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Xamarin.Forms シェルのカスタム レンダラー

Xamarin.Forms シェル アプリケーションの 1 つのメリットは、さまざまなシェル クラスが公開しているプロパティとメソッドを利用して、外観と動作を高度にカスタマイズできることです。 ただし、プラットフォーム固有のより広範なカスタマイズが必要な場合は、シェルのカスタム レンダラーを作成することも可能です。 他のカスタム レンダラーと同様に、シェルのカスタム レンダラーは、他のプラットフォーム上での既定の動作を可能にしたまま、1 つのプラットフォーム プロジェクトのみに追加して外観と動作をカスタマイズできます。また、iOS および Android 上の両方で外観と動作をカスタマイズするために、別のシェル カスタム レンダラーを各プラットフォーム プロジェクトに追加することもできます。

シェル アプリケーションは、iOS および Android 上の ShellRenderer クラスを使用してレンダリングされます。 iOS 上では、ShellRenderer クラスは Xamarin.Forms.Platform.iOS 名前空間内で見つかります。 Android 上では、ShellRenderer クラスは Xamarin.Forms.Platform.Android 名前空間内で見つかります。

シェルのカスタム レンダラーを作成するプロセスは次のとおりです。

  1. Shell クラスをサブクラス化します。 これは、シェル アプリケーション内で既に行われているでしょう。
  2. サブクラス化された Shell クラスを利用します。 これは、シェル アプリケーション内で既に行われているでしょう。
  3. 必要なプラットフォーム上で、ShellRenderer クラスから派生したカスタム レンダラー クラスを作成します。

カスタム レンダラー クラスを作成する

シェルのカスタム レンダラー クラスを作成するプロセスは次のとおりです。

  1. ShellRenderer クラスのサブクラスを作成します。
  2. 必要なメソッドをオーバーライドして、必要なカスタマイズを実行します。
  3. ExportRendererAttributeShellRenderer サブクラスに追加して、シェル アプリケーションのレンダリングに使用することを指定します。 この属性は、Xamarin.Forms にカスタム レンダラーを登録するために使用されます。

Note

プラットフォーム プロジェクトごとにシェルのカスタム レンダラーを指定することは、任意です。 カスタム レンダラーが登録されていない場合は、既定の ShellRenderer クラスが使用されます。

ShellRenderer クラスでは、オーバーライドできる次のようなメソッドを公開しています。

iOS Android UWP
SetElementSize
CreateFlyoutRenderer
CreateNavBarAppearanceTracker
CreatePageRendererTracker
CreateShellFlyoutContentRenderer
CreateShellItemRenderer
CreateShellItemTransition
CreateShellSearchResultsRenderer
CreateShellSectionRenderer
CreateTabBarAppearanceTracker
Dispose
OnCurrentItemChanged
OnElementPropertyChanged
OnElementSet
UpdateBackgroundColor
CreateFragmentForPage
CreateShellFlyoutContentRenderer
CreateShellFlyoutRenderer
CreateShellItemRenderer
CreateShellSectionRenderer
CreateTrackerForToolbar
CreateToolbarAppearanceTracker
CreateTabLayoutAppearanceTracker
CreateBottomNavViewAppearanceTracker
OnElementPropertyChanged
OnElementSet
SwitchFragment
Dispose
CreateShellFlyoutTemplateSelector
CreateShellHeaderRenderer
CreateShellItemRenderer
CreateShellSectionRenderer
OnElementPropertyChanged
OnElementSet
UpdateFlyoutBackdropColor
UpdateFlyoutBackgroundColor

FlyoutItem および TabBar クラスは ShellItem クラスの別名であり、Tab クラスは ShellSection クラスの別名です。 そのため、FlyoutItem オブジェクトのカスタム レンダラーを作成するときは、CreateShellItemRenderer メソッドをオーバーライドする必要があり、Tab オブジェクトのカスタム レンダラーを作成するときは、CreateShellSectionRenderer メソッドをオーバーライドする必要があります。

