Devenv コマンド ライン スイッチ
Devenv を使用すると、コマンド ラインから統合開発環境 (IDE: Integrated Development Environment) のさまざまなオプションを設定したり、プロジェクトをビルド、デバッグ、および配置できます。これらのスイッチを使用して、スクリプトや .bat ファイル (夜間用のビルド スクリプトなど) から IDE を実行したり、特定の構成で IDE を起動したりします。
[!メモ]
ビルド関連のタスクでは、devenv の代わりに MSBuild を使用することをお勧めします。詳細については、「MSBuild コマンド ライン リファレンス」を参照してください。
[!メモ]
/Setup (devenv.exe) スイッチおよび /InstallVSTemplates (devenv.exe) スイッチを使用するには、管理者として devenv を実行する必要があります。
Devenv のスイッチの構文
既定では、devenv コマンドは、devenv.com ユーティリティにスイッチを渡します。
devenv.com ユーティリティは標準のシステム ストリーム、たとえば stdout および stderr などを介して結果を出力します。このユーティリティは出力をキャプチャする際に、txt ファイルなどの適切な入出力先を判断します。devenv.exe で始まるコマンドも同じスイッチを使うことができますが、コマンドは devenv.com ユーティリティを介さずに devenv.exe プログラムに送られます。
devenv スイッチの構文規則は、他の DOS コマンド ライン ユーティリティのものとよく似ています。すべての devenv スイッチと引数に適用される構文規則は以下のとおりです。
devenv で始まるコマンド。
スイッチは大文字と小文字を区別しません。
ソリューションまたはプロジェクトを指定するとき、最初の引数はソリューション ファイルまたはプロジェクト ファイルの名前 (ファイル パスを含む) です。
最初の引数がソリューションでもプロジェクトでもないファイルの場合、そのファイルが IDE の新しいインスタンスで適切なエディターを使用して開かれます。
ソリューション ファイル名の代わりにプロジェクト ファイル名を入力すると、devenv コマンドは、プロジェクト フォルダーの親フォルダーで同じ名前が付いているソリューション ファイルを検索します。たとえば、devenv /build myproject1.vbproj というコマンドは、親フォルダーで "myproject1.sln" という名前のついたソリューション ファイルを検索します。
[!メモ]
このプロジェクトを参照するソリューション ファイルは、親フォルダーの中に 1 つだけ置かれている必要があります。親フォルダーにこのプロジェクトを参照するソリューション ファイルがない場合、また親フォルダーにこのソリューション ファイルが 2 つ以上ある場合は、一時ソリューション ファイルが作成されます。一時ソリューション ファイルは、プロジェクトにちなんだ名前となり、プロジェクトを参照します。
ファイル パスやファイル名にスペースが含まれる場合は、二重引用符 ("") で囲む必要があります。たとえば、"c:\project a\" と指定します。
1 行に複数のスイッチや引数を入力する場合は、空白文字 1 つで区切ります。たとえば、devenv /log output.txt というコマンドは、IDE を開き、そのセッションのすべてのログ情報を output.txt に出力します。
devenv のコマンドでパターン マッチング構文を使用できません。
Devenv のスイッチ
次の表のコマンド ライン スイッチを使用して、IDE を表示し、説明されているタスクを実行します。
コマンド ライン スイッチ |
説明 |
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IDE を起動し、指定したコマンドを実行します。 |
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Visual C++ の実行可能ファイルをデバッガーの制御下に読み込みます。このスイッチは、Visual Basic または Visual C# の実行可能ファイルには使用できません。詳細については、「[NIB] 12/13 方法: デバッガーを自動的に起動する」を参照してください。 |
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/LCID (devenv.exe) か /l |
IDE の既定の言語を設定します。指定した言語が Visual Studio インストールに含まれていない場合、この設定は無視されます。 |
Visual Studio を起動し、ログ ファイルにすべてのアクティビティを記録します。 |
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/Run (devenv.exe) か /r |
指定したソリューションをコンパイルして実行します。 |
指定したソリューションをコンパイルして実行します。ソリューションの実行時には IDE を最小化し、ソリューションの実行終了後に IDE を終了します。 |
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IDE で Visual C++ のコンパイルをする場合に、[オプション] ダイアログ ボックスの [プロジェクト] オプションの [VC++ ディレクトリ] セクションで指定した設定ではなく、PATH、INCLUDE、および LIB の各環境変数を使用します。詳細については、「コマンド ライン ビルドのパスと環境変数の設定」を参照してください。 |
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指定したファイルを、このアプリケーションの実行中のインスタンスで開きます。実行中のインスタンスがない場合は、簡略化されたウィンドウ レイアウトで新しいインスタンスを起動します。 |
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指定されたアドインを読み込まずに Visual Studio IDE のインスタンスを起動します。 |
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Visual Studio をセーフ モードで起動し、既定の環境とサービス、および出荷バージョンのサードパーティ パッケージだけを読み込みます。 |
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問題のある VSPackage が読み込まれないようにユーザーが VSPackages に追加した SkipLoading タグをすべて消去します。 |
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使用できるすべての VSPackages にある、メニュー、ツール バー、およびコマンド グループを記述したリソース メタデータが Visual Studio により強制的にマージされます。 |
次の表のコマンド ライン スイッチを使用して、タスクを実行します。これらのコマンド ライン スイッチでは、IDE が表示されません。
コマンド ライン スイッチ |
説明 |
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Devenv のスイッチのヘルプを [コマンド プロンプト] ウィンドウ内に表示します。 Devenv /? |
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指定のソリューションの構成に従って、指定のソリューションまたはプロジェクトをビルドします。 Devenv myproj.csproj /build |
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ビルド コマンドによって作成されたすべてのファイルを、ソース ファイルに影響を与えずに削除します。 Devenv myproj.csproj /clean |
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ソリューションの構成に従って、ソリューションを配置に必要なファイルと共にビルドします。 Devenv myproj.csproj /deploy |
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2 つのファイルを比較します。4 個のパラメーターを受け取ります: SourceFile、TargetFile、SourceDisplayName (省略可能)、TargetDisplayName (省略可能)。 |
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<VisualStudioInstallDir>\Common7\IDE\ProjectTemplates または <VisualStudioInstallDir>\Common7\IDE\ItemTemplates にあるプロジェクトや項目テンプレートを登録して、[新しいプロジェクト] ダイアログ ボックスおよび [新しい項目の追加] ダイアログ ボックスからアクセスできるようにします。 Devenv /InstallVSTemplates |
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ビルド時のエラーを受け取るファイルを指定できます。 Devenv myproj.csproj /build /out log.txt |
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ビルド、消去、または配置するプロジェクトを指定します。このスイッチは、/build、/rebuild、/clean、または /deploy スイッチを指定した場合にだけ使用できます。 |
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ビルドまたは配置するプロジェクト構成を指定します。このスイッチは、/project スイッチを指定した場合だけに使用できます。 |
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指定のソリューションの構成に従って、指定のソリューションまたはプロジェクトを消去してからビルドします。 |
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指定されたソリューション ファイルとそのすべてのプロジェクト ファイル、または指定されたプロジェクト ファイルを、そのファイルに対応する現在の Visual Studio の形式にアップグレードします。 |
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Visual Studio の既定の設定を復元します。指定の .vssettings ファイルに準じた設定にリセットすることもできます。 |