイン レポートおよびすべてのサブレポートをアップグレードできない。 これらは、SQL Server 2008 (10.0.x)、SQL Server 2008 R2 (10.50.x)、SQL Server 2012 (11.x)、または SQL Server 2014 (12.x) Reporting Services のレポート プロセッサによって処理されます。
メイン レポートはアップグレードできるが、1 つ以上のサブレポートをアップグレードできない。 メイン レポートは SQL Server 2016 (13.x) Reporting Services 以降 (SSRS) のレポート プロセッサで処理されますが、表示されたレポート内のアップグレードできなかったサブレポートの表示位置に "エラー: サブレポートを処理できませんでした" というメッセージが表示されます。
メイン レポートはアップグレードできないが、1 つ以上のサブレポートをアップグレードできる。 メイン レポートは SQL Server 2016 (13.x) Reporting Services 以降 (SSRS) のレポート プロセッサで処理されますが、表示されたレポート内のサブレポートの表示位置に "エラー: サブレポートを処理できませんでした" というメッセージが表示されます。
"エラー: サブレポートを処理できませんでした" というエラーが表示された場合、レポートを同一バージョンのレポート プロセッサで処理できるように、メイン レポートまたはサブレポートの定義を変更する必要があります。
詳細レポートは独立したレポートとして処理されるため、詳細レポートにはこの制限はありません。
カスタム レポート アイテムを含むレポートのアップグレード
SQL Server 2008 (10.0.x)、SQL Server 2008 R2 (10.50.x)、SQL Server 2012 (11.x)、または SQL Server 2014 (12.x) Reporting Services レポートには、サードパーティのソフトウェア ベンダーによって提供され、システム管理者によってレポート作成コンピューターおよびレポート サーバーにインストールされたカスタム レポート アイテム (CRI) が含まれている場合があります。 CRI を含むレポートは次の方法でアップグレードできます。
SQL Server 2008 (10.0.x)、SQL Server 2008 R2 (10.50.x)、SQL Server 2012 (11.x)、または SQL Server 2014 (12.x) Reporting Services レポート サーバーは、SQL Server 2016 (13.x) Reporting Services (SSRS) 以降のレポート サーバーにアップグレードされます。 レポート サーバー上のパブリッシュされたレポートが、初めて使用するときに自動的にアップグレードされます。
SQL Server 2008 (10.0.x)、SQL Server 2008 R2 (10.50.x)、SQL Server 2012 (11.x)、または SQL Server 2014 (12.x) Reporting Services レポートは、SQL Server 2016 (13.x) Reporting Services (SSRS) 以降のレポート サーバーにアップロードされます。 レポートが、初めて使用するときに自動的にアップグレードされます。
SQL Server 2008 (10.0.x)、SQL Server 2008 R2 (10.50.x)、SQL Server 2012 (11.x)、または SQL Server 2014 (12.x) Reporting Services レポートは、SQL Server Data Tools (SSDT) のレポート デザイナーで開きます。 元のレポートのバックアップ コピーが作成されます。 以下の 2 つのうちのいずれかの状況になります。
レポート内のどの CRI にも、サポートされていない機能が含まれていない。 CRI が新しいレポート定義スキーマのレポート アイテムに変換され、レポート全体がアップグレードされます。 ファイルを保存すると、現在の RDL 名前空間で保存されます。
レポート内の 1 つ以上の CRI に、サポートされていない機能が含まれている。 CRI を変換するか、変更せずにそのまま使用するかを指定するためのダイアログ ボックスが表示されます。
詳細については、このトピックの「 レポート デザイナーで CRI を含むレポートを開く 」を参照してください。
レポート サーバー、SQL Server Data Tools、またはレポートの現在の RDL 名前空間を確認する方法については、「レポート定義スキーマのバージョンを確認する (SSRS)」を参照してください。
レポート サーバー上のレポートのアップグレード
SQL Server 2008 (10.0.x)、SQL Server 2008 R2 (10.50.x)、SQL Server 2012 (11.x)、または SQL Server 2014 (12.x) Reporting Services レポートが、SQL Server 2016 (13.x) Reporting Services (SSRS) 以降のレポート サーバーにアップグレードされたレポート サーバーで初めて実行されるとき、レポートは、そのレポート サーバーでサポートされている現在のレポート定義名前空間に自動的にアップグレードされます。 レポートは、アップグレード前にレポート サーバーに存在していたか、Web ポータルを介してアップロードされたか、SQL Server 2008 (10.0.x)、SQL Server 2008 R2 (10.50.x)、SQL Server 2012 (11.x)、または SQL Server 2014 (12.x) SQL Server Data Tools のレポート デザイナーからレポート サーバーに発行されていた可能性があります。