重要

iOS、Android、および UWP 上に、ShellSectionRendererShellItemRenderer など、追加のシェル レンダラー クラスがあります。 ただし、これらの追加のレンダラー クラスは、ShellRenderer クラス内でのオーバーライドによって作成されます。 そのため、これらの追加のレンダラー クラスは、サブクラス化したうえで、サブクラス化された ShellRenderer クラスでの適切なオーバーライドの中で、そのサブクラスのインスタンスを作成することで、動作のカスタマイズを実現できます。

iOS の例

次のコード例は、iOS の場合に、シェル アプリケーションのナビゲーション バーに背景イメージを設定するサブクラス化された ShellRenderer を示しています。

using UIKit;
using Xamarin.Forms;
using Xamarin.Forms.Platform.iOS;

[assembly: ExportRenderer(typeof(Xaminals.AppShell), typeof(Xaminals.iOS.MyShellRenderer))]
namespace Xaminals.iOS
{
    public class MyShellRenderer : ShellRenderer
    {
        protected override IShellSectionRenderer CreateShellSectionRenderer(ShellSection shellSection)
        {
            var renderer = base.CreateShellSectionRenderer(shellSection);
            if (renderer != null)
            {
                (renderer as ShellSectionRenderer).NavigationBar.SetBackgroundImage(UIImage.FromFile("monkey.png"), UIBarMetrics.Default);
            }
            return renderer;
        }
    }
}

MyShellRenderer クラスは CreateShellSectionRenderer メソッドをオーバーライドし、基本クラスによって作成されたレンダラーを取得します。 その後、レンダラーを返す前に、ナビゲーション バーに背景イメージを設定して、レンダラーを変更します。

Android の例

次のコード例は、Android の場合に、シェル アプリケーションのナビゲーション バーに背景イメージを設定するサブクラス化された ShellRenderer を示しています。

using Android.Content;
using Xamarin.Forms;
using Xamarin.Forms.Platform.Android;

[assembly: ExportRenderer(typeof(Xaminals.AppShell), typeof(Xaminals.Droid.MyShellRenderer))]
namespace Xaminals.Droid
{
    public class MyShellRenderer : ShellRenderer
    {
        public MyShellRenderer(Context context) : base(context)
        {
        }

        protected override IShellToolbarAppearanceTracker CreateToolbarAppearanceTracker()
        {
            return new MyShellToolbarAppearanceTracker(this);
        }
    }
}

MyShellRenderer クラスは CreateToolbarAppearanceTracker メソッドをオーバーライドして、MyShellToolbarAppearanceTracker クラスのインスタンスを返します。 次の例では、ShellToolbarAppearanceTracker クラスから派生した MyShellToolbarAppearanceTracker クラスを示しています。

using AndroidX.AppCompat.Widget;
using Xamarin.Forms;
using Xamarin.Forms.Platform.Android;

namespace Xaminals.Droid
{
    public class MyShellToolbarAppearanceTracker : ShellToolbarAppearanceTracker
    {
        public MyShellToolbarAppearanceTracker(IShellContext context) : base(context)
        {
        }

        public override void SetAppearance(Toolbar toolbar, IShellToolbarTracker toolbarTracker, ShellAppearance appearance)
        {
            base.SetAppearance(toolbar, toolbarTracker, appearance);
            toolbar.SetBackgroundResource(Resource.Drawable.monkey);
        }
    }
}

MyShellToolbarAppearanceTracker クラスは SetAppearance メソッドをオーバーライドし、背景イメージを設定することでツールバーを変更します。

重要

必要なのは、ExportRendererAttributeShellRenderer クラスから派生したカスタム レンダラーに追加することだけです。 サブクラス化された追加のシェル レンダラー クラスが、サブクラス化された ShellRenderer クラスによって作成されます。