Reporting Services での URL アクセスまたは SOAP の選択
適用対象: SQL Server Reporting Services (2016) ❌ SQL Server Reporting Services (2017) ❌ Power BI Report Server
Reporting Services をカスタム アプリケーションへ統合するのは、必ずしも容易な作業ではありません。 ただし、課題はプログラミング モデルや API の複雑さではなく、それを統合する多くの方法です。 Reporting Services は開発者プラットフォームとして最初から設計されており、プログラミングの柔軟性を念頭に置いて構築されています。 柔軟性を得るには、Reporting Services のレポート ナビゲーション機能と管理機能を既存ビジネス アプリケーションに統合することに関して重要な意思決定を行う必要があります。
Note
SQL Server 2017 Reporting Services 以降では、ソリューションの開発に REST API アクセスを使用できます。 SOAP API アクセスは非推奨とされます。 詳細については、「Develop with the REST APIs for Reporting Services」 (Reporting Services の REST API による開発) を参照してください。
Reporting Services をカスタム アプリケーションに統合するには、URL アクセスと Reporting Services SOAP API という 2 つの方法があります。 どちらの方法を使用するかは、いくつかの要因によって異なります。 状況によっては、Reporting Services をカスタム ビジネス アプリケーションに統合する場合に URL アクセスと SOAP の両方が必要です。 決定に際して、次の事項を考慮する必要があります。
自分自身、またはエンド ユーザーにとって、どのようなエンタープライズ レポート機能が必要か。 レポートの起動や操作はできるだけ簡単な方がよいのか、あるいは、カスタム ビジネス ソリューションの高度なレポート サーバー管理機能を使用する必要があるのか。
一般的なユーザーの操作環境はどのようなものか。 ビジネス アプリケーションとして、Web アプリケーションを使用するのか、Windows アプリケーションを使用するのか。 エンド ユーザーは、Win32 環境から Web 環境へ簡単に切り替えることができるか。 レポートを実行および管理するうえで、どのような機能が必要か。
前の質問に回答したら、Reporting Services を IT インフラストラクチャに統合する方法を決定できます。 通常、個別のレポートを表示およびナビゲートする場合は URL アクセスが適しています。 URL アクセスでは、Web サービスのオーバーヘッドなしにレポートを自由にすばやくナビゲートできます。 また、レポートのナビゲーションにレポートのツール バーを含む完全な HTML ビューアーを使用するプログラム技法は、現在のところ URL アクセスのみです。 URL アクセスでは、パフォーマンスも SOAP より向上します。サーバーからやり取りされる SOAP 要求のマーシャリングをバイパスするためです。 組み込まれたツールを使用してレポートを表示およびナビゲーションするために、すばやくかつ簡単なアクセスが必要な統合シナリオには、URL アクセスが適しています。
Note
レポート サーバー URL アクセスは、HTML ビューアーとレポート ツール バーの拡張された機能をサポートします。 SOAP API は、この種の表示レポートをサポートしません。 SOAP API を使用してレポートを表示する場合は、独自のレポート ツール バーを設計および開発する必要があります。
レポート ツール バーの詳細については、「HTML Viewer and the Report Toolbar」(HTML ビューアーとレポート ツール バー) を参照してください。
URL アクセスの詳細については、「URL Access」(URL アクセス) を参照してください。
URL アクセスはレポートを表示するのに役立ちますが、エンタープライズ レポートシナリオに不可欠なレポートと名前空間管理機能は提供されません。 このような場合は、Reporting Services SOAP API の幅広く豊富な機能をお勧めします。 SOAP API を使用すると、レポートの管理と配置、スケジュールの作成、サーバーのプロパティの構成、レポート サーバー名前空間の管理、サブスクリプションの作成などが可能です。 SOAP API は、Reporting Services の管理機能の完全なセットを提供します。 SOAP API では、API の Render メソッドを通してレポートを表示およびナビゲートすることもできます。 ただし、SOAP API を使用してレポートを表示しても、レポート ツール バーの組み込みの表示機能は有効になりません。また、URL アクセスによって提供されるレポートの対話機能も自動的に処理されません。
Reporting Services SOAP API の詳細については、「Report Server Web Service」(Report Server Web サービス) を参照してください。
ほとんどの場合、レポートのニーズを満たすために URL アクセスと SOAP 呼び出しの両方が必要です。 SOAP は、最初にレポート サーバー データベースに接続し、使用可能なレポートの一覧をユーザー インターフェイスに表示するときに使用されます。 URL アクセスは、個々のレポートに実際にアクセスして移動するために使用されます。
URL アクセスと Web サービスを組み合わせて統合レポート機能を実現する例については、「SQL Server Reporting Services Product Samples」(SQL Server Reporting Services 製品サンプル) を参照してください。