次の表に、レポート内の CRI の種類ごとに、レポート サーバーで実行されるアップグレード操作を示します。
CRI の種類 | レポート サーバーによるアップグレード操作 |
---|---|
サードパーティの CRI | アップグレードは実行されません。 SQL Server 2008 (10.0.x)、SQL Server 2008 R2 (10.50.x)、SQL Server 2012 (11.x)、または SQL Server 2014 (12.x) Reporting Services のレポート プロセッサによって処理されます。 |
レポート デザイナーで CRI を含むレポートを開く
SQL Server 2008 (10.0.x)、SQL Server 2008 R2 (10.50.x)、SQL Server 2012 (11.x)、または SQL Server 2014 (12.x) Reporting Services の CRI を含むレポートを SQL Server Data Tools (SSDT) のレポート デザイナーで開くと、レポートは新しいレポート定義スキーマにアップグレードされます。 レポートに含まれる CRI に応じて、次のいずれかの操作が実行されます。
- サードパーティの CRI が検出された。 レポート作成コンピューターにインストールされた CRI のバージョンが新しい RDL スキーマと互換性がない場合、デザイン画面に赤い X マークのテキスト ボックスが表示されます。システム管理者に相談して、新しい RDL スキーマと互換性がある新しいバージョンのサードパーティ ベンダーの CRI をインストールする必要があります。
レポート作成環境でレポートをアップグレード後に保存する以外に、既存のレポートを新しいレポート定義スキーマにアップグレードする方法はありません。
[CRI の変換] ダイアログ ボックス
このレポートにはサポートされていない機能を持つカスタム レポート アイテム (CRI) が含まれています。 CRI は、レポートにデータを表示するカスタム オブジェクトをサポートするレポート定義言語 (RDL) の拡張機能です。 CRI には、サードパーティのソフトウェア ベンダーによって提供されるデザイン時コンポーネントおよび実行時コンポーネントが含まれます。
Note
システム管理者は、レポート サーバーでカスタム レポートをサポートするかどうかを選択します。 レポートで CRI を表示するには、CRI コンポーネントをレポートのプレビューのためにレポート作成クライアントに、およびパブリッシュまたはアップロードされたレポートを表示するためにレポート サーバーにインストールする必要があります。 詳細については、「 カスタム レポート アイテム 」、およびサードパーティのソフトウェア ベンダーのマニュアルを参照してください。
新しいレポート定義形式のレポート アイテムに変換できる CRI もあります。 次の一覧に従って、このレポートの CRI を変換するかどうかを決定します。
[する] 可能であればレポート内のすべての CRI を変換する場合に、 [する] を選択します。 CRI でサポートされていない機能はアップグレードできません。レポート定義ファイルから削除されます。 レポートを表示すると、CRI がレポートに表示される方法に違いが見られます。
[しない] レポートの CRI を変換しない場合に [しない] を選択します。 現在のバージョンでは、レポート プロセッサはこれらの CRI を表示できません。 システム管理者が、サードパーティのソフトウェア ベンダーから新しいレポート定義形式と互換性のある CRI の新しいバージョンのインストールを計画している場合、 しないを選択する必要があります。 新しいバージョンが使用可能になるまで、CRI はレポート内で赤い X のある空白テキスト ボックスとして表示されます。
どちらの場合でも、レポートは新しいレポート定義形式にアップグレードされ、元のレポートのバックアップ コピーは <Report Name> -
Backup.rdl として保存されます。 レポート作成ツールにレポートを保存する場合、新しいレポート定義形式でアップグレードされたレポートを保存することになります。 レポートをパブリッシュする場合、レポートはまずコンピューターに保存され、それからレポート サーバーにパブリッシュされます。 レポートのアップグレード バージョンをレポート サーバーにパブリッシュします。
レポートを保存しない場合、元のレポートは変更されません。 ただし、SQL Server Data Tools の SQL Server 2016 バージョン、または新しいレポート定義形式を使用するレポート作成環境では、このレポートは編集できません。 Web ポータルを使用して SQL Server 2016 (13.x) Reporting Services 以降 (SSRS) のレポート サーバーにアップロードすることで、レポートの元のバージョンを継続して実行できます。 詳細については、「Web ポータル」を参照してください。
レポートをレポート サーバーにパブリッシュする代わりに、アップロードする場合、レポート プロセッサはそのレポートを最初の使用時にアップグレードできるかどうかを決定します。 アップグレードできないレポートは下位互換性モードで処理され、 Reporting Servicesの以前のバージョンと同じように表示されます。